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番外編4 僕も会社員に
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僕は東京で、会社員となった。
仕事は慣れないことばかり。
うまく行かず、頭を下げる機会も多かった。
ずーんと気持ちは沈む。
愛実とは遠距離恋愛だ。
働きだしたばかりの僕には、いろいろと余裕がない。
僕が東京へ引っ越すタイミングで、愛実も彼女が勤める会社近くで一人暮らしを始めた。
彼女も大変だろうが、すぐに東京へ会いに来てくれた。
嬉しかった。
彼女の笑顔、温かい言葉に癒された。
それでも長くは居られない。
彼女が帰ってしまうと、また会えない日々が続く。
話を聞いて欲しくて、電話しようか迷う。
彼女には僕を頼って欲しい。
彼女の前では頼りがいのある男でいたい。
彼女のほうが先に社会人となった。
今、僕が弱音を言ってしまったら……
がっかりされるのでは?
呆れられてしまうのでは?
不安がよぎる。
そう思うと、愛実へ連絡しても弱音をはくことができなかった。
どんどん鬱憤はたまる。
すると、どこかで吐き出したくなる。
そんな時、職場の飲み会で29歳女の先輩 清水さん(しみず)に声をかけられた。
「大丈夫? 三浦くんはよく頑張ってるね。
何かあれば力になるよ。」
先輩は落ち込んでいる、弱っている後輩を励まそうとしただけ。
深い意味はない。
それはわかってる。
至らない僕だけど、職場の先輩に、ちょっとだけ認められた気がして……
僕の頑張りが報われた気がして……
素直に嬉しかった。
その飲み会がきっかけで、清水さんがよく話しかけてくれるようになった。
いつしか二人で会い、相談にもらい、甘えるようになった。
給料が入り、僕も愛実に会いに行った。
会うと、ずっと一緒にいたいし、彼女を大切にしたいと思う。
愛実の部屋で、初めて彼女の手料理をご馳走になった。
彼女は家事が苦手。
ガランとした棚には、料理本が二冊並んでいた。
キャベツの千切りは太く、まるで棒切り。
肉じゃがの味付けはバッチリだが、じゃがいもに味がしみていない。
味噌汁はう~ん、僕には薄い。
それでも僕のために一生懸命作ってくれたのだと思うと、嬉しくて、心がポカボカした。
仕事に慣れてくると、車を運転したくなった。
この辺りに不馴れな僕は、清水先輩を頼った。
彼女のすすめで車を買い、彼女と一緒にドライブへ出かけた。
車を出してくれてるからと、彼女は食事をおごってくれる。
もちろん最初は遠慮した。
それでも何度か出してもらううちに、彼女と出かける時は、いつも彼女持ちになった。
ガソリン代まで出してくれた。
買い物に付き合うと、洋服や靴を買ってくれるようになった。
清水さんは先輩とはいえ、会社員。
どこにそんな余裕があるのか……
彼女は良いところのお嬢様だった。
僕の気を引こうと、あれこれ買ってくれたようだ。
僕は付き合っているつもりはないが、彼女はそうでないのだろう。
結婚を仄めかすようになってきた。
清水さん。
頼りになるし、尊敬している。
キレイな人だと思う。
会うと、相談にのってくれ、プレゼントをくれる。
愛実が僕の部屋に来ている貴重な時間。
僕がタバコを吸いに外へ出たタイミングで、清水さんからの着信があったらしい。
それに気づいた愛実が、携帯に残されたやりとりを見てしまった。
あー、なぜタバコを吸いに出てしまったんだ。愛実がタバコのにおいを嫌がるからと、外に出なきゃよかった。
データを消去してればよかった。
証拠を押さえられている。
今さら悪あがきをしても無駄だろう。
清水さんとの関係を認めた上で、必死に別れたくないと伝える。
「愛実とは別れたくない。彼女とはもう会わない。」
「ごめん……愛実に会えず、寂しかったんだ。」
愛実と別れるなんて、もう会えないなんて、嫌だ。
考えただけで、目尻に涙が滲む。
今回は何とか許してもらえたようだ。
愛実を失ってしまうのではと、あんな辛いをしたのに、仕事の愚痴がたまると、ストレスがたまると、清水さんに甘えたくなる。
それに、職場で顔を合わせるのだ。
なかなか切ることはできない。
時間が経つと、僕はまたーー
うまく隠したつもりだった。
それでも愛実にはバレてしまい、彼女から別れを告げられてしまった。
僕は愛実と別れるなんて嫌だったし、涙を流しながら引きとめた。
何とか許してもらおうと、懸命に謝った。
それでも、もう彼女が僕を振り返ることはなかった。
僕は落ち着かなくなり、仕事に没頭した。
そして、少しずつであるが、清水さんと距離を置いていった。
何度か愛実の携帯に連絡したが、返信はない。
着信拒否されていないだけマシか。
あまりかけるのも迷惑だろうし、返信を期待しても全く音沙汰がないことに凹むのも嫌で、たんだんとかける間隔はあいていった。
そんな時に、ふとかけた電話から、愛実の声が聞こえた。
懐かしい彼女の声。
「愛実、ごめん。彼女とはしっかりと別れてきた。一年待っててくれないか。転職してそっちへ戻るから。」
僕は、ずっと彼女に伝えたかった気持ちを一方的に伝えた。
***
僕は地元へ戻れるように、転職先を探した。
こっそりと中途採用の試験を受け、半年後には、無事に転職先が決まっていた。
転職が決まると、彼女に一刻も早く伝えたくて……すぐに愛実の家まで会いに行った。
「転職して、三月にこっちへ戻る。」
彼女は複雑そうな何とも言えない顔をした。
「おめでとう。よかったね。」
言葉は祝ってくれてるのに。
手放しで喜んでいるわけではなさそうだ。
それでもお人好しな彼女は、自分の傍にいたいと、転職までして戻る僕を無下にはできない。
もうこれは、押して、押して、押しまくるしかない。
僕は時間を作っては、せっせと彼女に会いに行き、気持ちを伝えた。
結局、彼女は僕の押しに負けた。
僕は、地元の大手企業へ転職した。
収入は以前より下がったが、物価の安い地方であれば、全く問題ない。
遠くへの転勤もない。
ずっと愛実の近くにいられる。
新しい職場にも慣れてきた。
職場の仲間でバーベキューすることになり、彼女との約束を口実に断りを入れると、彼女を連れてくるよう言われた。
先輩に言われると、断りづらい。
仕方がない。
彼女との結婚を考えているし、今のうちに紹介しておくか。
愛実を連れていくと、彼女はすぐに打ち解けたようで、楽しそうに過ごしていた。
それから何度かこのメンバーで遊びに出かけた。
***
僕が転職して一年。
僕たちは28歳になっていた。
彼女に結婚願望がないのは知っていたが、さすがにこのままだと、いつか愛想をつかされるんじゃないか。
それが考え、彼女の部屋で寛いでいる時、プロポーズした。
「愛実、結婚してください。」
「家事が苦手な私でもいいの?」
そう返ってきた。
これは、了承してもらえそうだ。
一気にたたみかける。
「うん、家事は分担するし、目玉焼きと味噌汁が作れるのなら大丈夫。仕事はできれば続けて欲しい。」
僕は君さえいればいい。
僕の言葉に、彼女は笑顔で頷いてくれた。
よっしゃー!!
互いの両親にもすんなりと認められ、ドンドン結婚準備が進んでいった。
仕事は慣れないことばかり。
うまく行かず、頭を下げる機会も多かった。
ずーんと気持ちは沈む。
愛実とは遠距離恋愛だ。
働きだしたばかりの僕には、いろいろと余裕がない。
僕が東京へ引っ越すタイミングで、愛実も彼女が勤める会社近くで一人暮らしを始めた。
彼女も大変だろうが、すぐに東京へ会いに来てくれた。
嬉しかった。
彼女の笑顔、温かい言葉に癒された。
それでも長くは居られない。
彼女が帰ってしまうと、また会えない日々が続く。
話を聞いて欲しくて、電話しようか迷う。
彼女には僕を頼って欲しい。
彼女の前では頼りがいのある男でいたい。
彼女のほうが先に社会人となった。
今、僕が弱音を言ってしまったら……
がっかりされるのでは?
呆れられてしまうのでは?
不安がよぎる。
そう思うと、愛実へ連絡しても弱音をはくことができなかった。
どんどん鬱憤はたまる。
すると、どこかで吐き出したくなる。
そんな時、職場の飲み会で29歳女の先輩 清水さん(しみず)に声をかけられた。
「大丈夫? 三浦くんはよく頑張ってるね。
何かあれば力になるよ。」
先輩は落ち込んでいる、弱っている後輩を励まそうとしただけ。
深い意味はない。
それはわかってる。
至らない僕だけど、職場の先輩に、ちょっとだけ認められた気がして……
僕の頑張りが報われた気がして……
素直に嬉しかった。
その飲み会がきっかけで、清水さんがよく話しかけてくれるようになった。
いつしか二人で会い、相談にもらい、甘えるようになった。
給料が入り、僕も愛実に会いに行った。
会うと、ずっと一緒にいたいし、彼女を大切にしたいと思う。
愛実の部屋で、初めて彼女の手料理をご馳走になった。
彼女は家事が苦手。
ガランとした棚には、料理本が二冊並んでいた。
キャベツの千切りは太く、まるで棒切り。
肉じゃがの味付けはバッチリだが、じゃがいもに味がしみていない。
味噌汁はう~ん、僕には薄い。
それでも僕のために一生懸命作ってくれたのだと思うと、嬉しくて、心がポカボカした。
仕事に慣れてくると、車を運転したくなった。
この辺りに不馴れな僕は、清水先輩を頼った。
彼女のすすめで車を買い、彼女と一緒にドライブへ出かけた。
車を出してくれてるからと、彼女は食事をおごってくれる。
もちろん最初は遠慮した。
それでも何度か出してもらううちに、彼女と出かける時は、いつも彼女持ちになった。
ガソリン代まで出してくれた。
買い物に付き合うと、洋服や靴を買ってくれるようになった。
清水さんは先輩とはいえ、会社員。
どこにそんな余裕があるのか……
彼女は良いところのお嬢様だった。
僕の気を引こうと、あれこれ買ってくれたようだ。
僕は付き合っているつもりはないが、彼女はそうでないのだろう。
結婚を仄めかすようになってきた。
清水さん。
頼りになるし、尊敬している。
キレイな人だと思う。
会うと、相談にのってくれ、プレゼントをくれる。
愛実が僕の部屋に来ている貴重な時間。
僕がタバコを吸いに外へ出たタイミングで、清水さんからの着信があったらしい。
それに気づいた愛実が、携帯に残されたやりとりを見てしまった。
あー、なぜタバコを吸いに出てしまったんだ。愛実がタバコのにおいを嫌がるからと、外に出なきゃよかった。
データを消去してればよかった。
証拠を押さえられている。
今さら悪あがきをしても無駄だろう。
清水さんとの関係を認めた上で、必死に別れたくないと伝える。
「愛実とは別れたくない。彼女とはもう会わない。」
「ごめん……愛実に会えず、寂しかったんだ。」
愛実と別れるなんて、もう会えないなんて、嫌だ。
考えただけで、目尻に涙が滲む。
今回は何とか許してもらえたようだ。
愛実を失ってしまうのではと、あんな辛いをしたのに、仕事の愚痴がたまると、ストレスがたまると、清水さんに甘えたくなる。
それに、職場で顔を合わせるのだ。
なかなか切ることはできない。
時間が経つと、僕はまたーー
うまく隠したつもりだった。
それでも愛実にはバレてしまい、彼女から別れを告げられてしまった。
僕は愛実と別れるなんて嫌だったし、涙を流しながら引きとめた。
何とか許してもらおうと、懸命に謝った。
それでも、もう彼女が僕を振り返ることはなかった。
僕は落ち着かなくなり、仕事に没頭した。
そして、少しずつであるが、清水さんと距離を置いていった。
何度か愛実の携帯に連絡したが、返信はない。
着信拒否されていないだけマシか。
あまりかけるのも迷惑だろうし、返信を期待しても全く音沙汰がないことに凹むのも嫌で、たんだんとかける間隔はあいていった。
そんな時に、ふとかけた電話から、愛実の声が聞こえた。
懐かしい彼女の声。
「愛実、ごめん。彼女とはしっかりと別れてきた。一年待っててくれないか。転職してそっちへ戻るから。」
僕は、ずっと彼女に伝えたかった気持ちを一方的に伝えた。
***
僕は地元へ戻れるように、転職先を探した。
こっそりと中途採用の試験を受け、半年後には、無事に転職先が決まっていた。
転職が決まると、彼女に一刻も早く伝えたくて……すぐに愛実の家まで会いに行った。
「転職して、三月にこっちへ戻る。」
彼女は複雑そうな何とも言えない顔をした。
「おめでとう。よかったね。」
言葉は祝ってくれてるのに。
手放しで喜んでいるわけではなさそうだ。
それでもお人好しな彼女は、自分の傍にいたいと、転職までして戻る僕を無下にはできない。
もうこれは、押して、押して、押しまくるしかない。
僕は時間を作っては、せっせと彼女に会いに行き、気持ちを伝えた。
結局、彼女は僕の押しに負けた。
僕は、地元の大手企業へ転職した。
収入は以前より下がったが、物価の安い地方であれば、全く問題ない。
遠くへの転勤もない。
ずっと愛実の近くにいられる。
新しい職場にも慣れてきた。
職場の仲間でバーベキューすることになり、彼女との約束を口実に断りを入れると、彼女を連れてくるよう言われた。
先輩に言われると、断りづらい。
仕方がない。
彼女との結婚を考えているし、今のうちに紹介しておくか。
愛実を連れていくと、彼女はすぐに打ち解けたようで、楽しそうに過ごしていた。
それから何度かこのメンバーで遊びに出かけた。
***
僕が転職して一年。
僕たちは28歳になっていた。
彼女に結婚願望がないのは知っていたが、さすがにこのままだと、いつか愛想をつかされるんじゃないか。
それが考え、彼女の部屋で寛いでいる時、プロポーズした。
「愛実、結婚してください。」
「家事が苦手な私でもいいの?」
そう返ってきた。
これは、了承してもらえそうだ。
一気にたたみかける。
「うん、家事は分担するし、目玉焼きと味噌汁が作れるのなら大丈夫。仕事はできれば続けて欲しい。」
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僕の言葉に、彼女は笑顔で頷いてくれた。
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