【完結】落ちぶれてやるものか!伯爵令嬢、銭湯始めます。

青井 海

文字の大きさ
16 / 18

第16話 襲撃

しおりを挟む
リーゼは、充実した日々を過ごした。
レオンもだいぶ話してくれるようになったし、貴重な笑顔も見せてくれた。

クリード滞在の最終日。
私は、レオンに気持ちを伝えた。 
私が彼に会いに来たこと、彼は気づいているだろう。
それをしっかりと言葉にしたのだ。
「レオン、私はあなたのことが大好きです。」

「リーゼ、俺も君が好きだ。」
彼はリーゼの気持ちを受け止め、ギュッと強く抱き締めてくれた。
力強い彼、抱き締められて、少し苦しい。
ドキドキと心臓の高鳴る音が聞こえる。
私の心臓の音なのか、彼の心臓の音なのか。
嬉しくて、でも恥ずかしくて…
リーゼはおそるおそるレオンの背中に腕をまわした。

早速、私たちを見守ってくれていたシャロン様へ報告に行くと、驚くべきことが。
なんとレオンは、シャロン様の息子で、シャロン様は私たちのことを涙を流しながら喜んでくれた。

翌日、私たち一行は、馬車に乗り、クリードを出た。
ガラガラと進む馬車が突然止まる。
馬が騒ぐ。 
「お嬢様、絶対に馬車から出ないでください!」と言い残し、ランスが走っていく。
マーサが私の手を握ってくれる。

剣のぶつかる音が聞こえる。
しばらくして、「お嬢様、もう大丈夫です。ご安心ください。」
護衛の声が聞こえた。
でも、それはランスの声じゃない。

堪らず馬車を出て、ランスを探す。
ランスは別の護衛に支えられていた。
慌てて駆け寄る。
「ランス、ランス、しっかりして。」
すると、ランスの小さな声が聞こえた。
「いずみ、やっと…」
彼は意識を失った。

他にも、負傷者が出ている。
騒ぎを聞き付けたレオンたちが、駆けつけてくれた。
負傷者の応急処置や事件の処理をしてくれている。

クリードから近い場所で助かった。
逃げた襲撃者がいては危ないと、一旦 クリードへ戻る。

ランスの声が頭から離れない。
彼は、いずみと言った。
こちらの名前では聞いたことがない。

頭がグルグル回る。

次の日、ランスが目を覚ましたと連絡が来た。
よかった。
無事、医師の許可が出て、お見舞いに向かう。

ランスに、前世での私の名前を呼んだことを問い詰めるも、覚えていないとはぐらかされる。
何度も問い詰めると、彼は諦めたようで…

「いずみは、昔から一度言い出したら聞かなかったな。九条 匡(くじょう たすく)覚えてる?それ、俺だから。」

「レオン様は、いい方だ。今度こそ幸せになれよ。」
ランスは長く話して疲れたのか、その言葉を最後に眠ってしまった。
















    
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」 公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。 死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」 目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。 「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」 隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。 そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……? 「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」 資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。

嫌われ公女に転生したけど、愛されたい願望を捨てたら全員がデレてきた

桃瀬さら
恋愛
嫌われ公女ナディアは、婚約破棄され学園で孤立し、家族からも見放されていた。 どれほど努力しようが周囲からは「嫌われ公女」と蔑まれ、誰も味方なんていない。 「もういい。愛されたいなんて、くだらない」 そう心に誓った瞬間から、状況が一変した。 第二王子が婚約破棄を撤回し跪き、寡黙な騎士団長が「君を守りたい」と熱く迫ってくる。 そして、冷ややかな兄まで「婚約など認めない。家を出ることは許さない」と……。 愛されることを諦めた途端、なぜか執着される。

元社畜悪役令嬢、辺境のボロ城を全自動ボタニカル美容スパに大改造して引きこもる ~前世コスメで冷徹公爵を完治させたら溺愛されました~

季未
恋愛
「貴様のような悪逆非道な女は、極寒の辺境へ追放だ!」 建国記念の夜会で王太子から婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢シャルロッテ。 しかし、彼女の中身は前世でブラック企業に殺された過労で過労死したマーケターだった! (激務の王妃ルート回避!? しかも辺境は誰にも邪魔されないブルーオーシャン! 最高のフリーランス生活の始まりじゃない!) 理不尽な追放を究極のホワイト・スローライフへのパスポートだと歓喜した彼女は、あてがわれた辺境のボロ城を、前世の「DIY・スマートホーム知識」と「土・水魔法」を駆使して爆速で大改造! 隙間風の吹く部屋は、一瞬で「床暖房完備の全自動温水スパ」へ。 辺境に自生する雑草からは「極上ボタニカルコスメ」を開発し、自らも絶世の美女へと変貌していく。 さらに「お前には干渉しない」と白い結婚を突きつけてきたはずの、呪いで顔に火傷を負った氷の公爵に特製マッサージと美肌治療を施したところ……。 「お前が作ったこの空間と、お前自身が……俺のすべてだ」 冷徹だったはずの公爵様が、極上の癒やし空間と彼女の手技で完全に骨抜きにされ、異常なまでの過保護・溺愛モードに突入!? 現代マーケティングと美容チートで辺境を超高級スマート・リゾートへと再生させ、かつて自分を追放した王太子たちを大後悔させる! 爽快&極甘な、異世界リゾート経営×溺愛ファンタジー、堂々開幕!

『婚約破棄はお好きにどうぞ。――真実の愛に酔った王太子の末路と、私は隣国で王妃になります』

鷹 綾
恋愛
「真実の愛に目覚めた」――そう仰るのなら、どうぞご自由に。 公爵令嬢アーデルハイトは、王太子から突然の婚約破棄を迫られる。 理由はただ一つ。若き未亡人伯爵夫人との“運命の恋”。 爵位を継がせ、領地を与え、守ると誓う王太子。 甘い言葉と涙の芝居に酔いしれる二人。 社交界はざわめき、噂は炎のように広がっていく――。 だがアーデルハイトは動じない。 「ロマンスは小説だけで充分ですわ」 婚約破棄は受け入れる。 ただし、契約通りの違約金はきっちりいただく。 そして彼女は、その莫大な違約金を元手に隣国ヴァルディア王と婚約。 感情ではなく理で動き、交易を再編し、国と国を繋ぐ“橋”となる。 一方、真実の愛に酔った王太子は、 世間から「遺産目当て」「操られている」と叩かれ、政治的窮地へ――。 これは、激情に溺れた恋の末路と、 冷静に未来を選び取った公爵令嬢が王妃へと至る物語。 三流ロマンスの終幕後、 最後に立っているのは誰なのか。 ざまぁは静かに、しかし確実に訪れる。

処理中です...