1 / 1
1
しおりを挟む
「わたくし、もしかして学園の卒業パーティーで婚約破棄されてしまう悪役令嬢ですの!?」
自室で優雅に紅茶を楽しんでいたある日突然、わたくしは異世界転生したと気がつきましたの。でも、そんなことを言い出したら頭がおかしくなったと思われてしまいますわ。
悪役令嬢に転生して、何が一番問題かというとわたくしの婚約者で王太子殿下でいらっしゃるサタリン様との婚約が破棄されてしまうことですわ!
だってわたくし、サタリン様のことを愛しておりますもの! 自惚れかもしれませんが、サタリン様もわたくしを愛おしく思ってくださっていると思いますの!
そもそも、ヒロインがサタリン様ルートを選ばなければ、サタリン様は当て馬として不幸になりますわ。ヒーローかつ悪役令息でいらっしゃるサタリン様ですもの。ヒロインよりもわたくしの方が絶対に幸せにして差し上げられますわ!
だから、わたくし、思いましたの。
ヒロインが現れる前に結婚してしまえばいいのでは? と。
そもそも、すでに適齢期であるわたくしと殿下の結婚が、三年後の卒業まで引き伸ばされているのは、お父様の我儘ですの。一人娘であるわたくしを手放したくない、という。
お父様を丸め込んで結婚さえしてしまえば、殿下はわたくしと離縁できませんの。だって、この世界の女神様は離婚を認めていないのですから。
特例として、側室を入れることは子が三年できない場合に限りますの。ならば、さっさと結婚して、さっさと子を産んでしまえばいいのだわ! 授かり物? ふふふ、わたくしには女神様から授かったスキル《妊娠》がございますもの! そういうことに持ち込んでしまえば、サタリン様はわたくしのものですわー!
そうと決まれば、お父様を脅し……こほんこほん。お父様におねだりしてまいりますわ!!!
「お父様。今よろしいでしょうか?」
執務室のドアを控えめにノックすると、喜色を滲ませ……いえ、弾けさせたお父様がドアを大きく開けて出迎えてくださいました。
「なんだい? いつでも大歓迎だよ。愛しい愛しい私の宝物のかわいいかわいいルリアよ」
思い切って本題をぶつけてしまいますわ!
「わたくし、殿下と結婚したいですわ! 今すぐに!」
「は?」
「そして、可愛い孫をお父様に抱かせて差し上げたいのですわ!」
「……え? ま、ま、ままままま、まだ早いんじゃないかな?」
動揺して言葉を失っているお父様にわたくしは奥の手を使います。
「わたくし、今ならお父様のあのことをお母様に黙っていられますの。でも、結婚を認めてくださらないと…………お口がポロリとしてしまいますわ!」
「まままま、まって、まって、わかった、お父様に考えさせてくれ」
「嫌ですわ。今すぐ決めて、今すぐに王家に進言を」
「……わかったよ、ルリア」
お父様を引きずって、王家に手紙を出しに行かせます。これでもう後戻りはできませんわ!
「ルリア。学園を卒業する前に君と結婚できるなんて、とても幸せだよ」
王太子妃教育もすでに終えており、あとはわたくしたちの卒業を待つだけとなっていた結婚。準備はほとんど終わっていたので、迅速に進められました。ドレスは代々王家に受け継がれているものを着用するため、お直しのみ。国民へのお披露目は従来の予定通り三年後に執り行うこととします。お披露目は、第一子と共に行うのがそもそもの伝統です。近年は王家のスケジュールの関係でずれることもありましたが、何の問題もございませんわ。
「わたくしもですわ。サタリン様。わたくし、お父様におねだりいたしましたの! だって、悪役令嬢になりたくないんですもの!」
タキシードを着たサタリン様がわたくしの髪を優しく撫でます。麗しいお顔に穏やかな優しい性格。実は若干わたくしに依存しているサタリン様。大好きですわ。
「例え、ヒロインが現れようとも君を手放すつもりはなかったけど、悪役令嬢になりたくなかったのか」
「え?」
「え?」
二人して固まり、見つめ合います。
もしかして、サタリン様も転生者でいらっしゃいますの?
