幼女救世主伝説-王様、私が宰相として国を守ります。そして伝説へ~

琉奈川さとし

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魔族大戦

第百話 フェニックスヒルへ②

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 私たちは険しい山道を超えて、フェニックスヒルへ行くことにした。レクスがいう話では、ヴェルドー軍はこの道を通って、フェニックスヒルを奇襲して、陥落させたそうだ。だから、道はすでに把握してるそうだ。

 準備は万全の態勢を整えて、山越えに挑むことにした。輸送隊をなんとか、道を確保しつつ、食料物資を守らなければならない。

 その中、レミィはかなり意気込んで部隊を指揮していた。

「おい! 前を警戒しろ! この山道では人が来るとは思えないが、万が一がある!」
「はっ!」

「ちょっとまって、後方の隊列が崩れているぞ、警戒態勢を維持しつつ行軍せよと命を出しただろ!」
「はい!」

「女魔族は空を飛びながら、部隊を守るため、空から、危険な落下物がないか目を光らせていろといっただろ! いま、石が落ちてきたぞ!」
「は、はい!」

 彼女の張り切りぶりにレクスは少しなだめるように言った。

「レミィ、神経をとがらせるのは当然だが、隊員たちがまいってしまうぞ。少し加減をしろ」
「何言ってるんだ、レクス。前回の山越えで、どれだけの隊員が、尊い命を落としたと思っている。あの時は近隣の村から、住人を借り出しても、多くの部隊が損害を受けた。一回は初めてだとして納得できても、二回目は人的ミスだ。

 軍隊はすべてを想定して、行動しなければならない。私たちは命を預かっているのだぞ!」
「しかしなあ、その行軍で、参ってしまっては、意味がないだろ」

「そんな甘さが、人の命を失わせる。いいか、レクス。軍人にとって必要なものは任務遂行のための強い意志だ。遂行には能力が左右するのは当然だが、結果が伴うには全員の心が一致して、任務に取り込まなければ、成果は出ない。

 指揮するものはあらゆる事態を考えて隊員を導かなければならない。任務失敗はすなわち死だ。それを忘れたのか?」
「わかっている。無茶はさせるなと言っている」
「そもそもこんな山越えが無茶だ、軍人は無茶を可能にしなければ、だれかを守れない。命を守るということはそういうことだ」

「休憩は取らせろ、それだけは忘れるな」
「ここを過ぎれば、崖を突破しなければならない、休憩をはさむさ」

「ならいい……」

 軍人同士の厳しいやりとりに、私は命の重さを感じていた。レミィが指揮している間、私は他の女魔族におぶってもらっているが、当の隊員たちは命懸けだ。これが戦争の一面か。難しい……。

 私たちは崖の前で、休憩をとった。女魔族はすでに崖を飛んでのぼり、上方の警戒をしている。休憩中、物が落下しては、危険だし。刃を通さない肌を持っていても、激しい衝撃を受ければ、魔族も死が待っている。

 レミィも一息をついていて水を飲んでいた。私は彼女をいたわるために話しかけた。

「お疲れ様、レミィ。大変だね」
「仕事だからね。命を取り扱っている以上、神経をとがらせて、みんなが無事に山を越えられるように、私がしっかりしないと」

「私とか、足手まといでごめんね。せめて何か手助けできればいいんだけど」
「前回の食料調達で活躍してくれれば、十分よ。お兄ちゃんは交渉事とか苦手だし、私はそんな器用じゃないし、ニンゲンのことをあまり知らない。貴女がいてくれて助かるわ」

「そう言ってくれるだけでうれしいよ。これからどうやって崖を上るの? そのあとは?」
「上で女魔族が索敵して、敵がいないか把握して、上部の安全を確保した後、私たち戦闘部隊が崖を上る手はずになっているわ、そして迂回してくる補給部隊のため、道を確保しておく。敵がいたら殲滅して、連携して部隊運動を可能するって手はずね」

「なるほどねえ」
「貴女は私が先に飛んで上に連れて行くから安心して。うん、どうやら崖の上の安全が確保されたみたいね」

 女魔族が崖の上から飛んできて、レミィに報告し、そしてレミィはレクスに崖を上る手はずを確認して、私は彼女の背中につかまって飛んで崖を上っていく。やっぱ怖えー! 高いし、足元がおぼつかないのは怖すぎる。下見るとぞっとする。谷底だもん、ブルっちゃうよ。でも漏らしてないもんね、えらいでしょ?

