乙女ゲーヒロインにおとされるのを待ってたら、エロゲーの主人公におとされました

KUMANOMORI(くまのもり)

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暇してる

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 パンパカパーン。
「【全年齢乙女ゲーム:マジカルアカデミー】ヒロインのミトリが獣人クルルスとのトゥルーエンディングを迎えました~!」
 と何度となく聞いたアナウンスを、トリスタンの厩舎で聞く。

 はぁー!とため息をつきたくなるけれど、もうそれすら面倒で、トリスタンの黒い鱗を撫でる。トリスタンは短く鳴き声をあげた。

「また、クルルスだ。好きだなぁ、ミトリは」
 とオレはトリスタンに話しかける。
 この頃はトリスタンとの遠乗りに日々の時間を費やしていた。

 これにて、十二度目のエンディングを迎えたクルルスには羨望のまなざしを向けるしかない。

 エンディングでクルルスに対して、恋の鞘当てのような演技をして、隙があればおれがミトリを奪ってしまうよ?と言う類いのセリフを言えば、オレの今回の出番は終わる。

 いや、未来永劫奪えねぇし、と思いながら、選ばれなかった当て馬キャラとしての最後の一幕を演じるのだ。

 クルルスとの民族戦争レベルの困難を終えたふたりは、クルルスの故郷の集落に帰るらしい。ミトリは獣王を支える妻になるようだ。

「クルルス、ミトリを大切にしなきゃ、オレが奪いに行くからな?ちゃーんと護ってやれよ?」
 と今回は王道っぽいセリフにしておく。

 クルルスではなく、ミトリがギロリと睨みつけて来た。

「ごめん!ミトリ。オレが嫌いなのは分かるけど。もう出てこないんで、勘弁してぇー」
 と心の中で思うのだ。

 二人はエンディングを迎えて、半獣人の子を何人も産んだらしい。

 「ハッピーエンドおめでとう」
 と書かれた学内の掲示板を見て、今度こそ、はぁぁぁーとため息が出た。

「ひまだぁぁぁー!」
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