錆びた街の落書き

宮滝吾朗

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第二部 漂流編

第25話 記憶の海・深層

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穴の光が消えてからもしばらく、広場の空気は落ち着かなかった。
揺れているわけではないのに、どこかで何かがずれている。薄い板を何枚も重ねたものの、そのうち一枚だけが斜めに滑り落ちていくような、そんな違和感。

アキトはしばらく穴の縁を見下ろしていた。
光は消えた。
だが、暗闇にもなっていない。
見えているのはただの黒ではなく、“深さそのもの”のような質だった。

脇腹の痛みは鈍く、広場の冷たさがそこへゆっくり染み込んでくる。
塔の傷口とは種類の違う痛み。
もっと奥、骨の内側をなぞられているような感覚。

「……兄ちゃん」
タケルが袖を握っていた。さっきからずっと。
握る力は強くない。それでも、離した途端、広場の中心に滑り落ちていきそうな不安があった。

「ここから離れよう」
アキトはそう言い、穴から視線を剥がした。
リタが二人の横に並ぶ。赤い拍が彼女の胸の奥で静かに灯り、広場の灰を淡く照らした。

広場の出口は三つあった。
来た方角。
祈り機の列が途切れた細い通路。
もうひとつ、崩れた建物の隙間を縫うように伸びた路地。

どれも同じように沈黙している。
だが、足元の石の傾きが教えてくれる。
崩れた建物の隙間へ続く路地だけが、わずかに“下り”だった。

深層。

それがどこへ繋がるのか、誰も知らない。
だが、知っていることがひとつある。
この広場で立ち止まり続けるよりは、まだましだということ。

三人は崩れた建物の間を抜け、路地へ入った。

足を踏み出した瞬間、空気の質が変わった。
鉄と油と灰の匂いは薄れ、代わりに湿り気のない冷たさがまとわりつく。
地下の空洞に立ったときのような、音の反響だけがゆっくり戻ってくる空気。

壁は高く、窓は塞がれている。
だが広場で見た焼け跡の焦げた黒とは違い、この壁には“濡れたような光沢”があった。
水ではない。
油でもない。
指先で触れると、触れた部分だけが一瞬、薄く白くなる。

「……何か剥がれた?」
タケルが壁を撫でた指を見つめる。
粉がついたわけでもないのに、指先が冷たい。

アキトも壁に触れてみた。
滑らかな石のはずなのに、指の腹が、ごく薄い膜を押し破る感覚を拾う。
塔の夢層で、透明な管に触れたときの冷たさに似ていた。
記憶が液体になったものに、手を浸したような感覚。

リタが胸に手を当て、赤い拍を少しだけ強める。
その光が壁に触れた瞬間、壁の内部にわずかな震えが走った。
目には見えないが、石の奥に埋め込まれた何かが、拍に共鳴したような反応。

「……ここ、全部が“記録”みたいだな」
アキトは独り言のように言った。
タケルが小さくうなずく。
「でも、もう読めない。擦り切れて、ぐちゃぐちゃになってる」
「それでいい。全部読めたら、きっと壊れる」

路地はゆるく下っていた。
足首で感じる程度の傾斜。
だが十歩、二十歩と進むうちに、内臓が少しずつ下へ引かれるような不快感が積もっていく。

「戻ってる感じはしない?」
タケルがぽつりと言う。
「同じ壁ばっかり見せられてる気がするけど」
「戻ってるんじゃない。道の方が書き換えられてる」
アキトはそう答えた。
「俺たちが進むたびに、周りが“更新”されてる」

タケルは黙った。
否定もしない。
代わりに、自分の足音を数えるように歩き続けた。

十数歩進んだところで、音がした。

ぱたん。

軽い板が倒れる音。
風もなく、誰もいない路地で、その音だけがはっきり響いた。

三人は同時に振り返った。
さっきまで何もなかった床に、白い紙片が一枚だけ落ちていた。

タケルが手を伸ばそうとするのを、アキトが止める。
代わりに、自分の指で慎重に拾い上げた。

写真だった。

焼け焦げてはいないのに、全体が薄い灰色をかぶったように色あせている。
中央に二人の影が映っていた。
影、と言うしかない。
輪郭はあるのに、顔がない。
光が当たらなかったのではない。
“顔という情報だけが抜け落ちている”。

「……誰か、だよな」
タケルが写真を覗き込む。
「誰か、だったもの」
アキトはそう言い直した。

写真の裏面を見る。
24話で見た、あの焦げた紙片のような文字はない。
何も書かれていない。
ただ、紙が冷たい。
風化都市の空気の温度より、たしかに一段階低い。

リタが写真に指をそっと触れる。
赤い拍が紙の上を通過した瞬間、写真の中の二つの影が、ほんのわずかに濃くなった気がした。
錯覚かもしれない。
だが、三人とも同じ瞬間に息を止めていた。

壁が震えた。
目で見て分かるほどではない。
だが、足裏と背中で拾える程度の、細かい震動。
遠くで誰かが、大量の紙を一斉にめくったような微かなざわめき。

「行こう」
アキトは写真を胸ポケットにしまった。
「ここで立ち止まると、何かに混ざる」

路地はやがて開け、小さな広場へとつながった。

四方を囲む建物は低く、屋根はほとんど崩れ落ちている。
灰の層は浅いが、ところどころに黒く焼けた木材の破片が突き出していた。
かつて市場だったのか、広場の端にはひしゃげた屋台らしき鉄骨が残っている。

その中央に、祈り機が一体だけ立っていた。

全身にひびが入り、胸の装甲は大きく裂けていた。
だが倒れてはいない。
祈りの姿勢でもない。
ただ、立っている。
三人の方を向いて。

裂け目の奥で、歯車がゆっくり逆回転している。
ぎ……ぎ……ぎ……
その音が広場の沈黙に小さく爪を立てる。

タケルが一歩前に出かけた。
アキトは肩をつかんで止めた。
「やめろ」
「見てるだけだよ」
「見てるだけで十分だ」

リタが祈り機の前に出る。
赤い拍を小さくまとめ、胸の前で両手を重ねる。
その拍が祈り機の裂け目へ向かって、一度だけ強く灯った。

祈り機が震えた。
内部の歯車の逆回転が跳ねる。
次の瞬間、首ががくりと落ちた。

倒れない。
ただ沈黙した。

巻き戻しが止まったのか、あるいは限界まで戻りきったのか。
どちらにしても、その祈り機からはもう何の音も出ていなかった。

「今の……リタが止めた?」
タケルが呟く。
アキトは首を振る。
「違う。向こうから“止まりたがった”ように見えた」

広場の空気が重くなる。
さっきまで広がっていた抜けた空間が、見えない何かでじわじわと満たされていく。

影が動いた。

広場の片隅、倒れた棚の影がひとつ、遅れて立ち上がる。
棚そのものは動いていない。
影だけが、石畳の上からゆっくりはがれ、立ち上がった。

形は曖昧だった。
背丈は人間に近い。
腕らしきものもある。
だが輪郭が一定しない。
照明が動いているかのように、影の縁が続けざまに揺れる。

タケルが小さく息を呑む。
「兄ちゃん……あれ、人?」
「人じゃない」
アキトは即答した。
「人だった“記録”でもない」
「じゃあ何だよ」
「分からない。けど、祈り機と同じ側じゃない」

影には質量がなかった。
床に足が沈んでいるわけでもないのに、浮いているようにも見えない。
ただそこに“濃度”として存在している。

そして、その濃度がはっきりと三人の方へ向いた。

視線。

目はない。
それでも分かる。
路地の跡や倒れた屋台や、崩れた壁などをすべて無視して、ただ三人だけを見ている角度。

胸の内側で、何かがひっくり返る。

……たすけて。

声が落ちてきた。

耳ではなく、骨で聞こえた。
響きではなく、意味だけが直接響いてくる。
祈り機の断片的な音列とはまったく違う。
言葉だった。

タケルが肩を震わせる。
「いま……」
「聞こえた」
アキトの声はかすれていた。

影がもう一度、濃度を変える。

……兄ちゃん?

タケルの膝から力が抜けた。
アキトが咄嗟に支える。
リタが二人に近づき、赤い拍を強く灯した。

「違う」
アキトはタケルの耳元で言った。
「呼んでいるのは、お前じゃない」
「でも……兄ちゃんって……」
「返事するな」

声の主は分からない。
だがタケルの記憶と、どこかで結びつきそうな響きがあった。
記憶の海で見た光の断片。
そこにいた誰かの声。
具体的な顔も名前もないのに、胸の奥だけが強く反応する。

影は怒らなかった。
ただ、その場でじっと“待っている”ように揺れていた。

その間にも、都市が呼吸していた。

すう、と吸う音はない。
だが、空気が薄くなり、肺の中の空気が外へ引き出される。
はあ、と吐く音もない。
だが、濁った重さが戻ってくる。

深層の呼吸。

タケルが胸を押さえ、うまく息ができずに顔をゆがめる。
リタの赤い拍がタケルの胸へ向けて脈を送り、呼吸のリズムを外側から整えていく。
その光は影に触れない。
むしろ、影がわずかに拍を避けるように薄くなる。

「……行くぞ」
アキトは影から視線を外さずに言った。
「ここに立ち止まっている方が危ない」

「どこに?」
タケルの声は震えていた。
「前だ。深層でも、戻るにしても、動いている方がまだましだ」

タケルはしばらく黙っていたが、やがてうなずいた。
足元は震えていたが、歩き出すだけの力は残っていた。

リタが二人の間に立ち、赤い拍を三人の中心に集める。
その拍は、都市の呼吸と少しだけ外れたリズムで鳴り始めた。
完全に同調すると、きっと戻れなくなる。
どこかで、わずかにずれている必要がある。

三人が広場を離れようとした時、影がもう一度揺れた。

……おかえり。

たったそれだけの言葉。
誰に向けられたのかも分からない。
三人の誰に対してでもないようでいて、全員に向けているような響き。

アキトの背筋を冷たいものが走る。
振り向きたくなる衝動を押し殺し、前だけを見る。

タケルも、振り返らなかった。
ただ眉を寄せ、唇を噛みしめた。
リタの赤い拍がそれを支える。

広場を抜けると、再び細い路地に出た。
さっきよりも壁が高い。
空は細い隙間からしか見えない。
そこに浮かぶ雲も、やはり動かない。

路地の先に、建物の入口がぽっかりと口を開けていた。
扉は外れて床に倒れている。
中は暗いが、完全な暗黒ではない。
どこかで割れた窓から薄い光が入っている。

「少し、中で休もう」
アキトが言った。
タケルが意外そうに顔を上げる。
「こんな所で?」
「外の方が深層の呼吸に近い。ここなら、壁が少しは遮ってくれる」

リタもうなずいた。
赤い拍がさっきよりわずかに乱れている。
このまま歩き続ければ、拍が深層に引きずられる可能性があった。

三人は建物の中へ入った。

中は広い部屋だった。
壁際に棚が並び、そのほとんどは倒れている。
床には紙片や、焦げていない布切れ、壊れたカップや小さな金属片が散乱していた。

書庫。
それが一番近い印象だった。

タケルが足元の紙を一枚拾い上げる。
そこには文字のような線が並んでいたが、意味はまったく分からない。
祈りの線刻とも違う。
もっと日常的な、誰かの記録。

「ここで誰か、本を読んでたのかな」
ぽつりとタケルが言う。
「ここで暮らしていたのかもな」
アキトは倒れた椅子を起こし、その背もたれに寄りかかった。
「海に沈む前の街みたいに」
「海って……あの記憶の海?」
「それとも、別のどこかかもしれない」

リタが部屋の奥へ歩いていく。
赤い拍が本棚の残骸に触れるたび、紙片がかすかに震えた。
その震えは言葉にならない。
ただ、「ここにいた」という痕跡だけが、薄い音のように揺れる。