 そうして安全にレミィは崖の上で私を降ろした後、崖のぼりをする男魔族と、クリミィ族を支援するため、彼らの周りを飛んでいる。高いから私怖いけど、レミィは大変だな。しかし、ある男魔族が足を滑らせて、崖から落ちそうになる! 危ない! 

 だが、そう思った瞬間にレミィは一気に飛んでいき、彼の腰を支えて、「いったん崖につかまれ! 動くな!」と叫ぶ。男魔族が必死で崖に張り付き、恐怖でおびえていると、レミィは優しく、「大丈夫だ私がいる。安心しろ、お前は私が守る」と語りかけた。

 男魔族は落ち着いて、崖を上っていき、レミィは周りを飛んで、掛け声をかけていた。ほんといい上司だね、レミィ。こんな人が上にいたら、命がけで仕事に励むよ、絶対。そしてレクスとレミィは全員がいるか点呼をとって確認して、崖から離れようとする。

 その途中、さっき落ちかけた男魔族がレミィに話しかけた。

「ありがとうございます。副隊長。貴女のおかげで今の私があります」
「部隊を守るのは私の役目だ。困ったときは私を頼れ。私たちは全員で一つだ」

「はい! 了解です!」

 私はその光景が美しくて、少しウルっときた。こうしてだれ一人かけることなく崖を越え、補給部隊もだれ一人欠けることなく山越えを完了した。難しい部隊運動のはずなのに、この結果はひとえに、レクスとレミィの指揮と部隊の団結力の結果だと思う。強い絆があるんだな、彼らには。

 そしてまた森を私たちは進むこととなった。この辺、魔族軍が制圧しているから、盗賊の心配はないけど、逆に魔族軍に私たちが捕まる可能性があるから警戒を怠らない。私たちは脱走犯だし。

 そんななか、ある男魔族に私たちは見つかってしまった。レクスは両手を上げて、敵意のないことを示す。その男は聞いた。

「どこの部隊の者だ?」
「ヴェルドー軍所属、第502中隊だ」

「502中隊? おい、ちょっと待て! お前ら見張ってろ!」

 男魔族は周りに声をかけ、どこかに行く。状況が変わったことにレミィはうろたえてレクスに言った。

「なぜ隠さない!」
「嘘つく方が、かえって面倒なことになる。この辺は魔王様直属の軍の制圧下だと聞いた。下手な小細工は逆効果だ」

「しかしな!」

 そうした中、ある白ひげを蓄えた男魔族がやってきた。ここら辺の部隊の隊長かな、かなり威圧感があるし。その男はレクスに言った。

「どうやら、ネズミが俺のところに舞い込んだようだ」
「ネズミ? そんな立派なものがあっちの大陸にあったかな」

「ないな、あるのは魔族だけ。ニンゲンじゃない」
「そうだニンゲンはいない。俺たちの国には」

「だから俺たちは戦う。なあレクス?」
「そうですよ、ブルッツェン隊長」

「ひさしぶりだな、レクス!」

 そう言って彼らは握手をして抱き合った。え、な、なにが起こったの? 私たちが唖然としているとレミィは安心した声でつぶやいた。

「私たち昔、軍で世話になった、ブルッツェン隊長だ。良かった。知り合いだった」

 その言葉に私たちの身はある程度、確保されたことに肩の荷を下ろした。そうやって私は今度は魔王軍の捕虜となってしまった。でもここでもぞんざいに扱われることなく、むしろ待遇が良かった。客人としての扱いかな。

 一晩私たちは疲れをいやして、どこかに連れられていたレクスが、私とレミィの元に戻った。レミィは彼に尋ねた。

「レクス。私たちの扱いはどうなる?」
「ブルッツェン隊長が魔王様に報告書を届けるらしい。あの人もヴェルドーについては、腹に一物を抱えているしな。上手くいけば俺たちに魔王様への弁明や訴えが許されるかもしれない」

「そうか、もっと苦労すると思ったが……」
「どうやら、ヴェルドーは俺たちの脱走について、厳しい処分や訴えをしなかったようだ。ただ、『馬鹿者どもが魔王を慕いに行ってる』とだけ、魔王様に伝えたらしい」

「えっ!?」

 ど、どういうこと? 私たち無断の脱走犯なのに、ヴェルドーはそれを擁護してくれたの? なんの目的でそんな……。あの男の考えることはわからない。それはレミィも一緒のようだ。お互い顔を見合わせて、事の成り行きに任すこととなった。

