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魂の死フラグ
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しおりを挟む選ぶ選択肢は一択だ。聖女の力で時間を巻き戻す。巻き戻すなら、私が転生する前がいいと思う。
クラドから婚約破棄を言い渡される前に、巻き戻して私が転生しなければこんなことにはならないはずだ。
「私はどこに行っても、ビッチって言われるってことは分かったよ。それじゃ、私が転生する前に巻き戻すよ。そうすれば、少なくともこの国がここまで破壊されないし、悪役令嬢ルートはまともに機能するはずだよね?」
「そんなことをすれば、君の魂の居場所がなくなるだろう?」
「ま、どうにかなるって」
「楽観主義は行き過ぎれば、考えなしになると思うよ」
「まぁまぁ、細かいことは気にしない!で、どうすれば時間を巻き戻せるの?」
「戻りたい場所を強く念じるんだよ。それだけでいい」
「おーけぇ」
転生した瞬間、悪役令嬢シュシュとして、リーブル家で目覚めたときだ。そこに戻れば、私が転生した事実はなくなる。
そこに戻ったら、せっかく仲良くなった人達との関係も、なかったことになるのだと思う。
色々心残りはあるけれど、一番の心残りをあげるなら、ランスのことだった。
ランスが王妃様に向けたあの表情が気になって仕方ない。また悲恋にならなければいいな、笑顔になって欲しいな、と思うのだ。
悲緒。
あなたに似た、王子様に会ったよ。彼にもっと笑って欲しかったけれど、時間がないみたい。
転生したのに、まだあなたを忘れられないってことは、未練なのかもね。
今度どこかに転生しても、まだ覚えてるかな?
――――転生する前に、戻ろう!
念じたとたんに、耳元がジュッと熱くなる。耳元に触れてみれば、手に触れた耳飾りが光っていた。
さらに手の甲には柑橘類の果物を模した、フルーティオ国の紋章が浮かんでいる。湿った風が吹いて、頬に湿気を感じた。
私は巻きあがる髪をおさえながら、目をつぶる。強い風は潮の香りがして、まるで海辺の香りだ、と私は思っていた。
「悪いけど、逃がしてあげないよ。君の魂には私が鎖をつける、どこに行っても手繰り寄せてみせるさ」
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