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第27話 嘘でしょ?
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翌朝になり……
カラリと晴れた空で、馬車での移動にはピッタリだ。
私たち一行は、お世話になった辺境伯家の皆様にお礼を伝え、馬車に乗り込んだ。
街で買い込んだお土産も、シャロン様が用意してくださったお土産も既に乗せてある。
私はレオンと気持ちを通じたばかり。
もちろん彼とは離れがたく……
馬車までエスコートしてくれた彼も同じ気持ちだったようで、私も彼も繋いだ手をなかなか離すことができず、みんなを待たせてしまった。
その時は2人の世界に入り、周りが見えてなかったんだと思う。
なんだろう……マーサとランスの生暖かい目。
何も言わずにただじっとみつめられるのは、こちらもどうしていいかわからない。
走り出した馬車の中で、急に恥ずかしくなった私は縮こまると真っ赤になっていた。
馬車はどんどんクリードから離れていく。
ガラガラと順調に進んでいた馬車が突然止まった。
止まり方がよくなかったのか、ブルブル、カッカッと馬が騒ぐ。
馬車の窓越しにランスが顔を寄せた。
「お嬢様、絶対に馬車から出ないでください!」と言い残し、馬をおりて走っていくランス。
マーサが馬車の窓にかけられたカーテンをシャーッと閉めると、私を後ろから抱き締める形で、座席の下に入り込む。
そして、私の手を勇気づけるようにギュッと握ってくれる。
カツン、ガツンッ、キーン、カキーン
剣のぶつかる音が聞こえてきた。
激しい金属音と怒号に、不安が募る。
外にいるランスとここまで迎えに来てくれた他の護衛たち、御者は大丈夫かしら……
しばらくして、響いていた金属音と怒号が止み、静けさが訪れた。
「お嬢様、もう大丈夫です。ご安心ください」
馬車の外から声が聞こえた。
でも、それはランスの声じゃない。
私は堪らなくなり、馬車を出ようとする。
「お嬢様、まずは私が確認してからです。しばらくお待ちください」とマーサに止められてしまう。
気持ちだけが焦り、右手でカーテンの隅を少しだけ持ち上げ、外の様子をうかがい、左手をググッと強く握りしめる。
立ち上がろうとお尻を浮かせたり、また座り込んだり……
私が焦っても何もできないことはわかっている。
でも、じっとしていられない。
マーサによる安全確認が終わり、私はランスを探す為、馬車から駆け降りた。
気持ちが急いでいた為、バランスを崩して前のめりに。
何とか持ちこたえ、顔から倒れずには済んだ。
そのまま急いでランスを探す。
ランスは別の護衛に支えられていた。
慌てて駆け寄る。
「ランス、ランス、しっかりしてっ」
すると、ランスの小さな声が聞こえた。
「ああ、よかった……いずみ、やっと守れた……」
彼はふうっと意識を失った。
他にも、負傷者が出ている。
知らせを受けたレオンたちが、馬で駆けつけてくれ、負傷者の応急処置や事件の処理をしてくれている。
襲われた地がクリードから近い場所で助かった。
逃げた襲撃者がいては危ないと、一旦 クリードへ戻ることになった。
ランスの声が頭から離れない。
彼は、『いずみ』と言った。
こちらの名前では聞いたことがない。
いずみ、いずみ、いずみ?
その私の名を呼ぶ呼び方に、心の奥が反応した。
まさか、まさかね……
頭がグルグル回る。
次の日には、ランスが目を覚ましたと連絡が来た。
本当に、本当によかった。
医師の診察が終わり、面会の許可が出たので、急いでランスのお見舞いに向かう。
「ランス、守ってくれてありがとう。キズはどう?痛むわよね?」
私の為に、私を守る為に、ランスがケガをしてしまった。
あまり深いキズではないそうで、後遺症が残ることはないだろうとの診断だった。
よかった、よかったのだ。
それでも、彼が私を守る為にキズをおった、その事実が私に重くのしかかる。
護衛なのだから、私を守って当然だなんて思えなくて……
私もともに戦えたのなら、彼はケガせずに済んだのかもしれないと考えてしまう。
「ねぇ、ランス、教えて。いずみって誰?
