打てない球は存在しない

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第1球目 部員集め

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これから話す物語は、青春を謳歌した僕等11人の物語である。

野球の話をするのに11人なのかと聞かれるだろうが僕は気にしない。だって部員の数だから。


まず、僕、主人公の名前を教えよう
。僕の名は「忍野克己(オシノカツミ)」

幼馴染みとして出てくるやつが2人いるので紹介しよう。 

「エドモンド植木(エドモンドウエキ)」
どことのハーフかは知らないが、名前の通りハーフだ。しかし英語は使えない。英検5級に落ちた実績を持つ。

もう一人
「平沢真十花(ヒラサワマドカ)」

名前で分かる通り女子である。生粋の女子だ。女子が野球をやるもんか?おいおい…いつの時代の話をしているんだい?



現在は男女混同が当たり前だろう?




________________




市立楢口中学校に入学した僕等3人は現実をつきつけられる。

三十年前に野球ブームが去り、近年日本野球連盟が野球人口を増やすために男女混合チームの許可が降りたのだ。

しかし日本野球連盟の努力も虚しく、少し野球人口が増えただけで、サッカーやバレーボールの後を追う形となっている。その差はグラウンド2週分くらい抜かされている。キツイ。


もちろんこの中学校も例外では無く野球部は廃部寸前となっていた。


僕等は野球同好会として、1から始めることとなった。




________________

「なあ忍」

僕の名前を頭の漢字一文字で呼ぶのをやめろ。

「ずっと言っているんだね。忍」

このやりとりは僕達の恒例行事になりつつある。そのやりとりをみつめる真十花。

「それはそうと、部員集まらないわね… 野球を知らない子もいるのに」

いくら野球人口が減ったとはいえ、2000年代の日本男子バスケットボールくらいの人口はあるはずなのに…

「日本男子バスケットボールを悪く言っているように聞こえるな」

実際そうだろう?エド。知っていることには知っているんだ。でも野球は泥臭いってイメージが凄いんだよな…

「そうね。サッカーのほうが爽やかなイメージあるもの」


真十花もそう感じているの?

「ま、多少はね?」






部員は集まらないが興味を引いたやつは何人かいた。その中に経験者もいた。


僕等は空き教室を許可なしに集合場所として、ひたすら待った。




ガラ





扉を開ける音がした。坊主頭の男が立っていた。


入部希望!?


僕は名前もなにも聞かずに開口一番そう発した。

「おう。野球部立て直しというのは面白そうだ。」


「で、経験者かい?見るからに野球やってるナリなんだが…」


エドは先輩面をしながら彼に聞いた。同級生だろ…


「あぁ。小学4年から外野手オンリーだ。バッティングには自信がある。」


「そうか。よろしくな。俺はエドモンド。ショートを守ってる。

こっちは忍。忍野っていうだ。こいつは速球ピッチャーさ。

んでこっちの女の子が真十花。平沢真十花だ。ポジションはセカンド。」


エドが仕切ってくれたので簡単にすんだ。

「部長は誰だ?」


僕だ。さっき紹介があったように、投手をやっている。よろしくな。



「おう。投手か… おれと一打席やってみないか?」


いきなりの挑戦に、真十花と僕は困惑したがエドが何故かやる気になっていた。


「言っておくがこいつの球はそこいらの厨房とはちがうぜ?」



そうだ。口には出さないが僕にはそこそこの自信がある。僕の球はそんじょそこらの中学生では打てない。



「いいぜ。やってみよう。俺は矛でお前が盾だな。」


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