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④
若さゆえか、疲れ知らずのジークはそれから何度もエーデルミラを抱いた。
さんざん喘がされ、中に射精されて、一体いつ眠ったのかわからない。ぼんやりと目を開けると時刻は明け方になっていて、外がうっすら白みかけていた。
前をはだけたシャツとトラウザーズという姿で部屋に入ってきたジークは、シャワーを浴びてきたのか濡れ髪だ。彼はベッドに沈み込んで目を開けているこちらに気づき、声をかけてきた。
「すみません、起こしてしまいましたか? 身体はきれいに清めておいたので、不快感はないはずですが、何か飲み物を持ってきましょうか」
普段と変わらない口調でそんなふうに言われ、エーデルミラの頭にカッと血が上る。
既にジークにかけられた拘束魔法と魔力封じは解けていて、気がつけば衝動のまま魔法を放っていた。
「……っ」
無詠唱で放ったのは、空気を圧縮して一気に解放する爆発魔法だ。
爆音が響くと共に、正面からもろにそれを食らった彼の身体が後ろに吹っ飛び、壁に当たって止まる。周囲の調度品や照明がその煽りを食らって砕け散り、壁や天井にもヒビが入って、寝室の入り口付近はまるで爆発物でも投げ込まれたかのような惨状になっていた。
ベッドから身体を起こしたエーデルミラは荒い呼吸をし、ふつふつとこみ上げる怒りを押し殺す。さんざん好き勝手に抱かれたものの、それを許可した覚えは一切ない。
知らないうちに眠り薬を投与され、目が覚めたあとは拘束魔法と魔力封じという卑怯なやり方で抵抗を封じられて、騙し討ちのような形で身体を奪われたも同然だ。
ジークのそうした行動は、エーデルミラの矜持を深く傷つけていた。この十四年間、彼を養い子として育てて信頼していただけに、「裏切られた」という思いでいっぱいになっている。
(しかもこの子、今わたしの魔法をわざと正面から受けた。避けたり弾き返すことができたはずなのに、まるで「怒ってるから、一発殴らせてやるか」って言わんばかりに……っ)
そんなこちらの怒りを知ってか知らずか、ジークが壁に叩きつけられた状態のままつぶやいた。
「魔女は基本的に攻撃魔法を使わないといいますが、感情の高まりでこんなにも強力な魔法を放つんですね。驚きました」
「普段積極的に使用しないないだけで、攻撃魔法が使えないわけじゃないわ。馬鹿にしないで」
「馬鹿にはしていませんよ。魔術師が理論的で工学的な魔法を構築するのに対し、魔女は自然や精霊、自身の感情を媒体にして魔法を構築するんですよね。この家にある文献に、そう書いていました」
派手に吹っ飛びはしたものの、彼はさほど身体にダメージを受けていないようだ。
その事実に苛立ちをおぼえつつ、エーデルミラは押し殺した声で問いかけた。
「あなた、二十歳を境に記憶と魔力が戻ったと言ったわね。でもそれから半年くらいしか経っていないのに、その習熟度はおかしいわ。一体どういうことなの」
「六歳までに、一般的な魔法使いが使える範囲の魔法をすべて習得していたんです。記憶と魔力を封じられて十四年ものブランクがありましたが、取り戻したあとはこの家にある膨大な魔法理論の書籍や魔導書を読み漁り、より高度な魔法を独学で身に着けました」
それを聞いたエーデルミラは、一層困惑を深める。
魔法とはそんなに簡単なものではなく、理論と実践が必要で、ひとつ習得するだけでもかなりの時間を要するものだ。
六歳までに数々の魔法を習っていたのなら、それは英才教育に他ならず、彼の魔術師としてのポテンシャルはかなりのものであるのは間違いない。
(そんな高度な教育を受けるような環境にいたのに、記憶と魔力を奪われて奴隷の身分に落とされるなんて、そんなことがあるかしら。だとすれば、ジークの出自はかなり複雑なんじゃ……)
気にはなったものの、そうした事情をこちらに説明しなかったこと、睡眠状態で何度も身体を奪っていた事実は、断じて許し難かった。
エーデルミラは掛布を引き寄せて裸体を隠し、ジークを見つめて冷ややかに告げた。
「――出ていきなさい。二度とわたしの前に現れることは許さないし、次に会ったら殺すから」