 その夜、私が固いベッドで、寝つきがよくなくて、ちょっと外に出ようとしたら、レクスがテーブルの前で座っていた。なにか、落ち着いていて、それでいて、あえて顔に出さないようにしていると私は思った。彼が私に気づいたようで、静かに言った。

「レミィを気にかけてやってくれないか、ミサ?」
「えっ?」

「今、外に出ている。風にあたってくるそうだ」
「でも、兄である貴方の方がいいんじゃないの? レクス」

「俺の前じゃあ、レミィは気を張っていなければならない。俺は隊長だし、兄貴だ。自分の弱い部分を見せられないだろう、あいつは」

「……わかった。行ってくる」

 私はうすうす気づいていた。レミィの様子があの時からおかしいって。でも彼女の性格だから、彼女は守るべき部隊があるから、頑張っていたのは側にいた私がよくわかっていたことだ。もちろんレクスも。だから、私に任せたのだ。

 レミィが星空を見上げ、夜風に銀髪をなびかせていた。彼女の青白い肌が、月明かりのもと、ぼんやり輝き、暖かい色に見えた。それに少し私は見とれていると、彼女が私に気づいた。

「なに? ミサ」

 私とレミィは静かに誰もいない丘に座って星を眺めた。彼女は心ここにあらずに遠い瞳をしながら言った。

「もう終わりか……短いね」
「……レミィが頑張ったからだよ」

「私がやったことはただの仕事よ、隊長を守るのも。部隊を守るのも仕事」
「えらいね」

「でも、本当に守りたいものは守れなかった……」
「レミィ……」

 私はそっと彼女の頬に手を当てて言った。

「もう無理しなくていいよ」
「えっ……」

「レミィはいっぱい頑張った。何人かは残念だったけど、貴女はいっぱい頑張った。だからね、もうこれ以上無理しなくていいんだよ……」

「……む、無理って、なにを……」
「アイラの事……」

「!」

 私の言葉に彼女は太ももで顔を隠してしまった。だから、そっと彼女の肩に手を添える。

「わかってるよ、貴女が頑張らなきゃ、レクスが脱走した後、部隊のみんながバラバラになってしまう。でも、もういいんだよ。正直になっていいんだよ。だって、貴女も女の子だもん。だから……」

「わ、私……!」
「うん」

「私、アイラを守れなかった……!」

 そう言って彼女はすすり泣きを始めた。それに対し優しく私は言葉を投げかける。

「貴女のせいじゃない。アイラが、彼女が望んだの」
「でも! 私が余計なことを言わなければ、ミサのことを黙っててほしいなんて言わなければ、アイラは正直にヴェルドーに言って、彼女の命が奪われることはなかった! 全部私のせいだ!」

「でも、そうして、私がヴェルドーに害されてしまえば、アイラは傷つくよ。今のレミィみたいに、自分を責めて。いや、もっと傷つく。なんで、友達なのに、私に何も教えてくれなかったんだろう……て」
「で、でも……!」

「レミィの気持ちはわかる、アイラのために泣いてあげるのもわかる。でもね、彼女は自分で自分の人生を決めたのよ。最後の最後で。彼女は生まれた時から、貧乏で、踊り一筋で生きてきたんだと思う。

 みんなのことを自分の力で楽しませたいって。でも、譲れなかったんだよ。彼女が友達を守りたいという気持ちは。自分の命がどうなっても……」
「そんな……!」

「だから、アイラのことを応援してあげよう。天国に行って、星になってしまっても、彼女のやったことは無駄じゃなかったって。貴女のやったことは正しかったんだよって、証明してあげようよ。友達の私たちがさ。

 今日だけは泣いてもいい、でも明日からは笑おう。だって、レミィが苦しんでる姿を見てしまってはアイラが悲しむじゃない。だから……」

 そう言って私は小さい腕で、彼女を抱きしめた。彼女の悲しみはこらえようもなく慟哭どうこくをあげてしまった。

「う、う、うわああぁ、ああああ──!!!」

 レミィの涙も、悲しみも、きっとアイラなら受け止めてくれる。だから私はレミィが落ち着くまで、抱きしめた。彼女が明日、元気に、笑っておはようと言えるように、私は彼女をただ抱きしめ続けたのだった……。
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