いずみとは誰のこと?」
「へっ、お嬢様、何を言ってるんですか?いずみなんて女性、俺は知りませんよ。気を失ってる間のことなんて何も覚えちゃいません。お嬢様のほうこそ気が動転して空耳でも聞こえたんじゃないですか?」
ランスに、前世での私の名前を呼んだことを問い詰めるも、覚えていないとはぐらかされる。
「でも、いずみが女性の名前だと、ランスは知ってるのよね? 私にはあなたが『いずみ』と言ったのがはっきり聞こえたんだからっ。空耳だなんてありえないのっ!ねぇ、どういうこと?もしかしてランスにも別の記憶があるの?」
何度も問い詰めると、彼は諦めたようで…
「『今、ランスにも別の記憶があるの?』と言いましたよね?リーゼ様にも記憶があるんですね?泉として生きた記憶が……ハァ~、泉は、昔から一度言い出したら聞かなかった。そんなところやはっきりさせないと気が済まないところなんかは変わらないものなんだな。
九条 匡(くじょう たすく)覚えてるか?それ、俺だから」
「えっ、匡、やっぱり匡なのね?」
あの時、私を『いずみ』と呼んだあの時、ランスは私が大好きだった彼 匡と同じように私を呼んだの。
「ああ、匡だ。俺は匡だよ。レオン様はいい方だ。泉、守ってやれなくて、傷つけてごめん。今度こそは幸せになれよ」
ランスは長く話して疲れたのか、その言葉を最後にまた眠ってしまった。
九条 匡、前世で私を裏切った、私が大好きだった人。私が結婚の約束をしていた人。
たすく、嘘でしょ?
ランスが匡だったなんて……
カラリと晴れた空で、馬車での移動にはピッタリだ。
私たち一行は、お世話になった辺境伯家の皆様にお礼を伝え、馬車に乗り込んだ。
街で買い込んだお土産も、シャロン様が用意してくださったお土産も既に乗せてある。
私はレオンと気持ちを通じたばかり。
もちろん彼とは離れがたく……
馬車までエスコートしてくれた彼も同じ気持ちだったようで、私も彼も繋いだ手をなかなか離すことができず、みんなを待たせてしまった。
その時は2人の世界に入り、周りが見えてなかったんだと思う。
なんだろう……マーサとランスの生暖かい目。
何も言わずにただじっとみつめられるのは、こちらもどうしていいかわからない。
走り出した馬車の中で、急に恥ずかしくなった私は縮こまると真っ赤になっていた。
馬車はどんどんクリードから離れていく。
ガラガラと順調に進んでいた馬車が突然止まった。
止まり方がよくなかったのか、ブルブル、カッカッと馬が騒ぐ。
馬車の窓越しにランスが顔を寄せた。
「お嬢様、絶対に馬車から出ないでください!」と言い残し、馬をおりて走っていくランス。
マーサが馬車の窓にかけられたカーテンをシャーッと閉めると、私を後ろから抱き締める形で、座席の下に入り込む。
そして、私の手を勇気づけるようにギュッと握ってくれる。
カツン、ガツンッ、キーン、カキーン
剣のぶつかる音が聞こえてきた。
激しい金属音と怒号に、不安が募る。
外にいるランスとここまで迎えに来てくれた他の護衛たち、御者は大丈夫かしら……
しばらくして、響いていた金属音と怒号が止み、静けさが訪れた。
「お嬢様、もう大丈夫です。ご安心ください」
馬車の外から声が聞こえた。
でも、それはランスの声じゃない。
私は堪らなくなり、馬車を出ようとする。
「お嬢様、まずは私が確認してからです。しばらくお待ちください」とマーサに止められてしまう。
気持ちだけが焦り、右手でカーテンの隅を少しだけ持ち上げ、外の様子をうかがい、左手をググッと強く握りしめる。
