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第15話 甘い誘惑
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あー、ドキドキした。
僕 神無月 明は、口に手を当てて、珍しく動揺していた。
ついさっき、彼女である丹後アヤメにキスをねだられたのだ。
はっきりと言われたわけではない。
だが、あれはそういうことだろう。
凛としていてキレイな彼女。
その彼女がいつになく甘えた声で…
潤んだ瞳に見つめられた僕は…危うく流れに身を任せるところだった。
どこからか聞こえたガサガサという音。
あの音に彼女が反応し、僕は我に返った。
僕たちの付き合いは、互いの利益を重視した契約のようなものだ。
アヤメはどうしてしまったのだろう。
そういえば、今日は初めからおかしかった。
部活がない時は、僕が彼女を教室まで迎えに行くのに、今日は彼女が僕を迎えにきた。
いつもは学校から彼女の家まで、寄り道せずに帰るのに、今日に限って「公園に寄ろう。」と彼女から誘ってきた。
二人で公園に置かれたベンチに座る。
繋いだ手を彼女が自分の膝へ運んでいく。
彼女の膝は柔らかくて、ヤバい。
かなりヤバかった。
いつになく積極的な彼女に、動揺する。
僕の顔は大丈夫だったろうか。
蕩けきってだらしない顔になってはいなかっただろうか。
アヤメが、あのアヤメが、上目遣いで、甘えた声で誘ったのだ。
「明くん、そろそろ次に進んでもいいよね?」
僕も、今の契約のような関係をそろそろどうにかしたいと思っていた。
彼女の言う次がどこまでかはわからない。
それでも、まずはキスだろう。
アヤメは目をつぶり、僕を待っている。
ゆっくり顔を近づけていくが、彼女は目をつぶったまま。
彼女の長い睫毛がプルプルと小さく揺れている。
彼女が誘ったのだ。
嫌ではないはず。
緊張してる?
あと少し、あと少しで触れるところで、ガサガサと音が聞こえた。
誰かに見られてる? 猫か?
彼女の肩がビクッと動き、僕は我に返った。
彼女の睫毛がゆっくり持ち上がる。
キレイな瞳には抗議の色が色濃くうつる。
確かに彼女が覚悟を決めてくれたのに、僕は待たせ過ぎたのかもしれない。
ヘタレな僕。
アヤメはあきれただろうか。
それでも…よくわからないが、違和感があって躊躇したのた。
彼女はどうしてしまったんだろう。
彼女はこんなことしない。
こんな顔をしない。
まだ半年の付き合いではあるが、ほぼ毎日一緒に帰っているのだ。
彼女が普通でないことくらいはわかる。
「アヤメ、ごめん。今日は帰る。」
それだけ告げて、帰る。
背中に彼女の視線を感じる。
空気が少し冷えたような気がした。
まだ心臓がバクバクしている。
せっかくの機会だったのに。
音など気にせずに…
でもアヤメは、いつもの彼女じゃなかぅた。
彼女に何かあったのだろうか。
心配ごとがあるのなら、何か不安があるのなら、僕に話してくれればいいのに…
僕 神無月 明は、口に手を当てて、珍しく動揺していた。
ついさっき、彼女である丹後アヤメにキスをねだられたのだ。
はっきりと言われたわけではない。
だが、あれはそういうことだろう。
凛としていてキレイな彼女。
その彼女がいつになく甘えた声で…
潤んだ瞳に見つめられた僕は…危うく流れに身を任せるところだった。
どこからか聞こえたガサガサという音。
あの音に彼女が反応し、僕は我に返った。
僕たちの付き合いは、互いの利益を重視した契約のようなものだ。
アヤメはどうしてしまったのだろう。
そういえば、今日は初めからおかしかった。
部活がない時は、僕が彼女を教室まで迎えに行くのに、今日は彼女が僕を迎えにきた。
いつもは学校から彼女の家まで、寄り道せずに帰るのに、今日に限って「公園に寄ろう。」と彼女から誘ってきた。
二人で公園に置かれたベンチに座る。
繋いだ手を彼女が自分の膝へ運んでいく。
彼女の膝は柔らかくて、ヤバい。
かなりヤバかった。
いつになく積極的な彼女に、動揺する。
僕の顔は大丈夫だったろうか。
蕩けきってだらしない顔になってはいなかっただろうか。
アヤメが、あのアヤメが、上目遣いで、甘えた声で誘ったのだ。
「明くん、そろそろ次に進んでもいいよね?」
僕も、今の契約のような関係をそろそろどうにかしたいと思っていた。
彼女の言う次がどこまでかはわからない。
それでも、まずはキスだろう。
アヤメは目をつぶり、僕を待っている。
ゆっくり顔を近づけていくが、彼女は目をつぶったまま。
彼女の長い睫毛がプルプルと小さく揺れている。
彼女が誘ったのだ。
嫌ではないはず。
緊張してる?
あと少し、あと少しで触れるところで、ガサガサと音が聞こえた。
誰かに見られてる? 猫か?
彼女の肩がビクッと動き、僕は我に返った。
彼女の睫毛がゆっくり持ち上がる。
キレイな瞳には抗議の色が色濃くうつる。
確かに彼女が覚悟を決めてくれたのに、僕は待たせ過ぎたのかもしれない。
ヘタレな僕。
アヤメはあきれただろうか。
それでも…よくわからないが、違和感があって躊躇したのた。
彼女はどうしてしまったんだろう。
彼女はこんなことしない。
こんな顔をしない。
まだ半年の付き合いではあるが、ほぼ毎日一緒に帰っているのだ。
彼女が普通でないことくらいはわかる。
「アヤメ、ごめん。今日は帰る。」
それだけ告げて、帰る。
背中に彼女の視線を感じる。
空気が少し冷えたような気がした。
まだ心臓がバクバクしている。
せっかくの機会だったのに。
音など気にせずに…
でもアヤメは、いつもの彼女じゃなかぅた。
彼女に何かあったのだろうか。
心配ごとがあるのなら、何か不安があるのなら、僕に話してくれればいいのに…
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