幼女救世主伝説-王様、私が宰相として国を守ります。そして伝説へ~

琉奈川さとし

文字の大きさ
148 / 178
魔族大戦

第百四十八話 ティンタジェル要塞包囲戦②

しおりを挟む
 幸先よくティンタジェル要塞南部を平定する私たちテットベリー本軍。私は司令官のジェラードの要請を受け、再度、敵ながら協力してくれたオークニー男爵傭兵団をこちらへ味方に付けるよう説得に向かった。

 突然にもかかわらず彼は落ち着いた様子で私を親しく出迎えてくれた。

「これはこれはネーザン宰相閣下、このようなわたくしに再度会ってくれるなど光栄でございます」
「こちらこそありがとう、おかげでこの地方は民たちといさかいもなく順調に軍を進めさせていただいております」

「おや、それは敵軍の将であるであるわたくしへの嫌味ですかな?」
「いえいえ、純粋にあなたへと感謝を申し上げたい」

「ええ、そうですか。少し落ち着いて話ししましょう」

 彼は私をテーブルに招き、お互い対面して座った。話を切り出したのは彼の方だった。

「して、今度の要件はどういったものです?」
「ええ、一応聞きたいけど、貴方の立場は魔族軍にはどのように扱われているの?」

「別段なく」
「どういうことかしら?」

「もともと我々傭兵は彼らにとって捨て石です。ただのネーザン統一軍の侵攻の時間稼ぎとしてしか考えられておりません。まあ、その進行のスピードが速いことは彼らにとって予想外でしょうが」

「なら、貴方は魔族に何の未練もないのかしら?」
「我々傭兵の人間はしょせん彼らのよそ者ですから。地元の人間として腕を買われただけです、私は」

「そう、良かったわ。貴方にお願い、と言っても聞かなくてもいいけど、いえ、やはりお願いね。こっちの軍に顔を見せてくれない?」
「それは……流石に躊躇ちゅうちょ致します。何せ敵軍の将ですからわたくしは」

「取って食おうというわけじゃないのよ。実はうちの司令官が貴方のことを気に入っているの。整然と軍を指揮して、被害を最小限にして後退する手腕なんて軍事的に称賛されるべきだわ」
「味方には喜ばれませんが。しかし……」

「というのもね、我々は最終的にウェストヘイムを元通りとはいかなくても、国家としてどんな形にしろ、うまく自立するように解放しようと思っているの。

 そこでなんだけど、貴方はこのままだと敵の裏切り者としてしかウェストヘイムの人々は思わないでしょう。貴族たちが納得しないでしょうし。

 なんらかの彼らの解放の手助けをした目立った功績が必要じゃないかしら、貴方の今後のことを考えて」
「なるほど、私に手柄をくださるということですね。そうですか。……いいでしょう、危険は承知でジェラード司令官とお会いいたしましょう。ただし、わたくしも命を懸ける以上、貴女にも条件を飲んでいただきたい」

「何かしら──」

 こうしてオークニー男爵との密談は成功に終わった。私たちテットベリー本軍はティンタジェル要塞の一歩手前の町まで来て、そこでオークニー男爵とジェラードが会うことになった。

 ジェラードは彼と握手し、笑顔で迎えた。

「そなたがオークニー卿か。私はこの軍を任されているジェラード・オブ・ブレマーだ」
「お初にお目にかかり光栄です、テットベリー伯爵。お噂はかねがね」

「このようなところにも優れた将がいるとはな。私はそなたを十分に評価している」
「御冗談を、私は敗軍の将ですよ。戦さらしい戦さもせず、任された土地を貴方にほとんど奪われました」

「それもそなたの計算のうちだろ、ははは……」
「ははは……」

「ところでだ、そなたはこれからどうするつもりだ。魔族軍へと戻るのか?」
「そのつもりです。何せ契約期間はまだ残っていますから」

「なら、君にうかがいたいことがある」
「なんでしょう?」

「とりあえずこちらに来てくれ。作戦会議を行っている」
「私のことをホントに買っていただいているのですね、かしこまりました、お供いたしましょう」

 と、私たちは作戦会議を開いている部屋に向かい、ジェラードはオークニー男爵に尋ねた。

「これは我々が把握しているティンタジェル要塞の地図だ。オークニー卿、何か不自然な点はあるか?」
「まさか、ここまで正確に要塞の地形が描かれているとは……。ネーザンの改革がどれほど進んでいるかを実感いたしました」

「それはここにいる我が宰相、ミサの技術投資のおかげだ。おかげでこう言った人材も我が軍にいる」
「なるほどそうですか。いえ、そうでしょう。彼女は非常に頭の切れる幼女です」

「そうだな、君ならこの要塞をどう攻める?」
「何をおっしゃる、テットベリー伯爵。私はあなたの敵の一員ですよ?」

「あえて尋ねている」
「ふっ、私を試されているのか。ならば、この地点をまず最初に攻めます」

 オークニー男爵は地図の丘を指さした。

「このティンタジェル要塞は多重環状要塞で、死守すべき砦の地点と、その背後にある教会の地点が相互関係に固く守り、相手の攻め手を防ぎ、その周りに城壁が築かれています。さらにその周りは山で囲まれております。

