5 / 26
第5話 私は彼女?
しおりを挟む
朝 カーテンの隙間から差しこむ眩しい光に目が覚めた。
まだ目覚まし時計は鳴っていない。
ゆっくり目蓋を開けると、見覚えのない天井。
私が横たわるベッドは私のものよりも幅が広くふんわりとしていて、肌触りのよい真っ白なシーツに包まれていた。
なに、なに? ここはどこ?
私は旅行中?じゃないよね。
私の部屋じゃないんだけど。
部屋に置かれたドレッサーの鏡にうつる顔を見て、固まった。
私は夢を見ているのかな。
頬を軽くつねってみると、痛い。
夢じゃない、これは現実?
私は丹後アヤメなのに。
どうして雛子ちゃんになっているの?
もしかして、ここは彼女の部屋?
棚に置かれた学校のカバンを開けてみる。
桃井雛子と書かれた教科書やノートが入っている。
部屋から出ると、かわいらしいおばさまが「まぁ雛子ちゃん、今日は学園が休みなのに、自分で起きてきたの?すごいじゃない。」と誉められた。
おばさまは、どことなく雛子ちゃんに似てる。雰囲気なんて彼女そっくり。
きっと雛子ちゃんのお母さんだ。
なに?
自力で起きただけで誉めてもらえるの?
家はどこもかしこもすごい。
廊下に置かれた花瓶には、華やかな花が生けられている。
雛子ちゃんはお嬢様なんだ…
しかもかなり甘やかされていそう。
何が起きているのか、よくわからない。
とにかく私は雛子ちゃんになっているようだ。
とにかく今は、彼女らしく振るまわなければ。
「雛子ちゃん、食事を済ませたら、荒木さんと一緒に準備なさいね。今日は彼がいらっしゃる日ですよ。」
ん? 彼? 誰かお客様ね。
「お母さん、わかりました。」
「どうしたの? 今日の雛子ちゃんはおかしいわね。まだ寝ぼけてる? いつものように
ママと呼んでね。お母さんなんて初めて呼ばれて、なんだかムズムズするわ。」
失敗した。
雛子ちゃんはお母さんのことを、ママと呼ぶのか…
話し言葉も丁寧にしたほうがよさそうね。
「はい、ママ。」
少し学校での彼女を真似て、甘えた声を出してみる、
「わかったのならいいわ。荒木さん、後は頼んだわね。」
「はい、奥様。」
荒木さん?
話の流れからして、お手伝いさん?
桃井家にはお手伝いさんがいるの?
品数多めのしっかりした朝食を何とか残さずに食べきる。
部屋に戻ると、荒木さんが洋服を持ってきた。
首周りが広くあき、デコルテがキレイに見えるふわりと軽いワンピース。
アヤメなら絶対に着ないであろう服。
「お嬢様、今日は伊集院様がいらっしゃるのですから、お淑やかになさってくださいね。」
「伊集院様?」
今ならまだ寝ぼけたふりで何とかなる?
キョトンと首を傾ける。
「まあまぁお嬢様。まだ目が覚めませんか? 雛子様の婚約者 伊集院 尊様(いじゅういん たける)ですよ。」
えっ、嘘でしよ。
雛子ちゃんには婚約者がいるの?
まだ目覚まし時計は鳴っていない。
ゆっくり目蓋を開けると、見覚えのない天井。
私が横たわるベッドは私のものよりも幅が広くふんわりとしていて、肌触りのよい真っ白なシーツに包まれていた。
なに、なに? ここはどこ?
私は旅行中?じゃないよね。
私の部屋じゃないんだけど。
部屋に置かれたドレッサーの鏡にうつる顔を見て、固まった。
私は夢を見ているのかな。
頬を軽くつねってみると、痛い。
夢じゃない、これは現実?
私は丹後アヤメなのに。
どうして雛子ちゃんになっているの?
もしかして、ここは彼女の部屋?
棚に置かれた学校のカバンを開けてみる。
桃井雛子と書かれた教科書やノートが入っている。
部屋から出ると、かわいらしいおばさまが「まぁ雛子ちゃん、今日は学園が休みなのに、自分で起きてきたの?すごいじゃない。」と誉められた。
おばさまは、どことなく雛子ちゃんに似てる。雰囲気なんて彼女そっくり。
きっと雛子ちゃんのお母さんだ。
なに?
自力で起きただけで誉めてもらえるの?
家はどこもかしこもすごい。
廊下に置かれた花瓶には、華やかな花が生けられている。
雛子ちゃんはお嬢様なんだ…
しかもかなり甘やかされていそう。
何が起きているのか、よくわからない。
とにかく私は雛子ちゃんになっているようだ。
とにかく今は、彼女らしく振るまわなければ。
「雛子ちゃん、食事を済ませたら、荒木さんと一緒に準備なさいね。今日は彼がいらっしゃる日ですよ。」
ん? 彼? 誰かお客様ね。
「お母さん、わかりました。」
「どうしたの? 今日の雛子ちゃんはおかしいわね。まだ寝ぼけてる? いつものように
ママと呼んでね。お母さんなんて初めて呼ばれて、なんだかムズムズするわ。」
失敗した。
雛子ちゃんはお母さんのことを、ママと呼ぶのか…
話し言葉も丁寧にしたほうがよさそうね。
「はい、ママ。」
少し学校での彼女を真似て、甘えた声を出してみる、
「わかったのならいいわ。荒木さん、後は頼んだわね。」
「はい、奥様。」
荒木さん?
話の流れからして、お手伝いさん?
桃井家にはお手伝いさんがいるの?
品数多めのしっかりした朝食を何とか残さずに食べきる。
部屋に戻ると、荒木さんが洋服を持ってきた。
首周りが広くあき、デコルテがキレイに見えるふわりと軽いワンピース。
アヤメなら絶対に着ないであろう服。
「お嬢様、今日は伊集院様がいらっしゃるのですから、お淑やかになさってくださいね。」
「伊集院様?」
今ならまだ寝ぼけたふりで何とかなる?
キョトンと首を傾ける。
「まあまぁお嬢様。まだ目が覚めませんか? 雛子様の婚約者 伊集院 尊様(いじゅういん たける)ですよ。」
えっ、嘘でしよ。
雛子ちゃんには婚約者がいるの?
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写と他もすべて架空です。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
Emerald
藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。
叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。
自分にとっては完全に新しい場所。
しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。
仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。
〜main cast〜
結城美咲(Yuki Misaki)
黒瀬 悠(Kurose Haruka)
※作中の地名、団体名は架空のものです。
※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。
※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。
ポリン先生の作品はこちら↓
https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911
https://www.comico.jp/challenge/comic/33031
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる