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第11話 キャンドルのゆらめき
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やがて閑静な高級住宅街にある一軒家風のレストランの前にイエローキャブは止まった。
レンガ造りの階段を降りていき、レストランの入り口でコートをウェイターに預ける。
通されたのは個室で、ジャズっぽいムーディな曲が流れていた。
白いテーブルクロスの上にはクリスタルの小瓶に赤い薔薇が生けられており、卓上キャンドルの炎がチロチロとゆらめいている。
部屋の窓からは小さなイギリス風の庭園が淡くライトアップされているのが見えた。
すでに女性がテーブルの前に着席して待っていた。
カイルと同じ金髪碧眼の女性は妙土たちを見て、優雅に立ち上がり、柔らかく微笑んで出迎えてくれた。
「紹介するよ。こちらは僕の乳母のネリーニ。母の体が魔族に奪われたので、僕を連れて逃げてくれたんだ。
母の代わりに僕を育ててくれた恩人だよ。
ネリーニ、こちらは妙土。母上の現世の生まれ変わりだよ」
何とも奇妙な紹介に妙土は一瞬、戸惑ったが、ネリーニは涙ぐみながら微笑んだ。
「永い間、復活をお待ちしてしておりました。やっと、お会いできた・・・。
カイルはうんうんと頷いている。
「ここの料理はオーガニックな野菜や果物を使っていてね、ニューヨーカーに大人気なんだ」
ウェイターにドリンクとディナーの注文をスマートにすると、カイルは嬉々としてナプキンを膝に広げた。
タクシーの支払いもカードでそつなく済ませていたし、人間としての生活に支障はなさそうである。
レストラン予約の名前は「カイル・レイノルズ」になっていたけど、生活上の通り名だろうか?
ん、待てよ、カイル・レイノルズ。
どっかで聞いたような名前だな・・・。
・・・億万長者の投資家にそんな名前がいたような・・・。
妙土の父親は外資の金融関係に勤めていた。
激務に体を壊し40代で仕事を引退したものの、それまでの蓄えと趣味の投資で悠々自適に家族と暮らしていた。
そんな環境で生まれ育った妙土も金融や投資について父親から少しばかり聞きかじっていた。
・・・まさかね。
妙土はキャンドルの炎に照らされるカイルを見た。
レンガ造りの階段を降りていき、レストランの入り口でコートをウェイターに預ける。
通されたのは個室で、ジャズっぽいムーディな曲が流れていた。
白いテーブルクロスの上にはクリスタルの小瓶に赤い薔薇が生けられており、卓上キャンドルの炎がチロチロとゆらめいている。
部屋の窓からは小さなイギリス風の庭園が淡くライトアップされているのが見えた。
すでに女性がテーブルの前に着席して待っていた。
カイルと同じ金髪碧眼の女性は妙土たちを見て、優雅に立ち上がり、柔らかく微笑んで出迎えてくれた。
「紹介するよ。こちらは僕の乳母のネリーニ。母の体が魔族に奪われたので、僕を連れて逃げてくれたんだ。
母の代わりに僕を育ててくれた恩人だよ。
ネリーニ、こちらは妙土。母上の現世の生まれ変わりだよ」
何とも奇妙な紹介に妙土は一瞬、戸惑ったが、ネリーニは涙ぐみながら微笑んだ。
「永い間、復活をお待ちしてしておりました。やっと、お会いできた・・・。
カイルはうんうんと頷いている。
「ここの料理はオーガニックな野菜や果物を使っていてね、ニューヨーカーに大人気なんだ」
ウェイターにドリンクとディナーの注文をスマートにすると、カイルは嬉々としてナプキンを膝に広げた。
タクシーの支払いもカードでそつなく済ませていたし、人間としての生活に支障はなさそうである。
レストラン予約の名前は「カイル・レイノルズ」になっていたけど、生活上の通り名だろうか?
ん、待てよ、カイル・レイノルズ。
どっかで聞いたような名前だな・・・。
・・・億万長者の投資家にそんな名前がいたような・・・。
妙土の父親は外資の金融関係に勤めていた。
激務に体を壊し40代で仕事を引退したものの、それまでの蓄えと趣味の投資で悠々自適に家族と暮らしていた。
そんな環境で生まれ育った妙土も金融や投資について父親から少しばかり聞きかじっていた。
・・・まさかね。
妙土はキャンドルの炎に照らされるカイルを見た。
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