立ち上がろうとお尻を浮かせたり、また座り込んだり……
私が焦っても何もできないことはわかっている。
でも、じっとしていられない。
マーサによる安全確認が終わり、私はランスを探す為、馬車から駆け降りた。
気持ちが急いでいた為、バランスを崩して前のめりに。
何とか持ちこたえ、顔から倒れずには済んだ。
そのまま急いでランスを探す。
ランスは別の護衛に支えられていた。
慌てて駆け寄る。
「ランス、ランス、しっかりしてっ」
すると、ランスの小さな声が聞こえた。
「ああ、よかった……いずみ、やっと守れた……」
彼はふうっと意識を失った。
他にも、負傷者が出ている。
知らせを受けたレオンたちが、馬で駆けつけてくれ、負傷者の応急処置や事件の処理をしてくれている。
襲われた地がクリードから近い場所で助かった。
逃げた襲撃者がいては危ないと、一旦 クリードへ戻ることになった。
ランスの声が頭から離れない。
彼は、『いずみ』と言った。
こちらの名前では聞いたことがない。
いずみ、いずみ、いずみ?
その私の名を呼ぶ呼び方に、心の奥が反応した。
まさか、まさかね……
頭がグルグル回る。
次の日には、ランスが目を覚ましたと連絡が来た。
本当に、本当によかった。
医師の診察が終わり、面会の許可が出たので、急いでランスのお見舞いに向かう。
「ランス、守ってくれてありがとう。キズはどう?痛むわよね?」
私の為に、私を守る為に、ランスがケガをしてしまった。
あまり深いキズではないそうで、後遺症が残ることはないだろうとの診断だった。
よかった、よかったのだ。
それでも、彼が私を守る為にキズをおった、その事実が私に重くのしかかる。
護衛なのだから、私を守って当然だなんて思えなくて……
私もともに戦えたのなら、彼はケガせずに済んだのかもしれないと考えてしまう。
「ねぇ、ランス、教えて。いずみって誰?
いずみとは誰のこと?」
「へっ、お嬢様、何を言ってるんですか?いずみなんて女性、俺は知りませんよ。気を失ってる間のことなんて何も覚えちゃいません。お嬢様のほうこそ気が動転して空耳でも聞こえたんじゃないですか?」
ランスに、前世での私の名前を呼んだことを問い詰めるも、覚えていないとはぐらかされる。
「でも、いずみが女性の名前だと、ランスは知ってるのよね? 私にはあなたが『いずみ』と言ったのがはっきり聞こえたんだからっ。空耳だなんてありえないのっ!ねぇ、どういうこと?もしかしてランスにも別の記憶があるの?」
何度も問い詰めると、彼は諦めたようで…
「『今、ランスにも別の記憶があるの?』と言いましたよね?リーゼ様にも記憶があるんですね?泉として生きた記憶が……ハァ~、泉は、昔から一度言い出したら聞かなかった。そんなところやはっきりさせないと気が済まないところなんかは変わらないものなんだな。
九条 匡(くじょう たすく)覚えてるか?それ、俺だから」
「えっ、匡、やっぱり匡なのね?」
あの時、私を『いずみ』と呼んだあの時、ランスは私が大好きだった彼 匡と同じように私を呼んだの。
「ああ、匡だ。俺は匡だよ。レオン様はいい方だ。泉、守ってやれなくて、傷つけてごめん。今度こそは幸せになれよ」
ランスは長く話して疲れたのか、その言葉を最後にまた眠ってしまった。
九条 匡、前世で私を裏切った、私が大好きだった人。私が結婚の約束をしていた人。
たすく、嘘でしょ?
ランスが匡だったなんて……
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