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第6話 高校生になる
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今日は、高校の入学式。
正門前にある桜の木がちょうど見頃をむかえて、キレイだ。
集合時間の前に、桜の近くで写真を撮る。
一緒の中学から同じ高校へ進学したのは十五人くらいだろうか。
誰かと同じクラスであるように祈る。
できたら、女の子か小野寺くんであって欲しい。
式が始まる前に、クラスのメンバーが貼り出された紙を確認する。
私は三組だ。
知り合いの女の子はいないみたい。
小野寺くんは、どうだろう。
あっ、三組に小野寺くん、発見!
神様、ありがとう。
女の子の知り合いは誰も同じクラスにはいなかった。
でも、彼がいたことを私は本当に感謝した。
本当に嬉しかった。
無事に入学式が終わると、今度は部活はどうするかという話になった。
私は中学卒業と同じ頃に、ピアノをやめた。
自宅へ来てくれていた高瀬先生に、「もう高校生だから、少々遠くても教室へ通えるでしょう。」と、自宅でのレッスンから、教室でのレッスンへ変更する話があがった為だ。
また高校への通学に時間がかかる。
ピアノの練習時間を確保する自信もなかった。
高校は吹奏楽部ではなく、私が通っていた中学にはなかったテニス部か弓道部に入りたいと考えていた。
「小野寺くんは吹奏楽部に入るの?」
「僕は弓道部にしようと思ってる。」
「えっ、弓道部?私もいいなと思ってた。」
「弓道はやめたほうがいいと思うよ。」
そう言った彼。
どうして?
私は小野寺くんを真似たわけじゃなく、最初から気になってたんだよ?
私とは同じ部活に入りたくないんだ。
そう思った私は、弓道部を見学することもなく、テニス部に入った。
テニスは、入部当初から経験者と未経験者で、かなり実力差がひらいていた。
私の学年はほとんどが経験者だった。
頑張ったつもりでもセンスがないのか、この実力差は追いつけそうにない。
私はそう思ってしまった。
だんだんテニスをすることが楽しくなくなり、部活へ行かなくなった。
小野寺くんは弓道部に入った。
弓道を楽しんでいるようだ。
教室へいる時には、もちろん女友達と過ごすこともあるが、小野寺くんと二人でいる時間も増えていった。
これだけ一緒にいるんだから、嫌われているわけではないようだ。
小野寺くんとは話をするだけ。
特に何もない。
優衣ちゃんとは、学校が違っても休日にデートしているようだ。
彼と話していると、自然に優衣ちゃんの話になることがある。
彼らは離れても付き合いは続いている。
友達とはいえ、私は小野寺くんのことが好きだ。
だから、優衣ちゃんに対して後ろめたい気持ちで、友達を裏切っているようで、そんな自分が嫌だった。
それでも、彼と二人で話す時間を手放したくはなかった。
年が明けた頃、同じ中学出身の子から優衣ちゃんの噂を聞いた。
どうも優衣ちゃんは、他校の男の子と毎日のように一緒に下校しているらしい。
それもいつも同じ人だという。
「他校って、小野寺くんじゃないの?」
そう確認した私に、
「それじゃ、噂にはならないでしょ。
二人は付き合ってるんだから。」と友達が答える。
うん、確かにそうだね。
優衣ちゃんも小野寺くんという彼がいるのに、なぜ誰に見られてもおかしくない電車で、他の男の子と一緒に帰ってるの?
そんなことしたら、噂になることわかってるだろう。
あっ、他校でまで噂になるとは思わなかったのかな。
優衣ちゃんと違う学校へ通う私たちの間で噂が広がっている。
うちの学校に小野寺くんがいるから、噂になったんだろうか。
私の耳に噂が入るということは、小野寺くんも知っているのかな。
心臓がバクバクと音を立てている。
彼に確認したいと、思ってしまった。
どう聞いたらいいだろう。
彼と二人で話している時に、
「小野寺くん、優衣ちゃんの話、何か聞いてる?」おそるおそる聞いてみた。
明らかに不機嫌な顔になった彼。
その顔を見て、彼は噂を知ってるんだと感じた。
彼は私の問いに答えることはなく、サッサと帰ってしまった。
そんな問いかけをした私に怒ってしまったのだろう。
数日後、小野寺くんは怒っているような強い声で、私に報告してきた。
「優衣ちゃんとは別れたから。
彼女、僕とはっきり別れていないのに、別の人と付き合い出してた。」
噂の一緒に下校している他校の彼とも付き合ってたのか。
私が小野寺くんへ噂を伝えたわけではない。
それでも彼に対して、申し訳ない気持ちになった。
私が彼に何も問いかけなければ、小野寺くんが優衣ちゃんへ確認することもなく、二人の関係は何も変わらなかったんじゃないかと思ってしまう。
それだと、小野寺くんはそのまま二股かけられるもしくは、自然消滅していたわけで…
優衣ちゃんに確認し、結論を出したのは、彼の判断だ。
私は何も悪くないと自分に言い聞かせる。
優衣ちゃんは、その後も変わることなく、新しい彼と一緒に下校しているらしい。
違う学校の彼だから、どこかで待ち合わせているということだ。
その彼とうまくいっているんだろう。
小野寺くんが優衣ちゃんと、はっきり別れたのなら、私は自分の気持ちを伝えてもいいはずだ。
友達の彼だから、気持ちを押さえようとしていたけれど、中学卒業後、優衣ちゃんとは疎遠になっていた。
彼の気持ちが落ち着いたら、告白を考えよう。
その後、彼の気持ちも落ち着いてきたのか、また以前のように私と二人で話すことが増えた。
正門前にある桜の木がちょうど見頃をむかえて、キレイだ。
集合時間の前に、桜の近くで写真を撮る。
一緒の中学から同じ高校へ進学したのは十五人くらいだろうか。
誰かと同じクラスであるように祈る。
できたら、女の子か小野寺くんであって欲しい。
式が始まる前に、クラスのメンバーが貼り出された紙を確認する。
私は三組だ。
知り合いの女の子はいないみたい。
小野寺くんは、どうだろう。
あっ、三組に小野寺くん、発見!