すると彼が眉を上げ、クスリと笑って応える。
「殺すだなんて、ひどいな。俺はあなたの身体を傷つけていないし、むしろ快感しか与えていないはずです。それだけではなく、長いこと生活のすべてを面倒見てきたのに、俺がいなくなって本当に平気なんですか」
「……っ」
一連の行動を謝るわけでもなく、開き直ったようにそんなことを言われ、苛立ったエーデルミラは素早く火炎魔法を放つ。
しかしジークは防御障壁を築いてそれを難なく防ぎ、火炎を空中で霧散させると、立ち上がって衣服についた粉塵を払いながら言った。
「今はおとなしく退散しますけど、いずれ俺は戻ってきます。そのときは、改めてあなたを口説かせてください」
「何を言ってるの? わたしは……っ」
「エーデルミラさま、どうか魔法の研究に根を詰めすぎず、ときどき外に出て日の光を浴びてくださいね。食事はバランスよく取って、骨董品の散財はほどほどに。――では」
彼が戸口から出ていき、遠くで玄関のドアが閉まる音がして、エーデルミラはぐっと唇を引き結ぶ。
まさかジークとの関係が、こんなふうに壊れるとは思わなかった。六歳の頃のあどけない顔、小さな身体で懸命に家事をこなす姿は昨日のことのように思い出せ、若木のようにしなやかな少年期から大人の体格になるまではわずか十四年の月日だったが、彼と過ごす時間は心地よく、ずっとこんな日が続くのだと漠然と考えていた。
(それなのに――)
この家を出たジークが、どこに行こうとしているのかはわからない。
精霊に追跡させれば後を追えるかもしれないが、そんな気にはなれなかった。信頼を裏切られたことが許せない以上、彼と元どおりの関係になれるはずもなく、今後会うつもりは一切ない。
(もうあんな子のことは、忘れよう。またわたしの前に姿を現したら、今度こそ容赦しないわ。恩知らずな真似をした代償を、嫌というほど払わせてあげる)
身体の奥には、濃密に抱かれた余韻が色濃く残っていた。
それを腹立たしく思いつつ、かすかに顔を歪めたエーデルミラは、乱れたベッドの上からひどい有様になった寝室の惨状を見つめ続けた。
さんざん喘がされ、中に射精されて、一体いつ眠ったのかわからない。ぼんやりと目を開けると時刻は明け方になっていて、外がうっすら白みかけていた。
前をはだけたシャツとトラウザーズという姿で部屋に入ってきたジークは、シャワーを浴びてきたのか濡れ髪だ。彼はベッドに沈み込んで目を開けているこちらに気づき、声をかけてきた。
「すみません、起こしてしまいましたか? 身体はきれいに清めておいたので、不快感はないはずですが、何か飲み物を持ってきましょうか」
普段と変わらない口調でそんなふうに言われ、エーデルミラの頭にカッと血が上る。
既にジークにかけられた拘束魔法と魔力封じは解けていて、気がつけば衝動のまま魔法を放っていた。
「……っ」
無詠唱で放ったのは、空気を圧縮して一気に解放する爆発魔法だ。
爆音が響くと共に、正面からもろにそれを食らった彼の身体が後ろに吹っ飛び、壁に当たって止まる。周囲の調度品や照明がその煽りを食らって砕け散り、壁や天井にもヒビが入って、寝室の入り口付近はまるで爆発物でも投げ込まれたかのような惨状になっていた。
ベッドから身体を起こしたエーデルミラは荒い呼吸をし、ふつふつとこみ上げる怒りを押し殺す。さんざん好き勝手に抱かれたものの、それを許可した覚えは一切ない。
知らないうちに眠り薬を投与され、目が覚めたあとは拘束魔法と魔力封じという卑怯なやり方で抵抗を封じられて、騙し討ちのような形で身体を奪われたも同然だ。
ジークのそうした行動は、エーデルミラの矜持を深く傷つけていた。この十四年間、彼を養い子として育てて信頼していただけに、「裏切られた」という思いでいっぱいになっている。
(しかもこの子、今わたしの魔法をわざと正面から受けた。避けたり弾き返すことができたはずなのに、まるで「怒ってるから、一発殴らせてやるか」って言わんばかりに……っ)
そんなこちらの怒りを知ってか知らずか、ジークが壁に叩きつけられた状態のままつぶやいた。
「魔女は基本的に攻撃魔法を使わないといいますが、感情の高まりでこんなにも強力な魔法を放つんですね。驚きました」
「普段積極的に使用しないないだけで、攻撃魔法が使えないわけじゃないわ。馬鹿にしないで」
「馬鹿にはしていませんよ。魔術師が理論的で工学的な魔法を構築するのに対し、魔女は自然や精霊、自身の感情を媒体にして魔法を構築するんですよね。この家にある文献に、そう書いていました」
派手に吹っ飛びはしたものの、彼はさほど身体にダメージを受けていないようだ。
その事実に苛立ちをおぼえつつ、エーデルミラは押し殺した声で問いかけた。
「あなた、二十歳を境に記憶と魔力が戻ったと言ったわね。でもそれから半年くらいしか経っていないのに、その習熟度はおかしいわ。一体どういうことなの」
「六歳までに、一般的な魔法使いが使える範囲の魔法をすべて習得していたんです。記憶と魔力を封じられて十四年ものブランクがありましたが、取り戻したあとはこの家にある膨大な魔法理論の書籍や魔導書を読み漁り、より高度な魔法を独学で身に着けました」
それを聞いたエーデルミラは、一層困惑を深める。
魔法とはそんなに簡単なものではなく、理論と実践が必要で、ひとつ習得するだけでもかなりの時間を要するものだ。
六歳までに数々の魔法を習っていたのなら、それは英才教育に他ならず、彼の魔術師としてのポテンシャルはかなりのものであるのは間違いない。
(そんな高度な教育を受けるような環境にいたのに、記憶と魔力を奪われて奴隷の身分に落とされるなんて、そんなことがあるかしら。だとすれば、ジークの出自はかなり複雑なんじゃ……)
気にはなったものの、そうした事情をこちらに説明しなかったこと、睡眠状態で何度も身体を奪っていた事実は、断じて許し難かった。
エーデルミラは掛布を引き寄せて裸体を隠し、ジークを見つめて冷ややかに告げた。
「――出ていきなさい。二度とわたしの前に現れることは許さないし、次に会ったら殺すから」
すると彼が眉を上げ、クスリと笑って応える。
「殺すだなんて、ひどいな。俺はあなたの身体を傷つけていないし、むしろ快感しか与えていないはずです。それだけではなく、長いこと生活のすべてを面倒見てきたのに、俺がいなくなって本当に平気なんですか」
「……っ」
一連の行動を謝るわけでもなく、開き直ったようにそんなことを言われ、苛立ったエーデルミラは素早く火炎魔法を放つ。
しかしジークは防御障壁を築いてそれを難なく防ぎ、火炎を空中で霧散させると、立ち上がって衣服についた粉塵を払いながら言った。
「今はおとなしく退散しますけど、いずれ俺は戻ってきます。そのときは、改めてあなたを口説かせてください」
「何を言ってるの? わたしは……っ」
「エーデルミラさま、どうか魔法の研究に根を詰めすぎず、ときどき外に出て日の光を浴びてくださいね。食事はバランスよく取って、骨董品の散財はほどほどに。――では」
彼が戸口から出ていき、遠くで玄関のドアが閉まる音がして、エーデルミラはぐっと唇を引き結ぶ。
まさかジークとの関係が、こんなふうに壊れるとは思わなかった。六歳の頃のあどけない顔、小さな身体で懸命に家事をこなす姿は昨日のことのように思い出せ、若木のようにしなやかな少年期から大人の体格になるまではわずか十四年の月日だったが、彼と過ごす時間は心地よく、ずっとこんな日が続くのだと漠然と考えていた。
(それなのに――)
この家を出たジークが、どこに行こうとしているのかはわからない。
精霊に追跡させれば後を追えるかもしれないが、そんな気にはなれなかった。信頼を裏切られたことが許せない以上、彼と元どおりの関係になれるはずもなく、今後会うつもりは一切ない。
(もうあんな子のことは、忘れよう。またわたしの前に姿を現したら、今度こそ容赦しないわ。恩知らずな真似をした代償を、嫌というほど払わせてあげる)
身体の奥には、濃密に抱かれた余韻が色濃く残っていた。
それを腹立たしく思いつつ、かすかに顔を歪めたエーデルミラは、乱れたベッドの上からひどい有様になった寝室の惨状を見つめ続けた。
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