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わたくし、連座で処刑は嫌ですわ!!!
あぁ、あれが噂の平民の特待生ね。
わたくしがそう思った瞬間、激しい頭痛に襲われましたわ。
「大丈夫ですの!? サラリーヌ様!?」
「え、えぇ」
唯一、心の友だと思っているアイリーン様。わたくしの手を取り、心配そうに見守ってくださいますわ。
わたくしたち、弱小男爵家は、偉大なるフランツ公爵家の庇護を得るために必死ですの。フランツ公爵家のご令嬢、フェリア様は少し自由奔放なところはあるけれど、婚約者である殿下とは友好的な関係をお築きのご様子です。わたくしたち取り巻き……フェリア様親衛隊は、「殿下とフェリア様の恋を見守る会」を発足しておりますの! わたくし? わたくしはもちろん、一番下っ端の一般会員ですわ! そんなこんなで、我が派閥は安泰と、今さっきまで思っておりましたわ。
ここは、乙女ゲーム「ラズベリー♡ナイト~学園で愛と奇跡を起こそう」の世界ですわ! なにが愛と奇跡ですの! 簡単に言えば、浮気の略奪劇ですこと!! 確かに、ゲームのようなことが起これば、わたくしたち「殿下とフェリア様の恋を見守る会」は、それなりに妨害行為……まぁ、嫌がらせと言ってもいいかもしれないですわね。それくらいはすると思いますの。だって、派閥の危機ですのよ!? わたくしたち下っ端こそ、必死になって実力行使に走りますわ!! このゲーム、何が問題かというと、嫌がらせを行ったわたくしたちの連携が見事過ぎて、フェリア様以下親衛隊は、国家反逆を疑われて連座で処刑されますの!!!
「まぁ! ご覧になって!! フェリア様と殿下がお茶を楽しんでいらっしゃるわ!!!」
上級会員の方の声を聞き、わたくしは思わずそちらに視線を向けます。
髪についた木の葉をとり、照れくさそうに笑い合うお二人……最高ですわ!! わたくしもあんな風に……いえ、わたくしごときがおこがましい思いを抱いてしまいましたわ。
あのお二人の幸せを壊す可能性のあるヒロインについて、皆様にお知らせしたいですわ。いえ、そのようなことをしたら、意味もなくヒロインを排除することになって、それこそ連座の危機ですわ!
お茶を飲み終えたお二人は席をお立ちになって……危ないですわ!! お転びに
なりそうになったところを、お手をお取りになってお助けになられましたわ!!! これは会報に載せなければなりませんわね!! 皆様とこのような幸せを共有出来る幸せ、守りたいですわ~!
───
「ごめんなさい! あたしったら、ドジだから」
「大丈夫?」
あのクソヒロイン、お二人に近づきましたわ!! 手を取り助け起こされ、救護室に連れていかれます。きー! うらやましいですわ!! じゃなくて、何とかしないとですわ!!!!
それから、わたくしはヒロインの行動を観察しはじめましたの。
「……たしか、次のイベントって明日だったっけ。あたし、殿下ルートが一番好きなんだよね。逆ハールートのないこのゲームで、攻略対象全員と適度に仲良くなれるから。……ゲーム内の殿下よりも圧倒的ビジュアルの良さが想定外だけど、いい誤算~」
あのクソヒロイン、転生者ですわ!! ゲーム内よりも殿下のビジュアルがいいのは当たり前ですわ! 友好的な関係を築いている婚約者のフェリア様に影響されて、美容にも気にかけていらっしゃいますもの!!!!!!
わたくしはできる限り、ヒロインがお二人に近づくのを防ぎながら日々を過ごしましたわ。まぁ、実際のゲームと違って、基本的にお二人はご一緒にいらっしゃるから、フェリア様親衛隊のわたくしには近寄りやすかったですわ!!
───
今日は運命の学園パーティーですわ!
お二人を守り抜くのがわたくしの今日のミッションですわ!!
ペアの衣装で現れたお二人に、周囲は感嘆の声を上げます。さすがフェリア様と殿下です。とってもお似合いですわ~!
