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起きたら異世界でした
しおりを挟む「……あれ?」
見上げると青い空が広がっており、すぐそこで水音が聞こえる。何がなんだか分からなくなって、起き上がると身体が重い。服が水に濡れて重くなっており、自分が湖らしき水の中にいることに気付き唖然とする。
……どういうこと?え?俺、一体……。ここは?
自分の現状を受け止められなくて、必死に考える。水の中で座ったままの状態のため、とりあえず立ち上がる。すると、自分の服に血らしき赤いものがべったりとついているのに気付く。「うわぁ!」と思わず叫び、驚きで足が水に取られてバシャン!と水の中に逆戻りする。
唖然としたまま、自分の身体のあちこちを触るが、痛いところはない。だが、手が震えだして、水の冷たさも相まって身体も震えだす。
……そうだ、俺、車に……。車の光に包まれた時、目の前が一瞬で真っ暗になったことを思い出す。
「もしかして、俺は、死んだのか……」
それを思い出した時、呆然として力が抜け、だらんと腕を下ろす。そのまま、ゆっくりと水に浮くように身体を横たわらせた。じゃあ、ここはいわゆる死の世界なのか?と漠然と考えていると、
「おい、そこで何をしている!」
突然、低い声が聞こえ、馬の蹄の音とともに近くに止まったのが分かった。俺は、鋭い声に反射的に起き上がりそちらを見ると、
「……え」
何故か獣耳を頭につけた騎士らしい服を着た男性が3人。俺は大の大人の男がメルヘンなものをつけていることに唖然として、ポカンと口を開けたまま固まる。
「黒髪、黒目……。おい、まさか……」
何故かその中の一人が驚いたようにそう呟いたのが聞こえた時、大きな犬耳らしきものをつけた人が馬から降りるとザブザブと水の中に入ってきた。俺はどうしたらいいのか分からず、近付いてくるその人をただ見ていた。
「え、え? えぇ!?」
傍まできてしゃがみ込んだその人は、俺に手を伸ばすと膝裏と背中に腕を回して抱き上げた。突然のその人の行動と、浮遊感に驚き思わずその人にしがみつく。俺の混乱はそのままに、その人は俺を抱き上げたまま戻ると、ヒョイッと馬に跨る。
……え?
そしてそのまま出発してしまった。何も言われないまま、何処かに連れて行かれそうになっているこの状況に、しばらく走り始めてからハッとする。
……これ、もしかしたら捕まえられたのか?
そう思った時、血の気が引いて嫌な想像が頭の中で駆け巡る。このまま牢屋行き?もしかしてさっきの場所は禁止区域だったとか?考え出すとここが死後の世界なのか、夢なのかも分からないが、実際こうして何処かに連れて行かれそうになっている現実に恐怖が襲ってくる。未知過ぎる展開に、どんどんと恐怖が倍増してきて、俺は逃げないとという思いが頭を埋め尽くした。
「ちょっと休憩しようぜ。顔色悪いぞ、ちょっと温めた方がいいんじゃねぇか?」
「寒いのか?」
横に馬をつけた人が俺を抱えている人に向かってそういうと、初めて俺に向かって言葉を発した。俺は言葉が出なくて、とりあえず、コクコクと頷いた。すると、少し開けたところで馬が歩みを止めさせ、地面に降ろされる。その場に枝を集めると、何やらその上に手を掲げ出した。すると、火の玉が出て炎が燃え上がる。ポカンと見ていると、俺の肩に何かを掛けられた。
「その格好では風邪をひく」
俺を抱えていた人が、自分のマントらしきものを掛けてくれたらしい。そして、腕を引かれてあぐらをかいた上に座らせられ、後ろから抱き締められるようにしてギュッと腕を回された。
「え、あ、え? な、何?」
どういう状況!?と固まっていると、頬に生暖かくてぬるっとした感触がして飛び上がる。
「ひっ! な、え、今、舐め……!?」
「冷たい。身体が冷えてる」
思わず振り返ると、バチッと目が合って言葉が詰まる。ブルーの瞳が細められ、何故か顔が近付いてくる。え?とそのまま瞳に吸い込まれそうになっていると、
「おいこら! やめろ! まだ分からねぇだろ!」
他の人が慌てたように言って僕たちを引き離そうとしたが、がっちり抱きつかれているため離れられず。
「何すんだよ。俺のに決まってる」
不満そうにそう言うと、グルルルと威嚇するように喉を鳴らした。俺はそれにびっくりして肩を震わすと、逃げようと反射的に身体をひねった。
「ごめん、怖かった? もうしない。名前教えて?」
そんな俺に、慌てたように優しく言ってきたその人に、敵意は感じられなくて、こわごわと自己紹介をする。
「お、俺、北川優人って言います。えっと、25歳です。その……」
「ユウト、良い名前だ、可愛い。俺はカイラ。呼んで?」
「へ? か、カイラさん……?」
「さん、はいらない。カイラって呼んで」
すりすりと頭に頬を擦り付けられながらそう言われて、俺は思い切って呼び捨てで名前を呼ぶと、嬉しそうに尻尾がブンブンと揺れているのが見えた。それを見て、これは付け尻尾じゃないんだと息を飲む。
「あ、の。ここは、一体どこでしょうか。それと、離してもらっても……?」
恐らく、敵ではないのだろう。警戒心はまだ持っておくべきだろうが、入ってくる情報が多すぎてまず整理したい。ここは恐らく、俺がいた世界じゃない。いや、近未来なのか?いわばタイムスリップしたのか?と考えていると、
「あ? どうして離さないといけないんだ。嫌だ」
不機嫌そうに低い声で言われて、思わず身を固まらせる。自分より大きい男に抱えられている状態で、腹に回る腕の太さや鋭い爪などが目に入ってくる。その気になれば一捻りで殺されそうな状況であることを再確認した時、もう死んでいるはずなのにとか、俺はどうなってしまったんだとか、色々と頭の中で掛け巡って目頭が熱くなる。
「うっ、うぇっ、うぅ~……」
頭がパンクしそうになり、ボロボロと涙が溢れてきて止まらない。良い歳した大人が情けないと思いながらも、まだまだ仕事だって半人前だし、家事だって失敗することあるし、思っていたほど25歳なんて全然大人じゃないし、こんな訳の分からない状況をすぐに受け入れられるほど器用でもないんだ。
この何も分からない状況が怖くてたまらない。俺はどこに連れて行かれるかも分からないし、ここが何処かも分からない。この人たちがどういう人なのかも分からない。もう嫌だ、怖い、帰りたい、死んだのなら、ゆっくり眠りたい……。
ひっくひっく言いながら泣く俺は、もう涙の止め方も分からなくなって、ただただ怖いという感情でいっぱいになっていた。
「ゆ、ユウト、ごめん、ごめん。怖がらせないって言ったのに、あぁ、ごめんユウト。泣かないで、ごめんね」
カイラは、焦ったようにそう言って何度も謝ってきた。落ちていく涙を拭いながらも泣き止まない俺に、あたふたと頭を撫でてきたり、ヒョイッと横抱きにされて背中を大きな手でポンポンと優しく叩いてきたり、俺をあやそうと必死になっていた。そんなカイラを見て、鼻をすすりながら見上げると、目が合う。俺はちょっと気まずくて咄嗟に目を逸らして下を向く。
「っ! ゆ、ユウト、ごめん、怖がらせてごめん。違うんだ、ユウトと離れたくなくて、ちょっと言葉が強くなっただけで、ユウトを怖がらせようと思ったんじゃないんだ」
カイラは必死にそう説明しながら、何度も謝って俺の反応を伺ってくる。そんな様子に、俺は次第に警戒心が緩んでくる。この人にとっては、俺なんて何処の誰かも分からないやつだろうに、突然勝手に泣き出した成人済の男に気を遣いながら慰めてくれる。そう考えると、悪い人ではない気がして、俺は涙を拭うと、そっとまた見上げた。
「あ、の、すみませんでした。ぐすっ、えっと、は、離してもらって、いいですか……」
声は少し震えたが、もう一度頑張って言ってみる。
「うっ……。で、でも、まだ身体は冷えているだろうし……」
「いいから、離してやれって。混乱しているんだろ、温かいスープ作ったから飲んでくれ。俺はヒドラだ、よろしくな。こっちはダニエルだ」
カイラに色々と言っていた人がヒドラと名乗り、ニカッと歯を見せて笑いかけられる。その頭にはライオンの耳らしきものが。ダニエルだと紹介された彼の方を見るとジッと見られていて、スッと頭だけ下げられる。ダニエルさんには獣耳はないが、頬に鱗らしきものがあった。
「……分かった。」
渋々、といったようにそう言うと、カイラは腕を緩めた。俺は、恐る恐るカイラの腕の中から出ると、1人分ぐらいの間を開けて座った。すると、カイラがその間を埋めるように、すぐにピッタリ横に張り付いて座り直した。それに驚いていると、大きな尻尾がくるっと俺の身体に巻き付き、フワフワと手をくすぐってきた。
……懐かれてる、よな?
さっきから、少し落ち着いてみればカイラの行動は俺に懐いているようにしか見えず、理由が分からないため首を傾げる。
「で、どこから説明するか……。まず、あんたはこことは違う世界から来た人、であってるか?」
すると、ヒドラさんがスープの入った器を渡しながらそう言ってきた。ヒドラさんはカイラたちより年上のようで、オールバックの赤く短い髪に、男らしい顔立ちをしている。俺は受け取った大きな器を両手に持ちながら答える。
「はい。恐らく、そうなのかな、と。」
「だよな。さっきあんたがいた湖は、基本的に立ち入り禁止で誰も近寄らない。いや、近寄れないといった方が正しい。行けないんだ、あそこには。」
「行けない? でも、あなたたちは……」
「俺等はたまたま近くにいて、急に人の気配がしたから辿っただけだ。向かった先があの湖で、あんたがいた。そして、異国の風貌。伝えられている話と全て一致する。あんたは保護する対象で、今から国王と会ってもらう」
「国王……!? い、いえ、そんな偉い人に、会うのは……!」
説明してくれているのだろうが、全然理解できない。行けない湖?近くにいた?伝えられている話?保護?でも、今から偉い人に会わせられるのだということだけは分かって動揺する。
「大丈夫だ。言ったろ、あんたは保護対象なんだ。至れり尽くせりの生活を送れるはず……」
「嫌なら俺が連れて逃げてあげる。ユウト、一緒に国を出よう」
カイラがヒドラさんの言葉を遮ると、俺の手をギュッと握って真剣な顔で見下される。
「えっ、そ、それは良くないんじゃ……」
「お前なぁ……。ついさっきまでは何に対してもどうでも良さそうだったくせに……。まぁ、どちらにせよ一度王宮には行ってもらう。何より、この世界のことを知らないとな」
カイラに対して呆れたように返すと、俺にそう言い、まずは食ってくれと促してきた。俺は恐る恐るスープを飲もうと器を傾けると、ガシッと器を掴まれる。
「俺があげる、貸して」
「え? 貸す?」
ぴったりくっついているカイラが器を取り上げると、反対の手を俺の腰に回してギュッと引き寄せられる。そして、口にそっと器を付けられ、ゆっくりと傾けられる。口の中に流れてくるスープをコクンと飲み込むと、身体の中からホワッと温まる感覚が広がった。
「じ、自分で、飲みます」
「ユウトには器が大きいだろ。俺が飲ましてあげる」
機嫌良さそうにそう言われるが、大人の可愛くもない男にここまでしたがるこの人は一体何なんだろうと疑問に思う。でもさすがに世話を焼かれる年齢ではないため、なんとか器を渡してもらった。だが、腰に回された腕はそのままだし、何故かスンスンと頭に顔を埋められて匂いを嗅がれているし、全然落ち着かない。でもそれ以上何か言えるほど俺は気が強くもないため、身体を縮こませながらやり過ごした。
「怯えてるじゃねーか。あれ絶対、ユウトの方は何も感じてないんだぜ」
「うん……。俺もそうだと思う……。」
ヒドラさんとダニエルさんが何か言っている気がしたが、内容までは分からず。何故か生暖かい目で見られていることだけ分かった。
……そうして、俺は死んだはずなのに、何故か別の世界に迷い込みここで生きていくことになったのだった。
ーーーー
「……すごい」
カイラたちに連れられて、街へと入った俺。街はにぎやかで、見たことがないような物ばかりが立ち並んでいる。俺は映画やテレビの中に入ったような不思議な感覚に、しばらくキョロキョロと落ち着きなく周りを見ていた。
「ユウト、欲しいのある? 何でも買ってあげる。可愛い、興味津々だね」
馬に乗ったまま進んでいるが、そもそも道がすごく広い。どうにも落ち着かない俺を見て、カイラは俺の頭に頬を擦り付けるようにしてそう言ってくる。
「え、あ、すみません。見たことない物ばかりだったので……」
だんだんと、カイラの態度が子どもに対するようなものだと気付いて恥ずかしくなる。
「謝らなくていい、好きな物どれでも買ってあげる。俺達の家にたくさん置こうね」
……俺達の家?
どういうことだろう。もしかして、寮みたいなところがあるのだろうか。俺の住む場所とかも、用意してくれたりするのだろうか。ご飯とかはどうしたら、いや、まずは仕事?でも、ここでは俺が出来る仕事なんてあるのだろうか。
考え出すと不安ばかりが襲ってくる。カイラたちは、どこまで一緒にいてくれるのだろうか。国王様に会うって言っても、こっちの礼儀やマナーは俺の知っているものと同じなのだろうか。いや、そもそもこれは本当に現実……?
「ユウト、ユウト。降りるよ。歩ける? 抱き上げようか?」
「うえっ!? あっ、すみませ、歩けます!」
突然、馬から降ろされてそう言われて、慌てて自分で歩く旨を伝える。
「疲れたでしょ、俺抱っこするよ?」
「ひっ、すみません、すみません、ちゃんと歩きます……!」
傍に立たれると、その身体の大きさの違いが顕著だ。頭1つ半は違う身長に、厚みも全然違う。俺の顔を覗き込みながら、少し機嫌が悪そうに言われて思わず謝ってしまう。
「っ、ユウト、ごめん、怖かった? ユウトは小さいし、可愛いから心配なんだ」
慌てたようにカイラがそう言ってきて、俺は反応に困る。確かに、カイラたちと比べると小さいから、頼りなく見えるのだろう。でもさすがに良い歳した男が抱っこされるのは……。
「ほら、行くぞ。ユウト、すまねぇな。カイラも浮かれてんだ、許してやってくれ」
ヒドラさんに謝られるも、何故謝られたのか分からない。はぁ、と曖昧に返事をすると、グルっと太い腕が腰に回って、カイラさんに密着するように引き寄せられる。そして、促されるまま歩く俺。カイラの尻尾がブンブンと音が鳴っているんじゃないかというくらい勢いよく動いている。
ここまで来たら仕方ないよな、会わないといけないらしいし……。でも、どうしてわざわざ国のトップに?別の世界から来た人って、俺以外にもいるってことだよな?もしかして、何か問題があるのか?
歩きながら不安が押し寄せてきて、失礼を働いて捕まる、なんてことになったら……と最悪の展開も想像しては青ざめた。
「ユウト、顔色が悪い。治療院行く?」
「え? い、いや、大丈夫です……。後回しにしたら、余計に怖いし……」
カイラが気遣ってくれるが、ここまで来て行かない、というわけにはいかないだろうと、何とか腹をくくる。そうしている内に、長い廊下を抜けた先の扉が開かれた。
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