26 / 211
見えない敵
第二十六話 二人の距離②
しおりを挟む
僕とメリッサは森の中で腕を組みながら歩いていた、誰も見ていないが何か気恥ずかしい。昨日の今日だ、まるで中学生のような気分でいるが、それに対し、メリッサは何か民族音楽みたいな歌を歌っている。
きれいで透き通った声。小鳥との合唱が静かな森に鳴り響く、なんだか心が温まる。朝からずっと歩きっぱなしだけど、全然疲労感がない、むしろ心が安らいでいく。だが、突然、なんだか急に、メリッサはそわそわし出す。
「なあ、ちょっと一休みしないか」
急にどうしたんだろう、具合が悪いのだろうか。
「どうかしたのかい、お姫様」
僕の言葉に白く透き通った肌がほのかに赤く染まった。
「私は疲れたんだ!」
元気いっぱいじゃないか、でも彼女が休みたいというのなら言うとおりにしよう、ぐだぐだ揉めてケンカになったら大変だ。
僕たちは木陰に入って休んだ、メリッサはそわそわが止まらない、すごく顔が紅潮していた。何故か色気を感じてしまう、僕はキスを待っているのかと思って体を近づける、──が。
彼女はさっと僕を避ける、どうしたんだ? かなり変だ、たまにこういうときがある。で、途中でどこかに消えることさえある。
何だろう、気になるけど、女の子の心に土足で踏み込んで話していいものかと戸惑う。でも、ヴァルキュリアの特異の現象かもしれない。
メリッサはあたりを見渡し慌てた様子で、「少し索敵に出てくる」と言ったので、
「じゃあ僕も」と言うと、
「ついてくるな!」
と、本気で怒られてしまった。何故だろう、彼女を怒らせてしまった、いったいなんなんだろうか、彼女は慌てて森の中に入っていった。まあ、待っているのも退屈だから、僕は草陰で尿意を片づける。全部出し終わってからふと気づいた。
あ、そうか、僕と同じなんだ、神様といっても。飲み物や食べ物を食べているんだから外に出さなければいけないよな。
そうか、そうか。
ふと、思わず行為をしているメリッサを思い浮かべてしまった。まて、だめだそれはいけない、あまりにも禁断の領域だ、絶対に想像してはいけないのがエチケット、紳士協定で決まっている。キモいおっさんとして嫌われたくないからな。
僕は長い時間木々を眺めながら待っている、が結構長い。いや、長く感じているのか。こうなるならメリッサに銃を出してもらって射撃訓練を行っていればよかったなあ、だが、急に森がざわめきだす。
「きゃあああ――!」
あの声はメリッサ!
「メリッサどうした!」
心がざわめく、メリッサになにかあったのか!?
「メリッサどうしたんだ! メリッサ!」
声の元へと駆けつけに行く。
「へ、佑月? わ、来るな来るな!」
来るな? 来ちゃダメなのか、状況がわからない。よく考えると僕に見られたらまずい状況かもしれない、ちゃんとこういうときに気を回さないとな。危ない危ない。何分か時間をおいたあと、メリッサは、「来て良いぞ、というか来てくれ早く、きゃあ!」と叫び声をあげた。
僕は急いで彼女の元へ向かう、が、見て驚いた。メリッサは襲われていた、なんか虫っぽいモノに。
「うわ、うわあああ!」
彼女は目一杯、叫び声を上げたが、それもそのはず、その虫はなんかゲジゲジしていてウニョウニョしていて、しかも足がいっぱいあって黒光りだ。そしてデカい、マジでキモい、それが数匹、彼女の髪や肩についていた。女なら、いや男でも悲鳴を上げる状況だ。
「佑月! 取って、取ってくれ、私はゲジゲジしていてウニョウニョしていて、足がいっぱいあって黒光りでデカい虫はダメなんだ。助けてくれ!」
見事にメリッサの天敵だな、おめでとう虫。
僕はすぐにその虫を捕ろうとする、ううキモい、動きは遅かったのですぐに捕まえられたが、感触がヌルヌルしてグニョグニョして気持ち悪い。くっ……。
でもここは男だ、僕はすぐさま捨てて別の虫を捕っていく、男だから、気持ち悪いのを我慢する。
「とったよ」
と言ってなるべく紳士的に優しく告げた。
「本当か? なら服の中も見てくれ、虫が入ってるかもしれない」
