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世界統一編
第四話 権力掌握
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成り行きのまま私は宰相になってしまった。ここは宰相室で、広々として大きい。……だが、書類の山で埋もれてしまってる──ぅ! こうなったらまずは片づけをするしかないか。
初日目は片づけと書類の整理整頓で──アッ!!! というまに過ぎていった。二日目、私は書類をファイリングして項目別に棚に収めていく。実はこういう作業は慣れたものだ、私は生前、事務員もやっていた。事務員と聞けば普通の人は、暇そうにお茶してお喋りしているイメージがある。
しかし、本当の事務員は大変だ、金銭関係に間違いがないようチェックし、人間関係がスムーズにいくよう潤滑油としてフォロー、お客様が来れば、歓待する。いわゆる影の官房長官なのだ。
大体、整理が終わるとメアリーが慰労にやってきてくれた。
「あら、宰相室、綺麗になったわね」
「うん、まずは組織の全体を把握ができるように整理整頓、これ大切」
「何これ、書類ごとに色のついた紙が貼ってあるけど」
「うん、事務仕事って、必要な時にすぐさま書類が引き出せるようにしないとね、時間がもったいない」
「……自分で宰相の仕事を押し付けてなんだけど、貴女、こういうの結構向いているかもしれないわね」
「ん、なんで?」
「王宮の政治といえば何をするにしても、何年も何年もかかって、一向に仕事がたまるばかり。そのうえ、ほっとけば赤字垂れ流しで、民衆から厳しい徴税で締め上げる。貴方の効率的な仕事の考え方は、素晴らしいわ」
「そうかな……」
「ええそうよ! やっぱり貴女は救世主なんだわ!」
「ははは……」
救世主扱いもちょっと慣れて来たよ、まあ仕事を任されたんだからやるだけやってみよう。
まずは金銭把握、この国がどういう収入でどういう管理で、支出を賄っているか理解できてないと、何をするにしても金がない金がないで、何も進まない。そして無駄な支出は極力抑えていく。
また、王政に必要なお金は大盤振る舞いする。民のためにバラまけ、ほいさっさと。で、それをするためには金銭の把握が重要だ。
いざ、書類の目を通し始めると、──なんだこりゃ? まったくもって、収入と支出のバランスがおかしいじゃない! それになんだ、祭事や領地経営にかかるお金がバラバラ、なんかある地方に支出が偏っていて、どう考えてもここの政治はおかしい!
でも、金銭を計算するにしても問題なのはパソコンがない! 私が事務員やっていた時は電卓で全部やっていたけど、それすらない! そろばんもない! ぎゃー数学苦手なんだよね。
はああ、ちまちま紙で計算やってると肩こっちゃった、一休みしよう。ということで官吏に3時のおやつを準備するよう指示した。
ズラーとテーブルに並ぶ豪華なデザート! スイーツ! ──待ってました! あまーい、あまーい香りに乙女心がくすぐられる。
まずはマカロンを口にする、うーん甘くて外はさっくり、中はふわっふわっ! 丸いショコラをナイフで切り分けて口に運ぶと、チョコレートの甘さが口に広がって、そして飲み込んだ後の口に残るほろ苦さ! くうっー大人の味だわー。
イチゴタルトのバターの生地に柔らかな食感とパリッとした感覚がたまらない! 新鮮なイチゴを口にすると酸味とフルーツの甘さが心地よい。フルーツたっぷりのシャルロットに自然の甘さと口の中でとろけるクリームの甘さが舌で絡まって甘さがたまらない! うめえええ──っ! ああ、私、し・あ・わ・せ。
ふう、燃料も満タンになったことだし、とっとと仕事するか。今日のところは金銭把握だけにして明日の宮廷会議の議題にする。それにしても正式な書類にするにはハンコが必要なんて日本と同じだなあ、まあこの世界では印章っていうんだけど。
