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第11話 学校が始まる
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私が桃井雛子になって、初めての学校が始まる。
なんとしてでも丹後アヤメとなっているであろう雛子ちゃんと連絡をとらねば。
雛子ちゃん、困っただろうな。
丹後家は、町で小さな医院を開いている。
両親ともに医師だ。
両親が忙しい為、家族みんなで家事を行う。
動ける人が動く。
自分のことは自分で。
それが我が家だ。
今までお手伝いさんが世話してくれる生活をおくってきた雛子ちゃんは、さぞかし戸惑ったことだろう。
私は、両親のような医師になりたいとの夢を持っている。
その為、今まで必死に勉強を頑張ってきた。
次回の試験まであと3日。
それまでに丹後アヤメに戻れるだろうか。
「雛子ちゃん、おはよう。今日もかわいいね。」
学校が近づくにつれ、どこからともなくワラワラと男の子たちが集まってきた。
あー、これが明くんが言っていた取り巻きか。
誰かに髪を触られる。
腕を引っ張られる。
こわいっ、イヤだ。
反射的に押し退けて、みんなから距離をとる。
「えっ、雛子ちゃん、どうしたの?」
「雛子ちゃん、今日は冷たくない?」
不審がられている。
「あっ、ごめんなさい。今日はいつもと違う雛子を演じてみようかと…」
えへへっと雛子ちゃんがやりそうな誤魔化し笑いをしてみる。
「なになに?新しい志向?おもしろっ。今日は冷たい雛子でってこと?」
「うん、そうそう。」
「でも、冷たい雛子じゃつまんないや。いつもの雛子ちゃんでよろしく。」
ダメだったか。
そしてまたベタベタ触られる。
気持ち悪いよ~と心の中で思いつつ、何とか少しでも距離を保とうとする。
不審がられない程度に。
雛子ちゃんと話をするまでの我慢だ。
教室に入ると、既に丹後アヤメは席に座っていた。
一人で静かに本を読んでいる。
あっ、いつもの私だ。
雛子ちゃん、私の行動をみてくれてたんだ。
男の子たちから離れ、アヤメさんの元へ。
「アヤメさん、おはよう。」
雛子ちゃんとしての可憐な顔を作り、挨拶する。
クラスメイトのみんなは、びっくりしたようだ。
雛子ちゃんがアヤメの元へわざわざ挨拶に向かうなんて、初めて見る光景だよね。
もちろんすれ違えば、挨拶くらいはするけれど、席まで挨拶に向かうことはなかった。
「あら、雛子ちゃん、おはよう。」
アヤメの顔をした雛子ちゃんがキレイに微笑む。
「アヤメさん、話があるの。」
そう切り出すと、彼女はパタンと本を閉じ、「私にはないわ。」と、立ち上がる。
彼女へと手を伸ばす。
彼女の体に触れた瞬間。
ビリビリと静電気が走ったみたい。
イタッ
咄嗟に離れる。
私の体なのに、拒絶された。
なんとしてでも丹後アヤメとなっているであろう雛子ちゃんと連絡をとらねば。
雛子ちゃん、困っただろうな。
丹後家は、町で小さな医院を開いている。
両親ともに医師だ。
両親が忙しい為、家族みんなで家事を行う。
動ける人が動く。
自分のことは自分で。
それが我が家だ。
今までお手伝いさんが世話してくれる生活をおくってきた雛子ちゃんは、さぞかし戸惑ったことだろう。
私は、両親のような医師になりたいとの夢を持っている。
その為、今まで必死に勉強を頑張ってきた。
次回の試験まであと3日。
それまでに丹後アヤメに戻れるだろうか。
「雛子ちゃん、おはよう。今日もかわいいね。」
学校が近づくにつれ、どこからともなくワラワラと男の子たちが集まってきた。
あー、これが明くんが言っていた取り巻きか。
誰かに髪を触られる。
腕を引っ張られる。
こわいっ、イヤだ。
反射的に押し退けて、みんなから距離をとる。
「えっ、雛子ちゃん、どうしたの?」
「雛子ちゃん、今日は冷たくない?」
不審がられている。
「あっ、ごめんなさい。今日はいつもと違う雛子を演じてみようかと…」
えへへっと雛子ちゃんがやりそうな誤魔化し笑いをしてみる。
「なになに?新しい志向?おもしろっ。今日は冷たい雛子でってこと?」
「うん、そうそう。」
「でも、冷たい雛子じゃつまんないや。いつもの雛子ちゃんでよろしく。」
ダメだったか。
そしてまたベタベタ触られる。
気持ち悪いよ~と心の中で思いつつ、何とか少しでも距離を保とうとする。
不審がられない程度に。
雛子ちゃんと話をするまでの我慢だ。
教室に入ると、既に丹後アヤメは席に座っていた。
一人で静かに本を読んでいる。
あっ、いつもの私だ。
雛子ちゃん、私の行動をみてくれてたんだ。
男の子たちから離れ、アヤメさんの元へ。
「アヤメさん、おはよう。」
雛子ちゃんとしての可憐な顔を作り、挨拶する。
クラスメイトのみんなは、びっくりしたようだ。
雛子ちゃんがアヤメの元へわざわざ挨拶に向かうなんて、初めて見る光景だよね。
もちろんすれ違えば、挨拶くらいはするけれど、席まで挨拶に向かうことはなかった。
「あら、雛子ちゃん、おはよう。」
アヤメの顔をした雛子ちゃんがキレイに微笑む。
「アヤメさん、話があるの。」
そう切り出すと、彼女はパタンと本を閉じ、「私にはないわ。」と、立ち上がる。
彼女へと手を伸ばす。
彼女の体に触れた瞬間。
ビリビリと静電気が走ったみたい。
イタッ
咄嗟に離れる。
私の体なのに、拒絶された。
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