 またさらに、城壁でぐるりと囲まれており、山や川で囲まれ、砲撃が外から直接、砦に届きません。第一段階として最も外側の城壁を攻略しないと砲兵が中に入れないでしょう。

 この難攻不落の要塞は何度もネーザン軍から我がウェストヘイムの軍を守っており、南部の鉄壁の壁です。

 しかしこの城塞は古くからあり、現在の軍事技術にそぐわないところがあります。そのため、さらに砲兵が外の壁を攻撃しないように、固く守るため小高い丘に陣地を建設中です。

 ここを押さえさえすれば、第一城壁を崩す一歩となるでしょう」
「私も同意見だ。さすがはオークニー男爵。一目でこの要塞の弱点を見抜くとは。実はすでに斥候部隊が偵察に向かっている。情報が入り次第、私たちは包囲を始める」

「すでにテットベリー軍が動いているとは……! これはわたくし予想外でした。テットベリー伯爵殿は名将であります」
「ほめても何も出んぞ、まあ出してもよいが」

「ははは……。しかし、この要塞を落とすのはいくら伯爵とはいえ時間がかかるでしょう。その間に統一軍の第一目標であるチチェスタ―地方の防備は万全になっているでしょうね」
「問題はそこだ。このままだと、チチェスタ―を包囲している間に、堅固な防衛態勢を整えられ、消耗戦になってしまう。これは致し方ないかもしれんがな。

 もとより魔族たちの作戦はティンタジェル要塞で我が軍をくぎ付けにしたいと見える」
「……ならばさらに工夫が必要ですね」

「それに頭を悩ませておる」
「ならば、ティンタジェル要塞の第二重要地点、砦の背後にある教会の地点の山頂に敵を忍ばせましょう。そこは教会がある分、彼ら信仰の篤い修道士は魔族たちが駐留するのを嫌がっています。

 といった事情もあり、わたくしが人間である傭兵たち中心の軍を防衛に当てるよう、我が軍のブルッツェン司令官を説得しましょう」
「ほう……、内応か。まさか、そのような危険な任務を買って出るとは……。どういったつもりだ、男爵」

「実はこれはミサ宰相殿と取り決めしたことです。そちらに我が軍が寝返りをする以上、土産が必要。内部工作が要塞戦で常道でしょう。ただし我々にも条件を付けていただきたい」
「ぜひ聞きたい、これ以上のない私たちが現在興味ある話だ」

「寝返りの合図は、我々の信用できる要人によって行っていただきたい。というのも、傭兵たちは利にさとい。だが、契約を重視も致します。なら信頼できる身分の者が行わないと、傭兵たちは言うことを聞かないでしょう」
「なるほど……しかし、私はネーザンの新顔でウェストヘイムと縁がない。ウェストヘイム貴族のノーリッジ伯爵は東部からティンタジェルに向かっている最中で、それを待っている時間はない。どうしたものか……」

 彼が悩み始める中、この危険な任務に私は堂々と名乗りを上げた。

「私がやるわ、ジェラード」
「ミサ!? 何を言っている! お前が前に出るべきじゃない。戦場で前に出るなど、命の保証ができない!」

「承知の上よ。私はウェストヘイムの貴族たちとも顔見知りだし、王城フェニックスヒルで亡くなったウェストヘイム王のそばにいたこともある。

 もともと幼女宰相として、特にヴェスペリア南部では有名。私の顔や特徴を知っている傭兵も多いでしょう。元々貴族が傭兵になっているといった事情もあることだし。

 私以外この任務を果たせる者はいないわ」
「だが……」

「これはもともとオークニー男爵と決めたことよ。彼も敵軍に入って内応するって宣言した以上、命の危険を冒さないといけない。

 ここで私が逃げるわけにはいかないもの。お願いジェラード。私にやらせて」
「……。考えなおす気はないのか?」

「ええ、作戦上スピードが求められているのはみんな知っている。私が危険をかって出ないと、時間の損失が大きくなる。お願い」
「……わかった。オークニー男爵、これでよろしいか? ここまで来た以上、けいにも腹をくくっていただく」

 ジェラードの言葉にオークニー男爵は不敵に笑みを浮かべた。

「もちろん約束はたがえません。必ずあなたがたに勝利を」
「わかった、そうか……致し方ない。では、ミサ。私から頼む。命を懸けてくれ」

「ええ、このような舞台に立てて誇りに思うわ」

 と、自信たっぷり笑い、作戦会議室は笑いに満ちた。上のものが命をかけない限り、困難な勝利はつかめない。戦争中後ろでこそこそやっている人間は信用されない。私が前に出ることで解決できるなら喜んでするわ。

