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僕とメリッサの戦い
第二十七話 フリューナグの第一歩
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フリューナグにつくと僕たちは検問にあった。街の入り口に兵士たちがおり、僕たちをにらんでいる、それに対しメリッサが兵士に自分たちの立場を説明しているのだろう、長い時間僕は待たされた。よくみると何やら手紙みたいな物をメリッサは手渡している。
自分たちの立場を説明しているのだろうか、だいぶ僕は待たされた。
ようやく許可が下りたのか、メリッサが近寄ってくる、だが、彼女は急に僕に抱きついてきた。兵士がいぶかしげな目で僕たちを見ていた、なんだろう、まるで僕たちの関係を見せびらかせるように彼女はいちゃつく素振りをする。
兵士たちはこそこそ相談して、手紙みたいな紙をメリッサに手渡していた、ちょっと事情が呑み込めない。
メリッサはそこにサインをし、兵士たちは僕たちを通してくれた。何があったか興味がそそったので彼女に聞いてみた。
「メリッサ、僕たちのことをなんて説明したんだい?」
「ん、ああ……。教会組織の一員だと説明した、神の教えを広める宗教団体だと。そしてお前のことは私の夫だと説明した。神の教えがあると外人とも言葉を超えて心が通じ会えると、だから、この街では私を妻だと振る舞え、私を大事にしろ」
宗教団体ってどんな手を使ってその証明を手に入れたんだろう。いやそれよりも妻って……、メリッサはシスターとかそういうのじゃない身分ってことか、いやこの世界の宗教団体の仕組みが良くわからないから当てはまるかどうかわからない。
でもそういうことは僕にとってどうでもよかった。それにしても妻かあ、良い響きだなあ。
僕は少し感じ入っているとメリッサは僕と腕を組み始めた。それに対し慌てて僕は咎めた。
「ちょっと、目立つのはよした方が良いんじゃないか」
僕は動揺した。だが、メリッサは首を振り、「周りをよく見ろ」と言う。
彼女の言われたとおり周りを見ていると男女が腕を組んだり、手をつないだりしていた、この街はいままでとは違い、どこか温かい雰囲気がある。
「フリューナグは仲の良い貴族の夫婦が作った街なんだ。そのためここら辺では愛の聖地だという評判で、この街を過ごした夫婦は幸せになるという伝説がある。郷に入っては郷に従えだ。いつも通り仲良くすれば良い、ねえ、ダンナさま?」
身体中の水分が沸騰しそうになった。ダンナさまって……そんな甘い声でささやくなよ興奮するだろ、やめてくれ。僕はそんな誘惑に僕は負けたりしない。男として毅然とした態度で、高らかに宣言した。
「おう、僕についてこい」
そう言うと彼女は腕に強く絡み、柔らかな胸を押しつけてくる。見た目ではわからないけど結構ボリュームあるな。しかも、彼女は、そのブラジャー着けていないから感触が……!
いやいや、何を考えているんだいちいち反応するなんて大人げない。十代の若者じゃないんだぞ冷静だ冷静になれ。そうやって、僕はギクシャクしながら街を歩く。
彼女の言っていたとおり人が多い。歩く人もそうだが、店舗として構えてる店がたくさんあった。
リッカも人が多かったが脇道にそれると人はいなかったし、市では店は地べたに座って、しきものを敷いて商売していたが、フリューナグの表街道はすべて店舗として構えてある。
屋根は赤い煉瓦でとても丈夫そうだ、壁もしっかりしてある、大都市になるとこうなるのか。中世は一様なイメージがあったが、街によって全然違うな。
「ねえ、メリッサちょっと寄りたいところがあるんだけど」
僕はメリッサにそう告げると店を探した。
――――――――――――――――――――
「……お前にこんな趣味があったとはな」
買い物を終えるとメリッサはやれやれといった感じで、僕の戦利品を見つめている。
「いっておくが私にそういう趣味はないぞ、私に使うなんて不届きなことをすれば、怒りの蹴りを覚悟しろ」
メリッサが変なことを言うので僕は、柔らかくかつ必死に弁明した。
「そんないかがわしい物を買ったようなふうには言わないでくれ、僕の戦い方に必要な物だ」
「ふ~ん戦いねえ。まあお前のやりたいようにしろ。それよりも私の買い物にも付き合え」
僕たちは腕を組みながら街を練り歩く、メリッサは野菜や肉やら食材をたくさん買っていた。
「この街ではいろんな食材が手に入るからな、私の手料理を食べさせてやる。しっかり精をつけてもらわないとな」
精ってそういうことを思い浮かべるから冗談でもやめてくれ、そばにいて平静を保つのでやっとなんだから。
彼女は楽しそうに食材を選ぶ。本当に夫婦みたいな時間だった。僕たちはいろんなことを話し、あれが美味しそうだとか、あれはよくないとか、日常会話を楽しんでいた。
会話が楽しいと思ったのは初めてかもしれない、僕は死ぬ前、本当に心から会話したことがあったのだろうか? 今ではわからない。でも今言えることはただ、幸せだ。
買い物を済ませたあと日が暮れる前に宿を決めることにした。かなり大きな建物で二十人は泊まれるだろう、三階建てでアパートみたいだ。
彼女は宿屋に関係を説明する際、夫婦だと説明した。
「そうです~ゆづったら可愛くて私チューしちゃったんです」
彼女は両手を頬に当てて愛らしい仕草をした、また萌え演技をする、ああ、でも、可愛いなあ。みてください、この可愛い生きモノ、僕のカノジョなんです。違う違う大人イメージを保て冷静に冷静に。突然メリッサが宿屋の主人の手を取ったんで、とっさに僕は咳払いをする。
メリッサがそれに気づくと男の主人から手を放す。彼女はこちらに寄ってきて、
「なんだ~妬いているのか?」
と、意地悪そうに僕を見つめている。
「そうだ、メリッサ、君は僕のモノだ。気をつけなさい」
僕の気取った強がりに、大笑いした彼女は満面の笑顔で僕の頬にキスをする。相変わらずしっとりとして柔らかい唇、本当、癖になるなこれは。宿屋の主人は夫婦と云うことを信じたらしく、あきれた様子で僕たちの宿泊を認めた。
時間が過ぎ、僕たちが部屋に入り荷物を整理したあと、突然、戦の火ぶたが切られようとしていた。
「エインヘリャルが来る!」
寒気がしだす、またもや殺し合いになる……! 僕はとっさに精神統一をし、これから起こるであろう、血なまぐさい光景を想像し全身の神経を尖らせた。──僕は考えられる限りの戦闘準備をして外に出た。
MP7A1を手にし襲撃に備えた。どこだ――どこから来る――? ん、どこからか悲鳴が聞こえてくるぞ。何だ何が起こっている?
「敵はすごい早さでやってくるぞ……!」
おいおい、メリッサ、だってここは表通りだぞ、人混みの中どうやって……。
だが、敵は人混みなど気にする必要はなかった、走りながら人間を弾き飛ばしている。その姿を見たとき、
ゆうに2メートルを超えた大男がこちらに向かって走り込んできた――!
自分たちの立場を説明しているのだろうか、だいぶ僕は待たされた。
ようやく許可が下りたのか、メリッサが近寄ってくる、だが、彼女は急に僕に抱きついてきた。兵士がいぶかしげな目で僕たちを見ていた、なんだろう、まるで僕たちの関係を見せびらかせるように彼女はいちゃつく素振りをする。
兵士たちはこそこそ相談して、手紙みたいな紙をメリッサに手渡していた、ちょっと事情が呑み込めない。
メリッサはそこにサインをし、兵士たちは僕たちを通してくれた。何があったか興味がそそったので彼女に聞いてみた。
「メリッサ、僕たちのことをなんて説明したんだい?」
「ん、ああ……。教会組織の一員だと説明した、神の教えを広める宗教団体だと。そしてお前のことは私の夫だと説明した。神の教えがあると外人とも言葉を超えて心が通じ会えると、だから、この街では私を妻だと振る舞え、私を大事にしろ」
宗教団体ってどんな手を使ってその証明を手に入れたんだろう。いやそれよりも妻って……、メリッサはシスターとかそういうのじゃない身分ってことか、いやこの世界の宗教団体の仕組みが良くわからないから当てはまるかどうかわからない。
でもそういうことは僕にとってどうでもよかった。それにしても妻かあ、良い響きだなあ。
僕は少し感じ入っているとメリッサは僕と腕を組み始めた。それに対し慌てて僕は咎めた。
「ちょっと、目立つのはよした方が良いんじゃないか」
僕は動揺した。だが、メリッサは首を振り、「周りをよく見ろ」と言う。
彼女の言われたとおり周りを見ていると男女が腕を組んだり、手をつないだりしていた、この街はいままでとは違い、どこか温かい雰囲気がある。
「フリューナグは仲の良い貴族の夫婦が作った街なんだ。そのためここら辺では愛の聖地だという評判で、この街を過ごした夫婦は幸せになるという伝説がある。郷に入っては郷に従えだ。いつも通り仲良くすれば良い、ねえ、ダンナさま?」
身体中の水分が沸騰しそうになった。ダンナさまって……そんな甘い声でささやくなよ興奮するだろ、やめてくれ。僕はそんな誘惑に僕は負けたりしない。男として毅然とした態度で、高らかに宣言した。
「おう、僕についてこい」
そう言うと彼女は腕に強く絡み、柔らかな胸を押しつけてくる。見た目ではわからないけど結構ボリュームあるな。しかも、彼女は、そのブラジャー着けていないから感触が……!
いやいや、何を考えているんだいちいち反応するなんて大人げない。十代の若者じゃないんだぞ冷静だ冷静になれ。そうやって、僕はギクシャクしながら街を歩く。
彼女の言っていたとおり人が多い。歩く人もそうだが、店舗として構えてる店がたくさんあった。
リッカも人が多かったが脇道にそれると人はいなかったし、市では店は地べたに座って、しきものを敷いて商売していたが、フリューナグの表街道はすべて店舗として構えてある。
屋根は赤い煉瓦でとても丈夫そうだ、壁もしっかりしてある、大都市になるとこうなるのか。中世は一様なイメージがあったが、街によって全然違うな。
「ねえ、メリッサちょっと寄りたいところがあるんだけど」
僕はメリッサにそう告げると店を探した。
――――――――――――――――――――
「……お前にこんな趣味があったとはな」
買い物を終えるとメリッサはやれやれといった感じで、僕の戦利品を見つめている。
「いっておくが私にそういう趣味はないぞ、私に使うなんて不届きなことをすれば、怒りの蹴りを覚悟しろ」
メリッサが変なことを言うので僕は、柔らかくかつ必死に弁明した。
「そんないかがわしい物を買ったようなふうには言わないでくれ、僕の戦い方に必要な物だ」
「ふ~ん戦いねえ。まあお前のやりたいようにしろ。それよりも私の買い物にも付き合え」
僕たちは腕を組みながら街を練り歩く、メリッサは野菜や肉やら食材をたくさん買っていた。
「この街ではいろんな食材が手に入るからな、私の手料理を食べさせてやる。しっかり精をつけてもらわないとな」
精ってそういうことを思い浮かべるから冗談でもやめてくれ、そばにいて平静を保つのでやっとなんだから。
彼女は楽しそうに食材を選ぶ。本当に夫婦みたいな時間だった。僕たちはいろんなことを話し、あれが美味しそうだとか、あれはよくないとか、日常会話を楽しんでいた。
会話が楽しいと思ったのは初めてかもしれない、僕は死ぬ前、本当に心から会話したことがあったのだろうか? 今ではわからない。でも今言えることはただ、幸せだ。
買い物を済ませたあと日が暮れる前に宿を決めることにした。かなり大きな建物で二十人は泊まれるだろう、三階建てでアパートみたいだ。
彼女は宿屋に関係を説明する際、夫婦だと説明した。
「そうです~ゆづったら可愛くて私チューしちゃったんです」
彼女は両手を頬に当てて愛らしい仕草をした、また萌え演技をする、ああ、でも、可愛いなあ。みてください、この可愛い生きモノ、僕のカノジョなんです。違う違う大人イメージを保て冷静に冷静に。突然メリッサが宿屋の主人の手を取ったんで、とっさに僕は咳払いをする。
メリッサがそれに気づくと男の主人から手を放す。彼女はこちらに寄ってきて、
「なんだ~妬いているのか?」
と、意地悪そうに僕を見つめている。
「そうだ、メリッサ、君は僕のモノだ。気をつけなさい」
僕の気取った強がりに、大笑いした彼女は満面の笑顔で僕の頬にキスをする。相変わらずしっとりとして柔らかい唇、本当、癖になるなこれは。宿屋の主人は夫婦と云うことを信じたらしく、あきれた様子で僕たちの宿泊を認めた。
時間が過ぎ、僕たちが部屋に入り荷物を整理したあと、突然、戦の火ぶたが切られようとしていた。
「エインヘリャルが来る!」
寒気がしだす、またもや殺し合いになる……! 僕はとっさに精神統一をし、これから起こるであろう、血なまぐさい光景を想像し全身の神経を尖らせた。──僕は考えられる限りの戦闘準備をして外に出た。
MP7A1を手にし襲撃に備えた。どこだ――どこから来る――? ん、どこからか悲鳴が聞こえてくるぞ。何だ何が起こっている?
「敵はすごい早さでやってくるぞ……!」
おいおい、メリッサ、だってここは表通りだぞ、人混みの中どうやって……。
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