神様、ありがとう。
女の子の知り合いは誰も同じクラスにはいなかった。
でも、彼がいたことを私は本当に感謝した。
本当に嬉しかった。
無事に入学式が終わると、今度は部活はどうするかという話になった。
私は中学卒業と同じ頃に、ピアノをやめた。
自宅へ来てくれていた高瀬先生に、「もう高校生だから、少々遠くても教室へ通えるでしょう。」と、自宅でのレッスンから、教室でのレッスンへ変更する話があがった為だ。
また高校への通学に時間がかかる。
ピアノの練習時間を確保する自信もなかった。
高校は吹奏楽部ではなく、私が通っていた中学にはなかったテニス部か弓道部に入りたいと考えていた。
「小野寺くんは吹奏楽部に入るの?」
「僕は弓道部にしようと思ってる。」
「えっ、弓道部?私もいいなと思ってた。」
「弓道はやめたほうがいいと思うよ。」
そう言った彼。
どうして?
私は小野寺くんを真似たわけじゃなく、最初から気になってたんだよ?
私とは同じ部活に入りたくないんだ。
そう思った私は、弓道部を見学することもなく、テニス部に入った。
テニスは、入部当初から経験者と未経験者で、かなり実力差がひらいていた。
私の学年はほとんどが経験者だった。
頑張ったつもりでもセンスがないのか、この実力差は追いつけそうにない。
私はそう思ってしまった。
だんだんテニスをすることが楽しくなくなり、部活へ行かなくなった。
小野寺くんは弓道部に入った。
弓道を楽しんでいるようだ。
教室へいる時には、もちろん女友達と過ごすこともあるが、小野寺くんと二人でいる時間も増えていった。
これだけ一緒にいるんだから、嫌われているわけではないようだ。
小野寺くんとは話をするだけ。
特に何もない。
優衣ちゃんとは、学校が違っても休日にデートしているようだ。
彼と話していると、自然に優衣ちゃんの話になることがある。
彼らは離れても付き合いは続いている。
友達とはいえ、私は小野寺くんのことが好きだ。
だから、優衣ちゃんに対して後ろめたい気持ちで、友達を裏切っているようで、そんな自分が嫌だった。
それでも、彼と二人で話す時間を手放したくはなかった。
年が明けた頃、同じ中学出身の子から優衣ちゃんの噂を聞いた。
どうも優衣ちゃんは、他校の男の子と毎日のように一緒に下校しているらしい。
それもいつも同じ人だという。
「他校って、小野寺くんじゃないの?」
そう確認した私に、
「それじゃ、噂にはならないでしょ。
二人は付き合ってるんだから。」と友達が答える。
うん、確かにそうだね。
優衣ちゃんも小野寺くんという彼がいるのに、なぜ誰に見られてもおかしくない電車で、他の男の子と一緒に帰ってるの?
そんなことしたら、噂になることわかってるだろう。
あっ、他校でまで噂になるとは思わなかったのかな。
優衣ちゃんと違う学校へ通う私たちの間で噂が広がっている。
うちの学校に小野寺くんがいるから、噂になったんだろうか。
私の耳に噂が入るということは、小野寺くんも知っているのかな。
心臓がバクバクと音を立てている。
彼に確認したいと、思ってしまった。
どう聞いたらいいだろう。
彼と二人で話している時に、
「小野寺くん、優衣ちゃんの話、何か聞いてる?」おそるおそる聞いてみた。
明らかに不機嫌な顔になった彼。
その顔を見て、彼は噂を知ってるんだと感じた。
彼は私の問いに答えることはなく、サッサと帰ってしまった。
そんな問いかけをした私に怒ってしまったのだろう。
数日後、小野寺くんは怒っているような強い声で、私に報告してきた。
「優衣ちゃんとは別れたから。
彼女、僕とはっきり別れていないのに、別の人と付き合い出してた。」
噂の一緒に下校している他校の彼とも付き合ってたのか。
私が小野寺くんへ噂を伝えたわけではない。
それでも彼に対して、申し訳ない気持ちになった。
私が彼に何も問いかけなければ、小野寺くんが優衣ちゃんへ確認することもなく、二人の関係は何も変わらなかったんじゃないかと思ってしまう。
それだと、小野寺くんはそのまま二股かけられるもしくは、自然消滅していたわけで…
優衣ちゃんに確認し、結論を出したのは、彼の判断だ。
私は何も悪くないと自分に言い聞かせる。
優衣ちゃんは、その後も変わることなく、新しい彼と一緒に下校しているらしい。
違う学校の彼だから、どこかで待ち合わせているということだ。
その彼とうまくいっているんだろう。
小野寺くんが優衣ちゃんと、はっきり別れたのなら、私は自分の気持ちを伝えてもいいはずだ。
友達の彼だから、気持ちを押さえようとしていたけれど、中学卒業後、優衣ちゃんとは疎遠になっていた。
彼の気持ちが落ち着いたら、告白を考えよう。
その後、彼の気持ちも落ち着いてきたのか、また以前のように私と二人で話すことが増えた。
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