 ジェラードはティンタジェル要塞攻略の足掛かりになる小高い丘を自ら兵を率いて進軍する。そこに本陣を構えて、要塞を包囲する手はずとなっている。問題は先ほど言った通り、スピードだ。

 南部地域はオークニー男爵のおかげで早期に攻略ができ、相手の陣地構築がまだ不完全のうちに、虚を突いて丘を押さえたい。そのため早駆けして、ジェラードは夜に攻撃をすることにした。

 陣地の構築が不完全である以上、夜戦はかなり有利になる。こっちの方が兵が多いぶん、成功すれば安全に包囲できる。オークニー男爵の内応の件だが、それと同時に行うことになった。

 内応するのに時間をかけると相手に情報が洩れて失敗する可能性が高い。相手に動揺を与えている夜襲と同時に行うことで成功率が高まるだろう。

 もちろん私の安全も考慮されている。包囲が完成する前なら、相手も警戒してない。暗殺の可能性が限りなく低くなる。

 日が沈み、ジェラード軍と別れを告げることになり、彼は少し不安そうに言った。

「何かあったらすぐに撤退しろ、ミサ。お前は我が軍の勝利の女神だ。失うわけにはいかない。それに……」
「それに……?」

「私が未婚のうちに、未来の妻を失うような愚かな真似をさせないでくれ」
「そう……。なら、必ず生きて帰るわ。必ず」

「ああ、無事でいてくれ」
「貴方に武運を祈っているわ、行ってきます」

「わかった。全軍これより敵へと襲撃に向かう! 行くぞ!」

 彼と別れ、小回りが利くように少なく編成したダスティン大佐の軍が私の護衛に当たることとなった。彼は少し複雑な表情を浮かべた。

「まさか、幼女に命を張らせることになるとはな。ウォレムを止めるべきだった」

 彼がウォレムつまり、オークニー男爵に文句を言いたそうにしていた。私は友情の板挟みになっている彼の慰めになるよう笑みを浮かべながら言った。

「私から願い出たことよ。彼のせいでも貴方のせいじゃない」
「大の男なら止めるべきだ」

「幼女が奇跡を起こす。おとぎ話としては良いストーリーとは思わない? 吟遊詩人が好みそうな話よ」
「男としてはおいそれと、はいとは言えねえな。問題は成功するかだ」

「貴方、友達を信じてないの?」
「まさか。ウォレムは俺と違って賢い男だ。だが、奴は現在敗軍の将となってしまって、のこのこ魔族軍に戻っていった人間だ。信用されるかどうか……」

「それは私を信じてよ」
「なんで、お前さんなんだ、宰相?」

「ジェラードが言うには、私が勝利の女神らしいよ」
「ははは……。おもらししそうな女神だな」

 彼の言葉に私はダスティンの靴を思いっきり踏んづけた。彼はいてっっと言って、この……と言葉を漏らす。私たちのやり取りに緊張していた部隊が少し和やかなムードになった。

 どんどん目的地に向かい、無事到着できたところ、私を中心にたいまつを掲げ、合図を送る。だが……。

「なんだ、何も起こらねえぞ」

 ダスティンは不思議がっていた。どういうこと、オークニー男爵はまだ気づいてないのかな。私は思いっきりたいまつを振ると、後ろの方から少し物音がした。

 ──私の反応より早く、ダスティンは私をかばってともに倒れる。何が起こったのかと思って、頬が冷たくなり、何かが流れていると気づいて、私は指先で撫でた。

「え、うそ、血……?」
「矢だ、見ろ、宰相! 後ろだ」

 私が後ろの方を見ると、ぼんやりと人影が見え、護衛の兵が戦闘態勢をとる。徐々に暗闇から現れる白い髪の毛、青白い肌が星にてらされてぼんやり光った。

「まさか、レクスなの……?」
「敵が合図を送るといった情報が入ったので、ここまで来たが、まさかミサ、お前だったとはな……」

 そう、魔族軍に捕らえられたときに、ともに旅し、友情を確かなものとした魔族特殊部隊の隊長のレクス、本人だった。私は思わず動揺する中、彼は少し寂しげな瞳を浮かべながら言った。

「運命の皮肉を感じるな……。お前とこうなる日が来るとは。前に別れた時、今度は敵同士と言ったはずだ。出てきてしまった以上仕方がない、お前の命、ここで頂戴する……!」

 彼は剣を構え、こちらへと振りかぶってきた──!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。

猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。 復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。 やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、 勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。 過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。 魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、 四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。 輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。 けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、 やがて――“本当の自分”を見つけていく――。 そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。 ※本作の章構成:  第一章:アカデミー&聖女覚醒編  第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編  第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編 ※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位) ※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。  記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。  そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。 「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」  恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』

宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?

【完結】転生したら悪役継母でした

入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。 その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。 しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。 絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。 記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。 夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。 ◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆ *旧題:転生したら悪妻でした

皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜

百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。 「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」 ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!? ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……? サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います! ※他サイト様にも掲載

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

処理中です...