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祝福されるのは大変だ
しおりを挟むミトリのところに行って戻って来たルークは、オレに情報をくれた。寄宿舎の食堂で、向かい合いながら話をする。
「ラウリィ攻略には知力や武力、センスや美貌などなど。必要とする諸々のパラメータが高いらしい。そして、選択肢も間違えば一瞬でルートが消滅する」
「なんだそれ。女の子に対して、こっちからはそんな要求してないけどな。どんな子でも好きだ」
「それは、たぶん。ラウリィ側の問題じゃないんだろうと思う」
「難しいこと言うよな」
「周囲から祝福されるための、条件なんだよ」
「祝福?」
「ああ、ラウリィを落とすにはライバルが多い。だからこそ、ぶっちぎりのパラメータで圧倒して攻略する」
「主人公目線だなぁ、分からないよ。そんなの」
「ミトリは中々ルートに入れないみたいだ」
「え、ミトリはオレのルートに入る気あるのか?」
とオレが喜び半分で声高に聞けば、ああ、そうみたいだ、とルークは低く答えた。
「なんか暗いな?」
「そうでもないよ。でも、ブリリアントファルスの主人公であるのが、辛くなってはいる」
「なんでだよ?」
オレが聞くと、ルークはオレの目を真っすぐに見つめてくる。
深遠な瞳は一度見てしまうと、引き込まれてしまいそうな引力があった。主人公だけある、と思う。
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