ノーベル賞受賞屋が乙女ゲームの世界に転生した。

鹿島 ギイチ

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第一部 第一章

第18話 調査と逮捕

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 〔デイ・ノルド王国〕首都 〔ハルマ―〕王城 後宮

 僕は、今日の師匠たちとの鍛錬とリウム先生との勉強を終えて、後宮の自分の自室に帰って来ていた。
 帰ってきてすぐに、部屋に備え付けられているバスルームに入り、体に付いた汗やほこりを落とし、下着などを変えて平服に着替えて、椅子に座りながら、今日のランニングの時に発見した、何かの装置の破片を見ていた。

「これ、何だろう?」

 そんな事を言っていると、部屋のドアがノックされ、外から侍女の声が、聞こえて来た。

「殿下、イルマでございます。入ってよろしいでしょうか?」

「うん、どうぞ。」

 そう言うと、扉が開きイルマがお辞儀をして入ってきた。

「失礼いたします、殿下。」

 お辞儀を、終えたイルマは、カートを押してこちらにやってきた。その押されているカートには、お茶のセットとお菓子が乗っていた。

「殿下、本日のデザートとお茶でございます。」

 そう言ってイルマは、僕の目の前にデザートを置いて、お茶を淹れ始めた。どうやら今日のお茶は、いつもの物と違うようだ。
イルマは、テキパキと準備を整えると、カップにお茶を注いで、テーブルの上に置くと一歩下がった。

「ありがとう、イルマ。」

 僕は、イルマにお礼を言うと、お茶を少し飲んでから、デザートを食べた。少しして、デザートを食べ終えた僕は、お茶を飲みながら、また何かの装置の破片を眺めていた。するとイルマが、尋ねて来た。

「殿下、先ほどから見ておられる、それは、何ですか?」

 そう聞いてきたので、僕は、こう答えた。

「今日の鍛錬の時のランニングで、王城南区を走った時に見つけた物なんだ。」

「どこで、見つけたのですか?」

「うん、この前、魔力爆発があった兵器庫の跡地に散乱している瓦礫の下で見つけたんだ。」

 そう言ってイルマに、その破片を見せた。イルマは、その破片をしげしげと見て来た。

「何だと思う?」

 僕が質問すると、イルマも首を傾げてこう言った。

「何でございましょう?」

 イルマも、何かは分からないようであった。僕は、その破片をしばらく見ていたが、埒が明かないと思い、とある人物に相談することに決めた。

「イルマ、出掛けてくるね。」

「どちらにいらしゃるのですか?」

「ユナ師匠に、会ってくるよ。」

「かしこまりました。」

 僕は、イルマに見送られながら部屋を出て、先生たちが滞在している離宮の一つへと向かった。
 後宮を出て、中庭を東方向に歩くと、すこしこじんまりとした建物が二つ見えて来た。この小さめな二つ離宮が、須針師匠と随伴した兄弟子たちとユナ師匠が滞在している建物である。
僕は、ユナ師匠が滞在している離宮へと向かい、扉に着いた呼び鈴を鳴らした。

「は~い。今開けます。」

 と言う声が、聞こえてきて扉が開いた。扉が開くと、ユナ先生が出て来た。

「あら、殿下。どうされたのですか?」

「うん、師匠に聞きたいことがあって。」

 そう言って僕は、ユナ師匠に何かの装置の破片を見せ、何なのかを尋ねた。それを受け取った師匠は、破片を見つめると、何かを感じた顔になり、僕に離宮に入るように言った。
 離宮に入ると、僕は、師匠からダイニングルームで待ってるように言われ、師匠は、自室に入り何かをしている様であった。

 しばらくダイニングルームで待っていると、師匠が入ってきて、僕にこう聞いてきた。

「殿下、これをどこで見つけましたか?」

 僕は、正直に魔力爆発のあった武器庫の瓦礫の下から見つけたと話した。すると師匠は、どうやって見つけたかを聞いてきた。

「王城南区を走っている時に何かの雑音みたいなものが感じられたんだ、その雑音みたいなのを探して走っていたら、武器庫の方から感じて、その感じを探っていたら、瓦礫の下に何かが埋もれていると分かったんだ。」

 そう説明すると、師匠は、僕を抱きしめて喜びを爆発させた。しかし、僕は、そんな事を言いに来たのではない、この破片は何なのかを師匠に調べてもらう為である。
 僕は、喜びを爆発させている師匠にこう言った。

「ユナ師匠、喜ぶのは後回しにしてください。今は、この破片について調べて欲しいんです。」

 そう言うとユナ師匠は、僕から離れて、テーブルに向かい僕に座るように促した。
僕が、テーブルに座ると、師匠はこう答えた。

「この破片の正体は、魔導装置の一種です。」

「どんな魔導装置ですか?」

 僕が、質問するとこう答えてくれた。

「この魔導装置は、魔力に圧力を加え圧縮し、その状態を解除することにより魔力爆発を起こさせることが出来る物です。」

 僕は、その答えに戦慄した。それが本当なら兵器庫での爆発は、仕組まれたものであったと言う事である

「後もう一つ、言っておくべ事があります。」

「何ですか?」

 師匠が、そんな意味深な事を言って来た。

「この装置は、時間の指定も出来、また遠隔で起動させることもできます。」

 僕は、それを聞いた後、急いでリウム先生を呼んでもらい、ユナ師匠とリウム先生とで父上に報告をしてもらうように頼んだ。
 報告を受けた父上は、王城を隈なく捜索するように命じた。捜索をすると王城西区・東区に仕掛けられていることが分かり、ユナ師匠が、処理をして回収された。
 その日の内に捜査が、開始され、次の日の夕方にとある人物が、逮捕された。
その人物は、まさかのワーグスト・ラエンドルであった。
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