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2 4回目
11 お迎え
しおりを挟む初めてだらけの住み込みの仕事は、3年が立とうとしていた。
「ねぇ、もう3年になるわね。」
「そうね…。」
カフェのテラス席二人で向かい合い、親指と人差し指で摘まんだ、フォークをぷらぷらさせながら、道行く人々を眺めた。
「やっと、一通り出来るようになったわ。」
「私もよ。同じ頃に入った子より、任せてもらえる仕事は多いわ。」
「そう!なんせ、事務仕事ができるから!」
二人で、笑った 。
「ねぇ、生地屋の彼とはどうなの?」
「あぁ、何度か出掛けて終わり。」
「そっかぁ。」
「職場の先輩は?」
「あぁ、この間…小麦を納品してくれる子と、出掛けたわ。」
二人で、見つめあった。
「なんですって!初耳だわ!先輩は?」
「先輩は、他の子にちょっかい出してるわ。」
「あぁ、で…穀物屋。」
「ご飯食べさせてくれるって…。」
「ほぉ!」
「でも、話がね…。」
ため息をついて出た言葉は…。
「「合わないのよねぇ。」」
「「そう!それ!」」
持っていたフォークを、相手に向けてぷらぷらしあった。
「うちの人…今頃何してるにかしら…。」
「本当に…。一度も会いに来ないなんて…。」
また二人で、道行く人達を眺めた。
「迎えに来てくれるかしら…。」
「来るわよ!多分……きっと…。」
ふたりで、大きなため息をついた。
やっぱり来ないんじゃない?!って、心の片隅で思った。
「「ほっんと、何してんだか!」」
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