魂レベルでビッチです～ヤンデレ彼氏に殺されて悪役令嬢に転生したらしいので、処刑上等で自由な異世界ライフを楽しみます！～

メインヒーローとして減点

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「ではランス王子様は、これまでどんな女性とお付き合いをされてきましたか？」
　口にしたとたんに、ゾッとするような炯眼で目を射られる。
　ひぃ、と喉の奥で呟いてしまう。

「何度肌を重ねても、永遠に片思いをしているような相手だよ。絶対に自分のものには出来ないって思い知らされる」
　洞窟の底に落ちた水滴の音のように、私の中に反響した。
　自分のものに出来ない。
　同じようなことを、言われたことがあった。

「ひやぁ～熱烈的ですね。そんなに思われたら、相手は焼けこげちゃうかも」
「そうかもしれないね」
　陰鬱な気配が迫って来て私は頭を振った。危ない危ない、引きずられている場合じゃない、と思いなおすのだ。
　少なくとも女性経験はあるらしい。

「永遠に片思いだと感じるのは、思い込みかもしれません。世の中に女性はたくさんいます。ぜひ色んな女性に会ってみませんか？ご紹介しますよっ」

　社交界の方々やルイドラン家の領地、リーブル家の領地に住まう、身分の様々なご令嬢方を頭に思い描く。
　ヒーローがあまりにもこじらせていると、ヒロインが気の毒だと思う。経験値をつんでもらって、リーミアが苦労をしないようにしたい、と思うのだ。

「彼女と同じようなことを言うんだね。経験をつめば、気にならなくなると」
　感情の起伏の見えない淡々とした調子で、王子は言った。その表情は少しだけ寂しそうにも見える。

「ご協力しますので、声をかけてくださいねっ」

　と言ったら、「考えておくよ」とランスは気のない返事をしてから、私を馬上に引き上げる。