乙女ゲーヒロインにおとされるのを待ってたら、エロゲーの主人公におとされました

KUMANOMORI(くまのもり)

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それを言っちゃいけないんだ

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 思わず、ルークの顔を見てしまった。そんなこと、一度だって話してくれなかったじゃないか、と目で訴えてみる。

「オレは全年齢なんだよ」
「知ってる。でも、それはラウリィ側のことで、俺の方では違うから。ちゃんと、がっぷりと……」

 とんでもないことを言い始めたので、一旦耳を塞ぐ。オレの名前と共に並べてはいけない言葉だ。口の動きが止まるのと見届けたあとで、オレは手を外して言った。

「女の子たちがオレのアダルトルートとエンドを求めているらしい。それがあったってことか?」
「ブリファルでは、な」
 ルークはポテトやフィッシュフライを平らげていく。

「おまけみたいなもんだろ?」
「結構長いらしい、ヒロインに次ぐくらい」

「……」
 思わずルークと見つめ合ってしまう。

「俺はラウリィが好きみたいだ」
「幻想じゃないか?手近なところで、おさめようとしているだろ?」

「ラウリィは分かってないな。親友にもたくさんいて、ロイやクリスとか色々いる。パラメータによって、親友が変わるんだ。ラウリィを親友にするまで、何周もした」
「へー」

 ロイやクリスは同じ竜騎士クラスの友人達だ。

「親友にしてもらえたのは、ありがたいが。そこ頑張るとこか?」
「ラウリィが好きなんだよ」

「それは、嬉しい。オレもルークのことは好きだよ」
 オレが言えば、
「その好きは、性的なことも含んでいるのか?」
 オレは胸の前でバツマークを出してみせる。

「それをしたいなら、女の子のところへ」
「あるんだよ、ラウリィの媚態も。俺のルートには」

「オレのルートにはない。全年齢だから」
「どうしても、ダメなのか?」

「オレはさ、お前たちの成人向けのノリは理解できない。脈絡なく燃え上がるのは無理だ」
「例えば?」

「イライラしたからってすぐに、アレをソレして、さらにコレするとか」
「分からないよ、それじゃあ。すぐにぼ……て。そ……て。し……?」

 牛串を口にしながら、それを口にするルークを見て、オレは再び耳を塞いだ。
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