2 / 26
第2話 想定外
しおりを挟む
神無月先輩と付き合うようになったアヤメ。
確かに、学園内で告白されることは、急激に減った。
というが、一切なくなった。
神無月パワー凄すぎ。
彼が相手では、競う気にもならないらしい。
その分、雛子ちゃんは凄いことになっているようだ。
彼女の取り巻きは3倍に増え、男子学生に囲まれてしまい、小柄な彼女は、ほとんど見えない。
大変そうだな…と思う。
ただ私にも想定外のことが起きている。
男性が近寄ってこないのは喜ばしいが、女性からも今まで以上に距離をおかれるようになったのだ。
こんなはずじゃなかった。
学園で話をするのは、幼馴染みの美桜ちゃん(みお)と、彼氏の明くんのみ。
明くんは学年が違うし、美桜ちゃんは隣のクラス。
私は、一人ぼっちになってしまった。
掃除当番の時には、最後にゴミを焼却場へ運ぶのだが、私がゴミ箱を持っても誰も反応しない。
ゴミを焼却場へ運ぶ係は、女性に人気なのに。
なぜ人気なのか。
ゴミ箱は小さくて軽く、女性一人でも軽々持てる。
焼却場までの道のりに生徒会室があり、容姿端麗な様々なタイプの生徒会の面々を窓から見ることができる。
それも私はゴミを運んでますよ~とさりげなく観察可能。
運がよければ話しかけてもらえたりする。
そう、私のように…
明くんに「彼女にならない?」と声をかけられたのは、ちょうどこの辺り。
生徒会室から焼却場へ向かう道だった。
いつもは女友達と一緒に行っていた。
たまたまその日、友達がトイレに行きたくなり、途中で引き返してしまった。
まぁいいかと私一人で焼却場へ向かったのだ。
まさか明くんに声をかけられるなんて、誰が想像できるだろうか。
それから私が掃除当番になると、ゴミを運ぶのはなぜか私一人に任されるように。
なぜ?と思わなくもないが、イジメというほどのことでもない。
ただ私が一人でゴミを運ぶだけ。
生徒会室から明くんが出てきた。
「アヤメ、今日は少し遅くなりそうだ。図書館で待ってて。」
「うん、わかった。」
明くんと別れ、焼却場へ向かうと、焼却場裏に広がる森から雛子ちゃんが出てくるのが見えた。
彼女が一人でいるなんて珍しい。
咄嗟に校舎の陰に身を隠す。
なぜ私は隠れてるんだろう…
雛子ちゃんは、ニヤリと不気味な笑みを浮かべ、森の方へ振り返り、ポツリとつぶやいた。
「神様、頼みましたよ。」
そして、元気よく頭を下げた。
頭をあげた彼女の柔らかそうな髪が、一瞬ボワボワッと広がったように見えた。
周りの空気が一気に冷えた感覚があり、私の肌にブワッと鳥肌がたつ。
なに? 神様?
ええっ、今のなに?
いつも明るく朗らかな彼女。
彼女でもあんな笑い方をするんだ。
クルリと森から校舎へ向きを変えた彼女の顔は… 目尻がつりあがり、真っ赤な唇は薄く横に広がり、大きな弧を描いていた。
えっ、だれ?
やだ、鳥肌がおさまらない。
体がブルブル震えてきた。
確かに、学園内で告白されることは、急激に減った。
というが、一切なくなった。
神無月パワー凄すぎ。
彼が相手では、競う気にもならないらしい。
その分、雛子ちゃんは凄いことになっているようだ。
彼女の取り巻きは3倍に増え、男子学生に囲まれてしまい、小柄な彼女は、ほとんど見えない。
大変そうだな…と思う。
ただ私にも想定外のことが起きている。
男性が近寄ってこないのは喜ばしいが、女性からも今まで以上に距離をおかれるようになったのだ。
こんなはずじゃなかった。
学園で話をするのは、幼馴染みの美桜ちゃん(みお)と、彼氏の明くんのみ。
明くんは学年が違うし、美桜ちゃんは隣のクラス。
私は、一人ぼっちになってしまった。
掃除当番の時には、最後にゴミを焼却場へ運ぶのだが、私がゴミ箱を持っても誰も反応しない。
ゴミを焼却場へ運ぶ係は、女性に人気なのに。
なぜ人気なのか。
ゴミ箱は小さくて軽く、女性一人でも軽々持てる。
焼却場までの道のりに生徒会室があり、容姿端麗な様々なタイプの生徒会の面々を窓から見ることができる。
それも私はゴミを運んでますよ~とさりげなく観察可能。
運がよければ話しかけてもらえたりする。
そう、私のように…
明くんに「彼女にならない?」と声をかけられたのは、ちょうどこの辺り。
生徒会室から焼却場へ向かう道だった。
いつもは女友達と一緒に行っていた。
たまたまその日、友達がトイレに行きたくなり、途中で引き返してしまった。
まぁいいかと私一人で焼却場へ向かったのだ。
まさか明くんに声をかけられるなんて、誰が想像できるだろうか。
それから私が掃除当番になると、ゴミを運ぶのはなぜか私一人に任されるように。
なぜ?と思わなくもないが、イジメというほどのことでもない。
ただ私が一人でゴミを運ぶだけ。
生徒会室から明くんが出てきた。
「アヤメ、今日は少し遅くなりそうだ。図書館で待ってて。」
「うん、わかった。」
明くんと別れ、焼却場へ向かうと、焼却場裏に広がる森から雛子ちゃんが出てくるのが見えた。
彼女が一人でいるなんて珍しい。
咄嗟に校舎の陰に身を隠す。
なぜ私は隠れてるんだろう…
雛子ちゃんは、ニヤリと不気味な笑みを浮かべ、森の方へ振り返り、ポツリとつぶやいた。
「神様、頼みましたよ。」
そして、元気よく頭を下げた。
頭をあげた彼女の柔らかそうな髪が、一瞬ボワボワッと広がったように見えた。
周りの空気が一気に冷えた感覚があり、私の肌にブワッと鳥肌がたつ。
なに? 神様?
ええっ、今のなに?
いつも明るく朗らかな彼女。
彼女でもあんな笑い方をするんだ。
クルリと森から校舎へ向きを変えた彼女の顔は… 目尻がつりあがり、真っ赤な唇は薄く横に広がり、大きな弧を描いていた。
えっ、だれ?
やだ、鳥肌がおさまらない。
体がブルブル震えてきた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる