【完結】山猿?いえいえ立派な淑女ですわよ。

青井 海

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第18話 社交界デビュー

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私は先日十六歳を迎えた。
少し早いのだが、リアム王子が十八歳なので、それに合わせデビューすることになった。

今日、王宮で開かれる舞踏会で私はデビューする。
私のエスコートは、父であるアルンテ侯爵が付き添ってくれる。

今回の舞踏会で、みんなが注目していること。
それは、リアム王子のファーストダンスの相手は誰か?

宰相である父の情報によれば、現在、彼の婚約者候補は二人に絞られたそうだ。

私ともう一人。
パメラ・クーロン伯爵令嬢。
王立図書館で、リアム王子と一緒に本を見ていた彼女だ。
くうっ、やはりライバルは彼女か。

今年デビューの私は、お母様が用意してくれたオフホワイトの繊細なレース使いが美しいドレス。
レース使いであまり生地が重くなく、ダンスも踊りやすそうだ。
髪はユルユルと結い上げ、白い小さなバラの生花をさしている。

パメラ嬢も今年デビューである。
アイボリーホワイトでスッキリと体のラインがわかる大人っぽいドレス。

残念ながら、二歳差は大きい。
彼女と比べると私は子供に見えてしまうのではと不安になる。
嫌だ、嫌だ、負けたくない。
バカにされたまま終わりたくない。

今年デビューの令嬢たちが王妃様へご挨拶する。
それが一段落つくと、演奏が始まり、いよいよダンスが始まる。
みながリアム王子の動向を見守る。
彼は、私の前にやってきた。

「クラリス嬢、私と踊っていただけますか?」
彼の手が私の前に差し出された。
私は微笑み、彼の手に自分の手を乗せる。
彼の熱がじわじわと指先に広がる。 

彼のリードはさすがだ。
とても踊りやすい。
彼に腰をホールドされ、あまりの距離の近さにドキドキする。
緊張して顔が強ばるわ。

横目にチラリとパメラ様が見えた。
彼女はどこかの令息と踊りながら、こちらをジロリと睨んだ。
うわっ、怒ってる。
リアム王子の顔が見える位置にくると、優雅に微笑む。
すごい!器用だ。これが令嬢の技?

一曲目が終わると、彼は私から離れ、パメラ様を迎えに行ってしまった。
なるほど、私が選ばれたわけではないようだ。
今、二人は楽しそうに踊っている。
息もピッタリ。
踊り慣れているように見える。
リアム王子は、婚約者候補の二人と踊るが、より家格の高い私を先にしたのだろう。

なんだ、ファーストダンスは私?と喜んだが、あまり意味あるものではなかったと思われる。

リアム王子とのダンスを終えた私は、声をかけてくれた数人の令息と踊った。
最後はセルジュと踊る。
彼は時々 ダンスの練習につきあってくれているので、とても踊りやすい。

「クラリス、王子とのダンスはどうだった?」
「さすがって感じ?リードが上手くてとても踊りやすかったわ。」
「そっか、良かったな。」と笑顔のセルジュ。
「うん、楽しかった。」と笑顔で答えるクラリス。

これで、クラリスのデビューは何事もなく無事に終わった。





    
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