わたくしも、精一杯手をぱちぱちと叩き、賛同を表します。
「フェル様! なんでエスコートしてくださらないんですか! あたし、ずっと待っていたのに……」
え、お二人にクソヒロインが近づいていきますわ! 愛称で呼びやがってあのクソビッチが! まぁ、汚い言葉が思わず出てしまいましたわ! それよりも、わたくしたち親衛隊がお二人を守らないと!! そう思って、お二人とクソヒロインの間に障壁を作ろうとしたら、フェリア様に手で制されました。
「すまない。しかし、今日は婚約者と一緒にでなければならないと伝えただろう?」
「そんな!!」
そう言って、クソヒロインはキッとにらみつけました。
「あんたがそうやって婚約者として拘束してるんでしょ! 一日中べたべたして、あたしの王子様をとらないでよ!」
……え? 会場は、不思議な空気に包まれました。……あの、そちらはフェリア様ではなく、殿下ですわよ? そんな会場の空気を無視して、クソヒロインは続けます。
「あなたの婚約者が愛しているのは、このあたしよ!」
って、そんなこと言われた殿下は、泣いてしまわれそうですわ!? 目がウルウルして、フェリア様を見上げます。フェリア様はそっと跪き、殿下の手をとっておっしゃりました。
「そんなことはない。私の愛はあなたと共にある」
って……きゃあああああ! 素敵ですわ! フェリア様! さすが男装の貴公子と言われているだけありますわ!!!
「あたしがヒロインなのに!! フェル様。あたしと結婚してよ!」
そう言われたフェリア様は困ったように微笑み、クソヒロインに言った。
「ごめんね。かわいい子猫ちゃん。女同士では、この国では結婚が許されないんだよ」
「え、女同士……何言ってるんですか? って、ちょっと、離してよ!! あたしはヒロインなのよ!!!」
そう言って兵に引きずられていったクソヒロイン。いい気味ですわ。フェリア様は男性の格好がお好きで、そんなわがままを許して差し上げるために殿下が女装していらっしゃることは、世間の常識だと思っておりましたけれど……。
「殿下、先日転びそうになった時の足、痛めていらっしゃいませんか? 抱き上げて運んで差し上げますよ?」
「あ、ありがとう……」
そう言って顔を赤らめてフェリア様に抱き上げられた殿下。お二人が幸せそうで、わたくしたちは幸せですわ!!
「サラリーヌ様、お聞きになった? 今日の殿下とフェリア様の絵姿が、先着限定二十枚で一般会員にも購入のチャンスが回ってくるそうですわよ!」
「なんですって、アイリーン様! 夜中の何時から並びましょうか? 家にはアイリーン様の家に泊まることにして話しておきますわ! 合わせていただけるかしら?」
「ありがとうございます。もちろんですわ! では、授業の代返は、今回、わたくしがしておきますわ!!」
がしりと手を握り合ったわたくしたちは、それぞれの役割に向かって走り出したのでしたわ!
わたくしがそう思った瞬間、激しい頭痛に襲われましたわ。
「大丈夫ですの!? サラリーヌ様!?」
「え、えぇ」
唯一、心の友だと思っているアイリーン様。わたくしの手を取り、心配そうに見守ってくださいますわ。
わたくしたち、弱小男爵家は、偉大なるフランツ公爵家の庇護を得るために必死ですの。フランツ公爵家のご令嬢、フェリア様は少し自由奔放なところはあるけれど、婚約者である殿下とは友好的な関係をお築きのご様子です。わたくしたち取り巻き……フェリア様親衛隊は、「殿下とフェリア様の恋を見守る会」を発足しておりますの! わたくし? わたくしはもちろん、一番下っ端の一般会員ですわ! そんなこんなで、我が派閥は安泰と、今さっきまで思っておりましたわ。
ここは、乙女ゲーム「ラズベリー♡ナイト~学園で愛と奇跡を起こそう」の世界ですわ! なにが愛と奇跡ですの! 簡単に言えば、浮気の略奪劇ですこと!! 確かに、ゲームのようなことが起これば、わたくしたち「殿下とフェリア様の恋を見守る会」は、それなりに妨害行為……まぁ、嫌がらせと言ってもいいかもしれないですわね。それくらいはすると思いますの。だって、派閥の危機ですのよ!? わたくしたち下っ端こそ、必死になって実力行使に走りますわ!! このゲーム、何が問題かというと、嫌がらせを行ったわたくしたちの連携が見事過ぎて、フェリア様以下親衛隊は、国家反逆を疑われて連座で処刑されますの!!!
「まぁ! ご覧になって!! フェリア様と殿下がお茶を楽しんでいらっしゃるわ!!!」
上級会員の方の声を聞き、わたくしは思わずそちらに視線を向けます。
髪についた木の葉をとり、照れくさそうに笑い合うお二人……最高ですわ!! わたくしもあんな風に……いえ、わたくしごときがおこがましい思いを抱いてしまいましたわ。
あのお二人の幸せを壊す可能性のあるヒロインについて、皆様にお知らせしたいですわ。いえ、そのようなことをしたら、意味もなくヒロインを排除することになって、それこそ連座の危機ですわ!
