打てない球は存在しない

katsumi_1226

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第2球 三振かヒットか

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真十花がキャッチャーミットをはめてその後ろにエドが立つ。


打席には鈴木が立った。そう。彼の名は鈴木一郎というらしい。

    昔伝説になった野球選手と同姓同名なのだ。

「俺がヒット性の打球を打てば勝ち。三振か凡打でお前の勝ちだ。」


つまり僕はアウトにすればいいんだな。


「そういうことだ。さぁやろうぜ」



ちょっと待て。
    エド。お前は守備につけ。二遊間を守ってくれ。審判は真十花で良いだろう?


そう言うと彼、エドは少し怪訝な顔をして
「んー…まぁいいか。一郎、グローブを貸してくれ。今日は持ってきていないんだ。」



「いいぜ。おれのカバンの中に入ってる。外野用だがいいか?」



「グローブなんてつけときゃいいんだよ」



________________


僕の球は中学生にして最高131km/h

何故か体も小さいのに球速だけは1人前だった。コントロールも自信がある。変化球はチェンジアップとカットボール、パームを使える。



真十花とサインの確認をして、初球。

    僕は内角高めにチェンジアップを放った。


ボール


一郎は真剣である。内角高めギリギリの球にも動じていない。


2球目。僕は真十花のサイン通りに内角低めにカットボールを投げた。


一郎はこれをカットしワンエンドワン



第3球、僕はチェンジアップに力を込めて強めに投げた。内角高め。普通のバッターならここで振ってピッチャーフライだが…


ボール



一郎は焦らず球をよく見極めている。選球眼は本物だ。


カウントはツーワン。


僕はここで初めて真十花からストレートのサイン。外角低めを要求している。

いつもならここで投げているが、今日の相手は他とは一味ちがう。僕は首を振った。   するとは真十花は眉を潜めて、「好きにやれ」このサインを出した


僕は思いっきり全力のストレートを内角高めにぶちこんだ。 


あわやデッドボールだ。しかし一郎はそれを軽めにかわした。


落ち着いている。ただ瞳孔が開いているようにも感じた。この球速はなかなか見ないだろう… ただ油断したら負ける。



カウントはスリーボールワンストライク



次に真ん中高めへ全力ストレート。2球でこの球に合わせられるかな!?



一郎は振り遅れ、ファール。ファールボールはキャッチャーの後ろに飛んだ。


真十花がボールを拾いにいってる間に僕は深呼吸をした。カウントはフルカウント。次で決めたい。見せた変化球はカットボールとチェンジアップ。 多分一郎はチェンジアップを待っているはず。それにみせかけたパームって手もある。むしろパームのほうがいいのでは?ストレートを2球連続で出したし…



真十花からの返球を受け取りセットポジションにつく。


狙うはアウトローいっぱいのパーム。



脚を軽く上げて思いっきり踏み込んだ。

僕の勢いに反して、ボールはふわんと浮かぶようにホームベースへ目がけて飛んでいく。



一郎はインコースを読んでいたいたようだ。体勢がくずれ思いっきり空振りした。



僕は彼との勝負に勝った。後ろでエドが騒いでいる。





________________

「凄い。これしか言えなかった。」


そういえば、勝負を持ち出したってことは、勝った時とかのことを考えていたのか?


「あぁ。つまらないものさ。俺を4番に置いてほしかっただけさ。」



そんなの実力でとってしまえ。


僕は一郎と握手をかわした。

一郎は真十花とエドとも握手をしてこれから仲間として頑張っていくことを伝えた。

エドは
「俺が4番だ。お前は6番にでも座っとけ」

こいつは…



  ________________

僕のストレートをホームランにしたやつは今までに1人しかいない。

そいつの名はエドモンド植木である。




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