その後、現れたヒロインは、わたくしたちの仲睦まじい様子と可愛い娘に目を白黒させました。わたくしたちは、二人の知識チートを使って国を発展させ、末長く幸せに暮らしましたわ。
自室で優雅に紅茶を楽しんでいたある日突然、わたくしは異世界転生したと気がつきましたの。でも、そんなことを言い出したら頭がおかしくなったと思われてしまいますわ。
悪役令嬢に転生して、何が一番問題かというとわたくしの婚約者で王太子殿下でいらっしゃるサタリン様との婚約が破棄されてしまうことですわ!
だってわたくし、サタリン様のことを愛しておりますもの! 自惚れかもしれませんが、サタリン様もわたくしを愛おしく思ってくださっていると思いますの!
そもそも、ヒロインがサタリン様ルートを選ばなければ、サタリン様は当て馬として不幸になりますわ。ヒーローかつ悪役令息でいらっしゃるサタリン様ですもの。ヒロインよりもわたくしの方が絶対に幸せにして差し上げられますわ!
だから、わたくし、思いましたの。
ヒロインが現れる前に結婚してしまえばいいのでは? と。
そもそも、すでに適齢期であるわたくしと殿下の結婚が、三年後の卒業まで引き伸ばされているのは、お父様の我儘ですの。一人娘であるわたくしを手放したくない、という。
お父様を丸め込んで結婚さえしてしまえば、殿下はわたくしと離縁できませんの。だって、この世界の女神様は離婚を認めていないのですから。
特例として、側室を入れることは子が三年できない場合に限りますの。ならば、さっさと結婚して、さっさと子を産んでしまえばいいのだわ! 授かり物? ふふふ、わたくしには女神様から授かったスキル《妊娠》がございますもの! そういうことに持ち込んでしまえば、サタリン様はわたくしのものですわー!
そうと決まれば、お父様を脅し……こほんこほん。お父様におねだりしてまいりますわ!!!
「お父様。今よろしいでしょうか?」
執務室のドアを控えめにノックすると、喜色を滲ませ……いえ、弾けさせたお父様がドアを大きく開けて出迎えてくださいました。
「なんだい? いつでも大歓迎だよ。愛しい愛しい私の宝物のかわいいかわいいルリアよ」
思い切って本題をぶつけてしまいますわ!
「わたくし、殿下と結婚したいですわ! 今すぐに!」
「は?」
「そして、可愛い孫をお父様に抱かせて差し上げたいのですわ!」
「……え? ま、ま、ままままま、まだ早いんじゃないかな?」
動揺して言葉を失っているお父様にわたくしは奥の手を使います。
「わたくし、今ならお父様のあのことをお母様に黙っていられますの。でも、結婚を認めてくださらないと…………お口がポロリとしてしまいますわ!」
「まままま、まって、まって、わかった、お父様に考えさせてくれ」
「嫌ですわ。今すぐ決めて、今すぐに王家に進言を」
「……わかったよ、ルリア」
お父様を引きずって、王家に手紙を出しに行かせます。これでもう後戻りはできませんわ!
「ルリア。学園を卒業する前に君と結婚できるなんて、とても幸せだよ」
王太子妃教育もすでに終えており、あとはわたくしたちの卒業を待つだけとなっていた結婚。準備はほとんど終わっていたので、迅速に進められました。ドレスは代々王家に受け継がれているものを着用するため、お直しのみ。国民へのお披露目は従来の予定通り三年後に執り行うこととします。お披露目は、第一子と共に行うのがそもそもの伝統です。近年は王家のスケジュールの関係でずれることもありましたが、何の問題もございませんわ。
「わたくしもですわ。サタリン様。わたくし、お父様におねだりいたしましたの! だって、悪役令嬢になりたくないんですもの!」
タキシードを着たサタリン様がわたくしの髪を優しく撫でます。麗しいお顔に穏やかな優しい性格。実は若干わたくしに依存しているサタリン様。大好きですわ。
「例え、ヒロインが現れようとも君を手放すつもりはなかったけど、悪役令嬢になりたくなかったのか」
「え?」
「え?」
二人して固まり、見つめ合います。
もしかして、サタリン様も転生者でいらっしゃいますの?