今、私の印章がないから、前の宰相の物を使ってる。前宰相もやっぱり大貴族で、エファール家の印章らしい。大切なものだから肌身離さず持っておこう。
──そうしてだ、しめやかに宮廷会議が行われたのだった。
「どうしたんだい、ミサ宰相、こんなにも官吏たちを集めて」
ウェリントン王子、いや戴冠はしてないけど国王だね、改めましてウェリントン国王が私に問いかけたので、臣の私は応じていく。
「国王陛下、この国は優秀な人材が少ないです、もっと優秀な人材を登用すべきです」
「何ですと!!!」
私の進言に宮廷中大騒ぎ! 官吏みんながそれに異を唱えてくる。
「何を言われますか! 宰相閣下はご存じないでしょうが、ここにいるものは由緒正しき大貴族たち。優秀なものしかおりません!」
「そうです! 貴女は幼女だからお分かりにならないのです!」
「そうだ、そうだ!」
官吏たちは口々に反論し不満を言い放った。こうなると思ったけど仕方ないなあ。
「なら何で国王陛下の戴冠式の日程すら決まらないの?」
「それは、その……、そう、予算がまだ決まってないからです」
「予算が決まってない? ほう、おかしいなー、収入を見れば黒字経営ができるほど税金があるのに、何で赤字なのかなー?」
「いや、それは、貴女は子どもだから、政治のことを全くご存じないからです!」
「そうだ! そうだ!」
「私が政治の事を知らない? じゃあ私の政治能力をテストします、いいですね?」
「ほほう、おもしろいですな、やってみてください」
「そこの貴方!」
「へっ、わたくしですか!?」
一人のカールをまいたかつらをかぶる貴族に私は指さした。
「貴方はラスター家の者ですね、そして貴方は財務官僚をしている。なのに、貴方の予算の付け方は無茶苦茶です。特に貴方の家の領地に払う食事費が膨大です。これはもしかして横領しているんじゃないですか!」
「そ、それは……!」
戸惑うラスターに他の官僚が援護をした。
「違います! ラスター様はそんなお方じゃありません!」
「今しゃべったそこの貴方! マンチェスター家の者ですね、そして外務官僚──。貴方の交際費が膨大です。いったい何に使っているのですか!」
「いや、ただ外務官僚だから費用がかさむ……だけだと思います……」
また、違う官吏が反論してきたので、私は畳みかける。
「ほう、そこの貴方は、ラッシュフォード家のものですね、貴方は国務官僚でありながら、無駄な箱もの建築ばかりたてている、もしかして建築を行わせる土木ギルドからキックバックをもらっているのではないのですか!」
「あう──っ……」
そう言って次々に名前を挙げて不正を明らかにしていった。私は元事務員だ、名前を覚えることくらい仕事で身に付けている。この宮廷会議の様子にウェリントン国王は驚いた様子だった。
「この国がこんなにも腐っているとは……! 私は初めて気づかされたぞ……!」
怒り交じりにそう言い放った。良し準備完了。私は恭しく礼をして具申した。
「陛下、このままだとこの国が傾いてしまいます。ここは人事について、私にお任せくださいませんか?」
「なんと……そんなことがミサにはできるのか、よし、いいぞ。好きにするといい」
次の日、私は王宮のホールに、宮廷に仕えるすべての貴族を集めさせた。貴族たちが何が起こるのかと注目される。この緊張、若い時ぶりだわ、そして私の初めての演説を始めたのだった。
「今王宮内では人材が不足しております。私は幼女ですが、宰相になりました。それは能力があると国王陛下が認めたからです。
貴方たちは貴族です、今まで厳しい教育を受けて王宮に仕えるまでになったのです。でも、私は産まれで人を評価しません。能力があると自信を持つものはすぐに私のもとに来なさい。仕事と役職を与えましょう。
──ただし、私はただの貴族には興味がありません。建築家、経済学者、政治学者、気象学者、弁護士、五つ星シェフがいたら、私のもとに来なさい。
私たちは、そう、王宮を支える仲間、名付けてミサミサ団なのです、──以上!」
その瞬間一気に貴族たちから歓声が上がった!