タケルは床に座り込み、膝を抱えた。
「兄ちゃん」
「なんだ」
「……さっきの声、本当に俺じゃないと思う?」
「ああ」
「でも、“兄ちゃん”って呼び方、嫌な感じじゃなかった」
「だから危ないんだ」

アキトは答えながら、自分の胸の奥を探った。
あの声は、タケルだけを呼んでいたわけではない気がした。
もっと抽象的に、“兄”という位置にいる誰かを呼んでいた。
それが結果としてタケルに重なっただけかもしれない。

「もし、あの声に答えたら……どうなるんだろう」
タケルは視線を床に落とした。
「楽になる気がする?」
「少しだけ」
「じゃあ、なおさら駄目だ」

はっきり言い切りながら、アキト自身、心のどこかで同じ誘惑を感じていた。
呼び声に従ってしまえば、考えなくてよくなる。
走る必要も、選ぶ必要もなくなるかもしれない。
ただ、呼ばれた方向へ落ちていくだけで済む。

それが何を意味するのかは、考えるまでもなく分かる。
この都市では、“楽な方”はたいてい、もう帰ってこられない側だからだ。

「兄ちゃんも……怖い?」
タケルが顔を上げた。
リタが棚の影の中から振り向く。赤い拍が、そっとアキトに向いた。

「怖いに決まってる」
アキトは椅子の背もたれに頭をあずけた。
「塔の中だけじゃない。こうして外に出ても、何も終わってない。何が正しいのかも分からない。怖くない方がおかしい」

言葉にした瞬間、少しだけ胸が軽くなった。
タケルも表情をゆるめる。
「そうか。兄ちゃんでも怖いのか」
「お前の兄ちゃんは、人間だ」
「……よかった」

わずかな緩和。
その静けさを、深層が許したのはほんの短い間だけだった。

建物の外で、低い音がした。

さっき広場で感じた呼吸とは違う。
もっと長く、もっと重い。
地面の下を、巨大な輪がゆっくり回っているような音。
記憶の海の底で眠っていた何かが姿勢を変えたときのような、鈍い響き。

床の紙片がわずかに跳ねる。
倒れた棚がきしむ。
窓のない壁の向こうで、空気が一段階深くなった。

「……今の、聞いた?」
タケルが顔を上げる。
「聞いた」
アキトは立ち上がった。
「ここにいても、あれは避けられない」

リタが頷き、入り口の方へ歩く。
赤い拍が、外気に触れた瞬間、形のない冷気が部屋に流れ込んできた。

三人は再び外へ出た。

路地を抜けると、少し広い通りに出た。
左右には倒れたアーチ状の構造物が並び、天井はすっかり崩れ落ちている。
かつて街の中心へ続いていた幹線のように見えた。

遠くの方で、空気が波打った。

目で見える波ではない。
だが、通りの向こうから押し寄せてくる“空気の濃淡”が、はっきりと分かる。

深層の呼吸が、通り全体を使って大きく往復していた。

すう。
はあ。

そのたびに、両脇の建物の影がわずかに長さを変える。
祈り機がところどころに立っている。
どれも沈黙しているはずなのに、呼吸の波が通るたび、仮面の奥で何かがかすかに光った。

タケルが喉を鳴らした。
「兄ちゃん……これ、どこまで続くと思う?」
「分からない」
「記憶の海の底まで?」
「もっと下かもしれない」

リタの赤い拍が、通りの中心に向けて弱く灯った。
拍のリズムは、深層の呼吸とわずかにずれている。
まるで、「まだ同調しない」と言っているようだった。

アキトはタケルの肩に手を置いた。
「行こう」
「うん」
タケルは息を吸い、吐いた。
呼吸はまだ自分のものだった。

通りを一歩踏み出すと、深層の呼吸が三人を包んだ。
空気は重い。
だが、まだ歩ける。
足を前に出すたび、肺の中身が少しずつ入れ替わっていく。

その奥で、影が待っている。
声も、記憶も、祈りも、まだ形を持たないまま。

記憶の海のさらに下。
都市そのものの心臓が、
確かに目を覚まし始めていた。
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