【完結】山猿?いえいえ立派な淑女ですわよ。

青井 海

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第16話 お菓子の魅力

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妖精さんと仲良くなり、名前をつけたクラリス。
クラリスの頬は興奮で真っ赤に染まり、感動で瞳はキラキラ輝いている。

セルジュがぽそりとつぶやいた。
「クラリス、すげぇー、本当に妖精を呼び寄せるなんて。しかも仲良くなってるし。」

「では、私たちは暗くなる前に帰るわね。のりちゃん、ふーちゃん、ぐらちゃん、またね!」
「うん、クラリス、セルジュ、またお菓子を持ってきてね。」とのりちゃん。
「うん、また来てね。」とふーちゃん。
「お菓子待ってる。」とぐらちゃん。

クラリスとセルジュは足取りも軽やかに邸へと帰る。

「クラリスのお菓子の魅力ってすごいな。」と彼が感心していると、
「そうでしょ。すごいでしょ。」クラリスはどや顔である。

明日は、また王子へ差し入れに行く。
今回は数日前に面会予約を取り付けた。
リアム王子とも少しは仲良くなれるといいのだけれど…

今日一日を忙しく過ごしたクラリスは、ぐっすりと眠った。

カーテンの隙間から光が降り注ぎ、ビーピチッと鳥の鳴き声が聞こえる。
あら、朝だわ。
今日もよく寝た。気持ちがいいわ。
うーん、と彼女は両手を上に挙げて伸びをする。
ゴリッ、ゴリゴリと音がした。
慣れないお菓子作りで、肩が凝ったのかしらね。

今日は水色のラインが美しいドレス、ウエストの瑠璃色のリボンがアクセントになっている。
髪は、両サイドをクルっと緩くねじり、瑠璃色のバレッタで止めたハーフアップスタイルだ。

瑠璃色、私の瞳の色でもあるし、リアム王子の瞳の色だったりする。
自分でもよく似合っていると思うが、少し恥ずかしいわね。

護衛のレナールとともに、馬車で王宮へ向かう。
王子の反応が気になり、王宮が近づくにつれ、ドキドキする。

まずは、父へ差し入れ。
その後、リアム王子との面会へ向かう。
今日は、温室へ通された。

出された紅茶に口をつけようかと、カップへ手を伸ばしたところで、ガチャンと王子が入室して来た。
挨拶を済ませると、リアム王子は、ドスンと椅子に腰掛けた。

クラリスがお菓子を差し出すと、メイドが王子の前に紅茶と空の皿をセットした。

空のお皿? 目を丸くするクラリス。
彼女の前で、メイドがお菓子を並べていく。
皿の上に並んだのは、クラリスが持ってきたお菓子だ。

リアム王子が無言で、サクッとクッキーを食べた。
えっ、毒味は?毒味しなくていいの?
そしてようやくしゃべった。
「お菓子をありがとう。美味しかった。今日は楽しみにしてた。」
リアム王子は若干俯きながら言う。
よく顔が見えないが、耳の端が真っ赤だ。
もしかして照れてる?

「ありがとうございます。そう言ってもらえて嬉しいです。」
クラリスは上品にニコッと微笑む。
レッスンで身につけた淑女の笑みだ。
もちろん頭の中では、ヨッシャーとガッツポーズ。



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