「うおおおおおおっ──! 救世主ミサ、バンザーイ! ミサ宰相、バンザーイ! ミサミサ団、バンザーイ! 幼女サイコー──っ!!!」
「かっこいいぜ──っ! 宰相!」
「もう、惚れちまったよ──!」
ふう、―大成功だよ。こうして私は能力のあるものを登用し、腐った大貴族たちを王宮から追放した。実力で登用した者は私に忠誠心が高く、指示をよく聞いてくれる。
そう、私はこの国の権力を支配することに至ったのだ──。
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「あら、宰相室、綺麗になったわね」
「うん、まずは組織の全体を把握ができるように整理整頓、これ大切」
「何これ、書類ごとに色のついた紙が貼ってあるけど」
「うん、事務仕事って、必要な時にすぐさま書類が引き出せるようにしないとね、時間がもったいない」
「……自分で宰相の仕事を押し付けてなんだけど、貴女、こういうの結構向いているかもしれないわね」
「ん、なんで?」
「王宮の政治といえば何をするにしても、何年も何年もかかって、一向に仕事がたまるばかり。そのうえ、ほっとけば赤字垂れ流しで、民衆から厳しい徴税で締め上げる。貴方の効率的な仕事の考え方は、素晴らしいわ」
「そうかな……」
「ええそうよ! やっぱり貴女は救世主なんだわ!」
「ははは……」
救世主扱いもちょっと慣れて来たよ、まあ仕事を任されたんだからやるだけやってみよう。
まずは金銭把握、この国がどういう収入でどういう管理で、支出を賄っているか理解できてないと、何をするにしても金がない金がないで、何も進まない。そして無駄な支出は極力抑えていく。
また、王政に必要なお金は大盤振る舞いする。民のためにバラまけ、ほいさっさと。で、それをするためには金銭の把握が重要だ。
いざ、書類の目を通し始めると、──なんだこりゃ? まったくもって、収入と支出のバランスがおかしいじゃない! それになんだ、祭事や領地経営にかかるお金がバラバラ、なんかある地方に支出が偏っていて、どう考えてもここの政治はおかしい!
でも、金銭を計算するにしても問題なのはパソコンがない! 私が事務員やっていた時は電卓で全部やっていたけど、それすらない! そろばんもない! ぎゃー数学苦手なんだよね。
はああ、ちまちま紙で計算やってると肩こっちゃった、一休みしよう。ということで官吏に3時のおやつを準備するよう指示した。
ズラーとテーブルに並ぶ豪華なデザート! スイーツ! ──待ってました! あまーい、あまーい香りに乙女心がくすぐられる。
まずはマカロンを口にする、うーん甘くて外はさっくり、中はふわっふわっ! 丸いショコラをナイフで切り分けて口に運ぶと、チョコレートの甘さが口に広がって、そして飲み込んだ後の口に残るほろ苦さ! くうっー大人の味だわー。
イチゴタルトのバターの生地に柔らかな食感とパリッとした感覚がたまらない! 新鮮なイチゴを口にすると酸味とフルーツの甘さが心地よい。フルーツたっぷりのシャルロットに自然の甘さと口の中でとろけるクリームの甘さが舌で絡まって甘さがたまらない! うめえええ──っ! ああ、私、し・あ・わ・せ。
ふう、燃料も満タンになったことだし、とっとと仕事するか。今日のところは金銭把握だけにして明日の宮廷会議の議題にする。それにしても正式な書類にするにはハンコが必要なんて日本と同じだなあ、まあこの世界では印章っていうんだけど。
今、私の印章がないから、前の宰相の物を使ってる。前宰相もやっぱり大貴族で、エファール家の印章らしい。大切なものだから肌身離さず持っておこう。
──そうしてだ、しめやかに宮廷会議が行われたのだった。
「どうしたんだい、ミサ宰相、こんなにも官吏たちを集めて」
ウェリントン王子、いや戴冠はしてないけど国王だね、改めましてウェリントン国王が私に問いかけたので、臣の私は応じていく。
「国王陛下、この国は優秀な人材が少ないです、もっと優秀な人材を登用すべきです」
「何ですと!!!」
私の進言に宮廷中大騒ぎ! 官吏みんながそれに異を唱えてくる。
「何を言われますか! 宰相閣下はご存じないでしょうが、ここにいるものは由緒正しき大貴族たち。優秀なものしかおりません!」
「そうです! 貴女は幼女だからお分かりにならないのです!」
「そうだ、そうだ!」
官吏たちは口々に反論し不満を言い放った。こうなると思ったけど仕方ないなあ。
「なら何で国王陛下の戴冠式の日程すら決まらないの?」
「それは、その……、そう、予算がまだ決まってないからです」
「予算が決まってない? ほう、おかしいなー、収入を見れば黒字経営ができるほど税金があるのに、何で赤字なのかなー?」
「いや、それは、貴女は子どもだから、政治のことを全くご存じないからです!」
「そうだ! そうだ!」
「私が政治の事を知らない? じゃあ私の政治能力をテストします、いいですね?」
「ほほう、おもしろいですな、やってみてください」
「そこの貴方!」
「へっ、わたくしですか!?」
一人のカールをまいたかつらをかぶる貴族に私は指さした。
「貴方はラスター家の者ですね、そして貴方は財務官僚をしている。なのに、貴方の予算の付け方は無茶苦茶です。特に貴方の家の領地に払う食事費が膨大です。これはもしかして横領しているんじゃないですか!」
「そ、それは……!」
戸惑うラスターに他の官僚が援護をした。
「違います! ラスター様はそんなお方じゃありません!」
「今しゃべったそこの貴方! マンチェスター家の者ですね、そして外務官僚──。貴方の交際費が膨大です。いったい何に使っているのですか!」
「いや、ただ外務官僚だから費用がかさむ……だけだと思います……」
また、違う官吏が反論してきたので、私は畳みかける。
「ほう、そこの貴方は、ラッシュフォード家のものですね、貴方は国務官僚でありながら、無駄な箱もの建築ばかりたてている、もしかして建築を行わせる土木ギルドからキックバックをもらっているのではないのですか!」
「あう──っ……」
そう言って次々に名前を挙げて不正を明らかにしていった。私は元事務員だ、名前を覚えることくらい仕事で身に付けている。この宮廷会議の様子にウェリントン国王は驚いた様子だった。
「この国がこんなにも腐っているとは……! 私は初めて気づかされたぞ……!」
怒り交じりにそう言い放った。良し準備完了。私は恭しく礼をして具申した。
「陛下、このままだとこの国が傾いてしまいます。ここは人事について、私にお任せくださいませんか?」
「なんと……そんなことがミサにはできるのか、よし、いいぞ。好きにするといい」
次の日、私は王宮のホールに、宮廷に仕えるすべての貴族を集めさせた。貴族たちが何が起こるのかと注目される。この緊張、若い時ぶりだわ、そして私の初めての演説を始めたのだった。
「今王宮内では人材が不足しております。私は幼女ですが、宰相になりました。それは能力があると国王陛下が認めたからです。
貴方たちは貴族です、今まで厳しい教育を受けて王宮に仕えるまでになったのです。でも、私は産まれで人を評価しません。能力があると自信を持つものはすぐに私のもとに来なさい。仕事と役職を与えましょう。
──ただし、私はただの貴族には興味がありません。建築家、経済学者、政治学者、気象学者、弁護士、五つ星シェフがいたら、私のもとに来なさい。
私たちは、そう、王宮を支える仲間、名付けてミサミサ団なのです、──以上!」
その瞬間一気に貴族たちから歓声が上がった!
「うおおおおおおっ──! 救世主ミサ、バンザーイ! ミサ宰相、バンザーイ! ミサミサ団、バンザーイ! 幼女サイコー──っ!!!」
「かっこいいぜ──っ! 宰相!」
「もう、惚れちまったよ──!」
ふう、―大成功だよ。こうして私は能力のあるものを登用し、腐った大貴族たちを王宮から追放した。実力で登用した者は私に忠誠心が高く、指示をよく聞いてくれる。
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