【完結】山猿?いえいえ立派な淑女ですわよ。

青井 海

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第6話 怒られる

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リアム王子とセルジュが剣を抜き、動き出す。
二人ともすばやい。
私は…拾った長い棒を振り回しながら、落ちている石を拾っては投げ、拾っては投げ。何もしないと襲われるだけだ。とにかく何でも拾っては投げつけた。

二人は強かった。
狼の数も少なかったので、何とかなったようだ。

私は安心して、腰が抜けてしまった。
座り込んだままの体制で情けないが、「ありがとう。」
助けてくれたお礼を伝える。
体がブルブル震える。

「騒いだお前は襲われても仕方ないが、彼まで巻き込むな!」
すごく怒られた。リアム王子の顔が怖い。
キレイな顔の人が怒ると怖いのだ。
ネリーにもここまで強くは怒られたことはない。

「ごめんなさい。グスグスン」
「頼むから、もう騒ぐな。じぁな。」
リアム王子は片手を振って、去っていった。

「クラリス、大丈夫?」
セルジュが駆け寄り、立ち上がらせてくれる。
足がガクガク。上手く歩けない私。

「あの大木の根元まで頑張れるか?」
「うん。」
彼に支えてもらいながら、大木の根元まで辿り着いた。

「あれ?こんなところに穴が?」
彼が穴をみつけたようだ。
さっき二人で確認した時にはみつからなかったのに。
「えっ。」
私の隠れ家の小さな穴だわ。
だけど、前より少し大きくなってる。
もしかして今はセルジュも一緒だし、私たちのサイズに合わせて、穴も大きくなった?
どうして…

「クラリス、この穴の中で休憩しよう。歩けるようになって戻るほうが安全だ。」
「うん。」

二人で休んでいると、震えが収まってきた。そろそろ歩けそう。
「セルジュ、ありがとう。もう歩けると思う。」

二人で邸へ帰ると、ネリーが待ち構えていて、こってり怒られた。
辺りはぼんやりと薄暗くなってきている。
帰るのが遅かったようだ。

「ネリー、心配をかけてごめんなさい。セルジュを怒らないで。彼は私を助けてくれたの。お願い、お願い。」

「お嬢様、わかりました。今日はゆっくりお休みください。詳しいことはセルジュに聞きますので。」

「ネリー、ありがとう。」
夕飯を食べた後、部屋へ戻り、侍女の手を借り、寝る準備を済ませる。

その夜は、森での出来事を思い出して、なかなか眠りにつけない。

リアム王子とセルジュが助けてくれなかったら、今頃私は…
王子には酷いことを言われた。
強く怒られ、怖かった。
それでも彼は、私たちを助ける為に、危険を承知でわざわざ戻ってきてくれたのだ。
それに、めちゃくちゃ強かった。
剣を振り上げ、戦う姿は惚れ惚れするほど美しく、かっこよかった。

眠れない、眠れないよ~と思いながらも、ベッドで横になっていると、いつの間にか眠っていた。
やはり疲れていたのだろう。






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