その後、現れたヒロインは、わたくしたちの仲睦まじい様子と可愛い娘に目を白黒させました。わたくしたちは、二人の知識チートを使って国を発展させ、末長く幸せに暮らしましたわ。
551
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
「君との婚約を破棄したのは魅了魔法にかかっていたせい」と言われましたが、魅了……それ、わたくしもかかってみたいのですが?
kieiku
恋愛
男爵令嬢のアリーを寵愛する王子によって、婚約を破棄されたローゼリーナ。しかし王子が再婚約を希望してきた。全ては魅了魔法のせいだったと言って。王子に執着していたローゼリーナは「わたくしも魅了にかかってみたい」と言う。そして魅了を体験したあと、ローゼリーナの返事は……。
婚約破棄?から大公様に見初められて~誤解だと今更いっても知りません!~
琴葉悠
恋愛
ストーリャ国の王子エピカ・ストーリャの婚約者ペルラ・ジェンマは彼が大嫌いだった。
自由が欲しい、妃教育はもううんざり、笑顔を取り繕うのも嫌!
しかし周囲が婚約破棄を許してくれない中、ペルラは、エピカが見知らぬ女性と一緒に夜会の別室に入るのを見かけた。
「婚約破棄」の文字が浮かび、別室に飛び込み、エピカをただせば言葉を濁す。
ペルラは思いの丈をぶちまけ、夜会から飛び出すとそこで運命の出会いをする──
魔女の祝福
あきづきみなと
恋愛
王子は婚約式に臨んで高揚していた。
長く婚約を結んでいた、鼻持ちならない公爵令嬢を婚約破棄で追い出して迎えた、可憐で愛らしい新しい婚約者を披露する、その喜びに満ち、輝ける将来を確信して。
予約投稿で5/12完結します
ドアマットヒロインって貴族令嬢としては無能だよね
みやび
恋愛
ドアマットにされている時点で公爵令嬢として無能だよねっていう話。
婚約破棄ってしちゃダメって習わなかったんですか?
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/123874683
と何となく世界観が一緒です。
婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】
繭
恋愛
卒業式の最中、王子が隣国皇帝陛下の娘で有る皇女に婚約破棄を突き付けると言う、前代未聞の所業が行われ阿鼻叫喚の事態に陥り、卒業式どころでは無くなる事から物語は始まる。
果たして王子の国は無事に国を維持できるのか?
婚約破棄を「奪った側」から見たならば ~王子、あなたの代わりはいくらでもいます~
フーラー
恋愛
王子が「真実の愛」を見つけて婚約破棄をする物語を「奪ったヒロイン側」の視点で『チート相手に勝利する』恋愛譚。
舞台は中世風ファンタジー。
転生者である貴族の娘『アイ』は、前世から持ち込んだ医療や衛生の知識を活かして、世界一の天才研究家として名を馳せていた。
だが、婚約者の王子ソームはそれを快く思っていなかった。
彼女のその活躍こそ目覚ましかったが、彼が求めていたのは『優秀な妻』ではなく、自分と時間を共有してくれる『対等なパートナー』だったからだ。
だが、それを周りに行っても「彼女の才能に嫉妬している」と嘲笑されることがわかっていたため、口に出せなかった。
一方のアイも、もともと前世では『本当の意味でのコミュ障』だった上に、転生して初めてチヤホヤされる喜びを知った状態では、王子にかまける余裕も、彼の内面に目を向ける意識もなかった。
そんなときに王子は、宮廷道化師のハーツに相談する。
「私にアイ様のような才能はないですが、王子と同じ時間は過ごすことは出来ます」
そういった彼女は、その王子をバカにしながらも、彼と一緒に人生を歩く道を模索する。
それによって、王子の心は揺れ動いていくことになる。
小説家になろう・カクヨムでも掲載されています!
※本作を執筆するにあたりAIを補助的に利用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる