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混ぜたら危険の世界線
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「ワンナイトのどこが悪いんですか?」
「大切にされない。遊ばれて逃げられるだけだろ」
「遊んで逃げたことありますか?」
「ないよ」
「私は毎回遊んで逃げてます。ので、あなたと私とは世界線が交わり得ません。放っておいてください」
なぜか私の前にカクテルが置かれた。払いませんよ、と言ったら、当たり前だろと言われる。
「ただの性欲処理だって、気づけよ」
と言われるので、
「こちら主導の性欲処理なので。問題ないです、ご安心くださーい」
と返す。
一緒にバーに移動して来た同僚の麻綾が、そそくさと出て行ったのを私は気づいていた。去り際に麻綾に、手を合わせられてしまう。私は手を振った。
絡み酒かよ、と逆隣りの男はぼやき始めた。
「恋人が出来るときに、悪い噂とか評判は邪魔だろ」
と言われたので、
「恋人はあと三世紀いらないので、大丈夫で~す」
と言う。
「何百年生きる気だよ」
「千年目指してます」
「そのうち何百年かは恋愛する気あるわけ?」
「十年くらいかな~?」
「じゃあ、その十年は誰にやるんだよ?」
とまあ、その人は中々しつこかった。
だんだん面倒くさくなってきて、勧められるままに何杯もカクテルを飲んでいる。
そのうちに、逆隣りの彼は、壁の花になっていった。
私は彼の存在をすっかり忘れてしまい、感じの悪い男と話しながら、酔っぱらっていく。
話すのも面倒になってきて、
「耳を揉んでくださ~い、耳たぶがこりました~」
と私が言いはじめたのだけは覚えている。
「大切にされない。遊ばれて逃げられるだけだろ」
「遊んで逃げたことありますか?」
「ないよ」
「私は毎回遊んで逃げてます。ので、あなたと私とは世界線が交わり得ません。放っておいてください」
なぜか私の前にカクテルが置かれた。払いませんよ、と言ったら、当たり前だろと言われる。
「ただの性欲処理だって、気づけよ」
と言われるので、
「こちら主導の性欲処理なので。問題ないです、ご安心くださーい」
と返す。
一緒にバーに移動して来た同僚の麻綾が、そそくさと出て行ったのを私は気づいていた。去り際に麻綾に、手を合わせられてしまう。私は手を振った。
絡み酒かよ、と逆隣りの男はぼやき始めた。
「恋人が出来るときに、悪い噂とか評判は邪魔だろ」
と言われたので、
「恋人はあと三世紀いらないので、大丈夫で~す」
と言う。
「何百年生きる気だよ」
「千年目指してます」
「そのうち何百年かは恋愛する気あるわけ?」
「十年くらいかな~?」
「じゃあ、その十年は誰にやるんだよ?」
とまあ、その人は中々しつこかった。
だんだん面倒くさくなってきて、勧められるままに何杯もカクテルを飲んでいる。
そのうちに、逆隣りの彼は、壁の花になっていった。
私は彼の存在をすっかり忘れてしまい、感じの悪い男と話しながら、酔っぱらっていく。
話すのも面倒になってきて、
「耳を揉んでくださ~い、耳たぶがこりました~」
と私が言いはじめたのだけは覚えている。
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