メリッサは服のひもを解き上半身をはだけさせる。美しいうなじ、天使の羽が生えているかのような白銀の肌の背中に情欲がわいてくるが我慢をする。
「ついていないよ 」
僕は正気を保つので精一杯だったが、きちんと見て確認した。おい下心ないぞ、気をつけたまえ、女は視線に敏感だからな。ちゃんと彼女のことを考えねば。メリッサに嫌われたくないからね。それに対し彼女は安心した様子で言ってきた。
「じゃあ、スカートの中も見てくれ」
え、いいんですか? ホントに見るよ、おじさん見るよ。こらえろ、こらえて、冷静になれ。メリッサはスカートの後ろ部分をたくし上げて確認させる。
「どうだ?」
最高です、いや違う、メリッサの下半身は下着を着けていない、尻の筋肉が引き締まってつんと上向いて曲線美を描いている。
足も細く引き締まって美しい、ほどほどについた筋肉で曲線がきれいなバランスで長くのびており、つやつやした白い肌が光に反射して輝いている、──美しすぎる。
このままずっと眺めていたかったけど、紳士協定でこれ以上見てはいけない。冷静に冷静に。そして、
「ついてないよ、前のほうはどうだい?」
と、思わず僕が言うと、メリッサは、「前は自分で確認すれば良いだろ!」と、むすっと言う。すみません、これが男なんです。
彼女は後ろ向きで腕を広げたりスカートをまくったりして確認していた。それが何だか女の子女の子してて可愛かった。
「よし、ついてない」
ホッとすると衣服を整えていく、そうだ、やっぱり女の子なんだな、時々中に男が入ってるかと思う時があるけどやっぱ女の子じゃないか。
「ところでメリッサ」
僕の言葉に彼女はこちらへ向いた。
「出すモノは全部出したか?」
――その刹那、高速のひじ鉄が僕のみぞうちに入る! ぐはっ! 僕は息ができなくなって膝を折って胸をさすっていた。
「ええ、とても快適でしたわ。お・じ・さ・ま」
ひどく張りのあって低いトーンで一言一言ゆっくりとメリッサは言う、──しまった油断していた……!
――――――――――――――――――――――――
「だから、ごめん。許してって」
メリッサは何も言わず無言で冷たい目で僕を蔑んでいた、これがもう十五分ぐらい続いていた。何気ない一言で信頼というのは一気に崩れ落ちる。
「ホントごめん僕がわるかったって。このとおり」
ひたすら僕は頭を下げる、メリッサは無言で僕を虫けらのように見つめていた。怖い、怖い、やめて、もう助けて……! 緊迫した空間のまま僕たちは森を歩き続けた。
「ごめんなさい! このとおり。このとおりだから!」
頭を下げまくると、今度はメリッサもどうやら怒り疲れたのだろう、深々とため息をついた。
「お前情けないな。三十五のおっさんが見た目十代の女に平謝りして、恥ずかしくないのか、プライドはないのか? ああ?」
十代の美少女にゴミくずのように蔑まれるくらいならいくらでも頭を下げる、背筋が凍るし、怖いもの。
「ああそう、まあいいよ。わかったよ、許してやる」
どうやらお姫様からお許しの言葉が出たので、
「ありがとう。素敵だよメリッサ」
と、僕はほっと胸をなで下ろした。
「その代わりだ、一言一句まねしろよ……!」
彼女の言葉に従順にわかったと僕はうなずいた。
「もうこんなことは僕は言いません」
「もうこんなことは僕は言いません」
僕はメリッサに続けて言う。そして──
「僕はメリッサをカノジョとして愛します」
え? メリッサから出た言葉に僕は戸惑ってしまった。
「どうした? 早く言え」
言えって言われても……。ええい、この際だ胸を張って大きな声で男としてはっきり言ってしまおう。
「僕はメリッサをカノジョとして愛します!」
「よし! 私を大切にしろよ、佑月!」
メリッサはこんな僕にでも抱きついてきた、僕は彼女の肩に腕をまわす、良かった……。幸せだ。なんて可愛い娘なんだ、こんな娘とカノジョだなんて。
僕はそのまま柔らかな彼女の身体とひっつきながらゆっくり次の街へ向かった。ああ、いいなこういうの、いつかどこかで忘れていた気分だ。鳥たちもさわやかに鳴く、昼下がり、僕たちの頭上にやわらかく陽光が煌めいてた。
