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第9話 私は人形
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「雛子、お前の意見は聞いてない。黙って尊くんと一緒になれ。きっと幸せになれる。」
何を根拠にそう言いきれるのか?
雛子ちゃんは、今まで何も文句を言わなかったの?
「パパ、本当に無理なの。彼は力で支配しようと…私は噛まれたのよ!」
どうしてわかってくれないのかと泣きそうだ、
「なんだ。別に暴力を振るわれたわけじゃないんだろう? 確かに少し赤くはなっているが… そんなものはペットが甘噛みしたようなものだ。雛子はまだ子供だから、わからないかもしれないが、それは愛情表現だよ。雛子は尊くんに愛されているんだ。」
何を言ってるのか。
こんな人が雛子ちゃんのお父さん?
「そうよ。雛子ちゃんは世間知らずなのだから。パパに任せておけば幸せになれるわ。あなたはこの世界でしか生きていけないの。」
何を言ってるの?
こんな人が雛子ちゃんのお母さん?
雛子ちゃんはとんでもない家庭で育てられたんだ。
誰も私の意思を尊重してくれない。
私はもう限界だ。
ボロボロと大粒の涙が頬を伝う。
こんなに泣いたのは久しぶりだ。
雛子ちゃんとしての涙。
彼女はどれだけの涙を流してきたのだろう。
そしてどれだけのことを諦めてきたのだろう。
確かに家庭は裕福で、いろいろ恵まれていると思う。
それでもこれでは人形と同じ。
かわいい洋服を着せられて、親の思うとおりに動かされる。
そこに彼女の意思はあるのだろうか。
もしかして、本物の雛子ちゃんは伊集院さんのことが好き?
彼は小柄ではあるが、キレイな顔をしている。
容姿だけなら、キャーキャー言われているのかも。
あっ、立場もか。
お金持ちでもあるのだろう。
会社役員だもんね。
でも、偉そうで、何だろう…
私を自分の所有物であるかのように扱った。
その態度がとにかく鼻についた。
この人は無理、ぜーったいに無理。
生理的に受け付けない。
中身が丹後アヤメである私としては、受け入れられない。
「パパ、どうしても婚約解消は無理?」
ひたっと彼の瞳を見つめ続ける。
ようやく私の強い思いが届いたのか、
「うむ。まぁいいだろう。青芝見学園の生徒会。生徒会の誰かと新しい縁を結べるのであれば、考えてやる。」
「あなた、本当に?本当に大丈夫なんですか?伊集院家から手を引かれたら、我が家は…」母が父に駆け寄り、グイグイと袖をひいている。
「大丈夫だ。青芝見学園の生徒会メンバーはそれ相当の家柄でなければなれない。尊くんでも入れなかったんだ。雛子の相手が生徒会メンバーならば、伊集院様も手をひいてくださるだろう。」
「まぁ、そうなんですのね。」
母もその言葉を聞き、安心したようだ。
「雛子ちゃん、パパの言葉が聞こえたわね? どうしても伊集院さんが無理であるなら、生徒会メンバーを落としなさい。あなたならできるわ!」
へぇ~、生徒会メンバーってそんなにすごいのか…
でも落としなさいって…
何を根拠にそう言いきれるのか?
雛子ちゃんは、今まで何も文句を言わなかったの?
「パパ、本当に無理なの。彼は力で支配しようと…私は噛まれたのよ!」
どうしてわかってくれないのかと泣きそうだ、
「なんだ。別に暴力を振るわれたわけじゃないんだろう? 確かに少し赤くはなっているが… そんなものはペットが甘噛みしたようなものだ。雛子はまだ子供だから、わからないかもしれないが、それは愛情表現だよ。雛子は尊くんに愛されているんだ。」
何を言ってるのか。
こんな人が雛子ちゃんのお父さん?
「そうよ。雛子ちゃんは世間知らずなのだから。パパに任せておけば幸せになれるわ。あなたはこの世界でしか生きていけないの。」
何を言ってるの?
こんな人が雛子ちゃんのお母さん?
雛子ちゃんはとんでもない家庭で育てられたんだ。
誰も私の意思を尊重してくれない。
私はもう限界だ。
ボロボロと大粒の涙が頬を伝う。
こんなに泣いたのは久しぶりだ。
雛子ちゃんとしての涙。
彼女はどれだけの涙を流してきたのだろう。
そしてどれだけのことを諦めてきたのだろう。
確かに家庭は裕福で、いろいろ恵まれていると思う。
それでもこれでは人形と同じ。
かわいい洋服を着せられて、親の思うとおりに動かされる。
そこに彼女の意思はあるのだろうか。
もしかして、本物の雛子ちゃんは伊集院さんのことが好き?
彼は小柄ではあるが、キレイな顔をしている。
容姿だけなら、キャーキャー言われているのかも。
あっ、立場もか。
お金持ちでもあるのだろう。
会社役員だもんね。
でも、偉そうで、何だろう…
私を自分の所有物であるかのように扱った。
その態度がとにかく鼻についた。
この人は無理、ぜーったいに無理。
生理的に受け付けない。
中身が丹後アヤメである私としては、受け入れられない。
「パパ、どうしても婚約解消は無理?」
ひたっと彼の瞳を見つめ続ける。
ようやく私の強い思いが届いたのか、
「うむ。まぁいいだろう。青芝見学園の生徒会。生徒会の誰かと新しい縁を結べるのであれば、考えてやる。」
「あなた、本当に?本当に大丈夫なんですか?伊集院家から手を引かれたら、我が家は…」母が父に駆け寄り、グイグイと袖をひいている。
「大丈夫だ。青芝見学園の生徒会メンバーはそれ相当の家柄でなければなれない。尊くんでも入れなかったんだ。雛子の相手が生徒会メンバーならば、伊集院様も手をひいてくださるだろう。」
「まぁ、そうなんですのね。」
母もその言葉を聞き、安心したようだ。
「雛子ちゃん、パパの言葉が聞こえたわね? どうしても伊集院さんが無理であるなら、生徒会メンバーを落としなさい。あなたならできるわ!」
へぇ~、生徒会メンバーってそんなにすごいのか…
でも落としなさいって…
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