お茶を飲み終えたお二人は席をお立ちになって……危ないですわ!! お転びに
なりそうになったところを、お手をお取りになってお助けになられましたわ!!! これは会報に載せなければなりませんわね!! 皆様とこのような幸せを共有出来る幸せ、守りたいですわ~!
───
「ごめんなさい! あたしったら、ドジだから」
「大丈夫?」
あのクソヒロイン、お二人に近づきましたわ!! 手を取り助け起こされ、救護室に連れていかれます。きー! うらやましいですわ!! じゃなくて、何とかしないとですわ!!!!
それから、わたくしはヒロインの行動を観察しはじめましたの。
「……たしか、次のイベントって明日だったっけ。あたし、殿下ルートが一番好きなんだよね。逆ハールートのないこのゲームで、攻略対象全員と適度に仲良くなれるから。……ゲーム内の殿下よりも圧倒的ビジュアルの良さが想定外だけど、いい誤算~」
あのクソヒロイン、転生者ですわ!! ゲーム内よりも殿下のビジュアルがいいのは当たり前ですわ! 友好的な関係を築いている婚約者のフェリア様に影響されて、美容にも気にかけていらっしゃいますもの!!!!!!
わたくしはできる限り、ヒロインがお二人に近づくのを防ぎながら日々を過ごしましたわ。まぁ、実際のゲームと違って、基本的にお二人はご一緒にいらっしゃるから、フェリア様親衛隊のわたくしには近寄りやすかったですわ!!
───
今日は運命の学園パーティーですわ!
お二人を守り抜くのがわたくしの今日のミッションですわ!!
ペアの衣装で現れたお二人に、周囲は感嘆の声を上げます。さすがフェリア様と殿下です。とってもお似合いですわ~!
わたくしも、精一杯手をぱちぱちと叩き、賛同を表します。
「フェル様! なんでエスコートしてくださらないんですか! あたし、ずっと待っていたのに……」
え、お二人にクソヒロインが近づいていきますわ! 愛称で呼びやがってあのクソビッチが! まぁ、汚い言葉が思わず出てしまいましたわ! それよりも、わたくしたち親衛隊がお二人を守らないと!! そう思って、お二人とクソヒロインの間に障壁を作ろうとしたら、フェリア様に手で制されました。
「すまない。しかし、今日は婚約者と一緒にでなければならないと伝えただろう?」
「そんな!!」
そう言って、クソヒロインはキッとにらみつけました。
「あんたがそうやって婚約者として拘束してるんでしょ! 一日中べたべたして、あたしの王子様をとらないでよ!」
……え? 会場は、不思議な空気に包まれました。……あの、そちらはフェリア様ではなく、殿下ですわよ? そんな会場の空気を無視して、クソヒロインは続けます。
「あなたの婚約者が愛しているのは、このあたしよ!」
って、そんなこと言われた殿下は、泣いてしまわれそうですわ!? 目がウルウルして、フェリア様を見上げます。フェリア様はそっと跪き、殿下の手をとっておっしゃりました。
「そんなことはない。私の愛はあなたと共にある」
って……きゃあああああ! 素敵ですわ! フェリア様! さすが男装の貴公子と言われているだけありますわ!!!
「あたしがヒロインなのに!! フェル様。あたしと結婚してよ!」
そう言われたフェリア様は困ったように微笑み、クソヒロインに言った。
「ごめんね。かわいい子猫ちゃん。女同士では、この国では結婚が許されないんだよ」
「え、女同士……何言ってるんですか? って、ちょっと、離してよ!! あたしはヒロインなのよ!!!」
そう言って兵に引きずられていったクソヒロイン。いい気味ですわ。フェリア様は男性の格好がお好きで、そんなわがままを許して差し上げるために殿下が女装していらっしゃることは、世間の常識だと思っておりましたけれど……。
「殿下、先日転びそうになった時の足、痛めていらっしゃいませんか? 抱き上げて運んで差し上げますよ?」
「あ、ありがとう……」
そう言って顔を赤らめてフェリア様に抱き上げられた殿下。お二人が幸せそうで、わたくしたちは幸せですわ!!
「サラリーヌ様、お聞きになった? 今日の殿下とフェリア様の絵姿が、先着限定二十枚で一般会員にも購入のチャンスが回ってくるそうですわよ!」
「なんですって、アイリーン様! 夜中の何時から並びましょうか? 家にはアイリーン様の家に泊まることにして話しておきますわ! 合わせていただけるかしら?」
「ありがとうございます。もちろんですわ! では、授業の代返は、今回、わたくしがしておきますわ!!」
がしりと手を握り合ったわたくしたちは、それぞれの役割に向かって走り出したのでしたわ!
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