きれいで透き通った声。小鳥との合唱が静かな森に鳴り響く、なんだか心が温まる。朝からずっと歩きっぱなしだけど、全然疲労感がない、むしろ心が安らいでいく。だが、突然、なんだか急に、メリッサはそわそわし出す。
「なあ、ちょっと一休みしないか」
急にどうしたんだろう、具合が悪いのだろうか。
「どうかしたのかい、お姫様」
僕の言葉に白く透き通った肌がほのかに赤く染まった。
「私は疲れたんだ!」
元気いっぱいじゃないか、でも彼女が休みたいというのなら言うとおりにしよう、ぐだぐだ揉めてケンカになったら大変だ。
僕たちは木陰に入って休んだ、メリッサはそわそわが止まらない、すごく顔が紅潮していた。何故か色気を感じてしまう、僕はキスを待っているのかと思って体を近づける、──が。
彼女はさっと僕を避ける、どうしたんだ? かなり変だ、たまにこういうときがある。で、途中でどこかに消えることさえある。
何だろう、気になるけど、女の子の心に土足で踏み込んで話していいものかと戸惑う。でも、ヴァルキュリアの特異の現象かもしれない。
メリッサはあたりを見渡し慌てた様子で、「少し索敵に出てくる」と言ったので、
「じゃあ僕も」と言うと、
「ついてくるな!」
と、本気で怒られてしまった。何故だろう、彼女を怒らせてしまった、いったいなんなんだろうか、彼女は慌てて森の中に入っていった。まあ、待っているのも退屈だから、僕は草陰で尿意を片づける。全部出し終わってからふと気づいた。
あ、そうか、僕と同じなんだ、神様といっても。飲み物や食べ物を食べているんだから外に出さなければいけないよな。
そうか、そうか。
ふと、思わず行為をしているメリッサを思い浮かべてしまった。まて、だめだそれはいけない、あまりにも禁断の領域だ、絶対に想像してはいけないのがエチケット、紳士協定で決まっている。キモいおっさんとして嫌われたくないからな。
僕は長い時間木々を眺めながら待っている、が結構長い。いや、長く感じているのか。こうなるならメリッサに銃を出してもらって射撃訓練を行っていればよかったなあ、だが、急に森がざわめきだす。
「きゃあああ――!」
あの声はメリッサ!
「メリッサどうした!」
心がざわめく、メリッサになにかあったのか!?
「メリッサどうしたんだ! メリッサ!」
声の元へと駆けつけに行く。
「へ、佑月? わ、来るな来るな!」
来るな? 来ちゃダメなのか、状況がわからない。よく考えると僕に見られたらまずい状況かもしれない、ちゃんとこういうときに気を回さないとな。危ない危ない。何分か時間をおいたあと、メリッサは、「来て良いぞ、というか来てくれ早く、きゃあ!」と叫び声をあげた。
僕は急いで彼女の元へ向かう、が、見て驚いた。メリッサは襲われていた、なんか虫っぽいモノに。
「うわ、うわあああ!」
彼女は目一杯、叫び声を上げたが、それもそのはず、その虫はなんかゲジゲジしていてウニョウニョしていて、しかも足がいっぱいあって黒光りだ。そしてデカい、マジでキモい、それが数匹、彼女の髪や肩についていた。女なら、いや男でも悲鳴を上げる状況だ。
「佑月! 取って、取ってくれ、私はゲジゲジしていてウニョウニョしていて、足がいっぱいあって黒光りでデカい虫はダメなんだ。助けてくれ!」
見事にメリッサの天敵だな、おめでとう虫。
僕はすぐにその虫を捕ろうとする、ううキモい、動きは遅かったのですぐに捕まえられたが、感触がヌルヌルしてグニョグニョして気持ち悪い。くっ……。
でもここは男だ、僕はすぐさま捨てて別の虫を捕っていく、男だから、気持ち悪いのを我慢する。
「とったよ」
と言ってなるべく紳士的に優しく告げた。
「本当か? なら服の中も見てくれ、虫が入ってるかもしれない」
メリッサは服のひもを解き上半身をはだけさせる。美しいうなじ、天使の羽が生えているかのような白銀の肌の背中に情欲がわいてくるが我慢をする。
「ついていないよ 」
僕は正気を保つので精一杯だったが、きちんと見て確認した。おい下心ないぞ、気をつけたまえ、女は視線に敏感だからな。ちゃんと彼女のことを考えねば。メリッサに嫌われたくないからね。それに対し彼女は安心した様子で言ってきた。
「じゃあ、スカートの中も見てくれ」
え、いいんですか? ホントに見るよ、おじさん見るよ。こらえろ、こらえて、冷静になれ。メリッサはスカートの後ろ部分をたくし上げて確認させる。
「どうだ?」
最高です、いや違う、メリッサの下半身は下着を着けていない、尻の筋肉が引き締まってつんと上向いて曲線美を描いている。
足も細く引き締まって美しい、ほどほどについた筋肉で曲線がきれいなバランスで長くのびており、つやつやした白い肌が光に反射して輝いている、──美しすぎる。
このままずっと眺めていたかったけど、紳士協定でこれ以上見てはいけない。冷静に冷静に。そして、
「ついてないよ、前のほうはどうだい?」
と、思わず僕が言うと、メリッサは、「前は自分で確認すれば良いだろ!」と、むすっと言う。すみません、これが男なんです。
彼女は後ろ向きで腕を広げたりスカートをまくったりして確認していた。それが何だか女の子女の子してて可愛かった。
「よし、ついてない」
ホッとすると衣服を整えていく、そうだ、やっぱり女の子なんだな、時々中に男が入ってるかと思う時があるけどやっぱ女の子じゃないか。
「ところでメリッサ」
僕の言葉に彼女はこちらへ向いた。
「出すモノは全部出したか?」
――その刹那、高速のひじ鉄が僕のみぞうちに入る! ぐはっ! 僕は息ができなくなって膝を折って胸をさすっていた。
「ええ、とても快適でしたわ。お・じ・さ・ま」
ひどく張りのあって低いトーンで一言一言ゆっくりとメリッサは言う、──しまった油断していた……!
――――――――――――――――――――――――
「だから、ごめん。許してって」
メリッサは何も言わず無言で冷たい目で僕を蔑んでいた、これがもう十五分ぐらい続いていた。何気ない一言で信頼というのは一気に崩れ落ちる。
「ホントごめん僕がわるかったって。このとおり」
ひたすら僕は頭を下げる、メリッサは無言で僕を虫けらのように見つめていた。怖い、怖い、やめて、もう助けて……! 緊迫した空間のまま僕たちは森を歩き続けた。
「ごめんなさい! このとおり。このとおりだから!」
頭を下げまくると、今度はメリッサもどうやら怒り疲れたのだろう、深々とため息をついた。
「お前情けないな。三十五のおっさんが見た目十代の女に平謝りして、恥ずかしくないのか、プライドはないのか? ああ?」
十代の美少女にゴミくずのように蔑まれるくらいならいくらでも頭を下げる、背筋が凍るし、怖いもの。
「ああそう、まあいいよ。わかったよ、許してやる」
どうやらお姫様からお許しの言葉が出たので、
「ありがとう。素敵だよメリッサ」
と、僕はほっと胸をなで下ろした。
「その代わりだ、一言一句まねしろよ……!」
彼女の言葉に従順にわかったと僕はうなずいた。
「もうこんなことは僕は言いません」
「もうこんなことは僕は言いません」
僕はメリッサに続けて言う。そして──
「僕はメリッサをカノジョとして愛します」
え? メリッサから出た言葉に僕は戸惑ってしまった。
「どうした? 早く言え」
言えって言われても……。ええい、この際だ胸を張って大きな声で男としてはっきり言ってしまおう。
「僕はメリッサをカノジョとして愛します!」
「よし! 私を大切にしろよ、佑月!」
メリッサはこんな僕にでも抱きついてきた、僕は彼女の肩に腕をまわす、良かった……。幸せだ。なんて可愛い娘なんだ、こんな娘とカノジョだなんて。
僕はそのまま柔らかな彼女の身体とひっつきながらゆっくり次の街へ向かった。ああ、いいなこういうの、いつかどこかで忘れていた気分だ。鳥たちもさわやかに鳴く、昼下がり、僕たちの頭上にやわらかく陽光が煌めいてた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる