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スナイパー同士の戦い
第五十九話 作戦看破
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「どういうことだ? 絶望的だと言っていたじゃないか、何か必勝の策が思いついたのか?」
メリッサの問いに軽く明朗な口調で答える。
「必勝の策なんてないよ。ただ作戦は思いついた。僕は自信がある」
「佑月……」
メリッサは瞳を潤ませて、繊細な指を丸め拳状に力強く握った。心が砕けそうな状況から勝利方法があることに感激したみたいだ。
「何か私にも協力できることはないか?」
「無論、君の力が必要だ。僕に力を貸してくれ」
「もちろんだ、任せてくれ」
僕たちはまず、朝食を済ませた、メリッサが料理の材料を買うタイミングが無かったため、宿のまずい食事だった、まあ、それくらい我慢しよう。食事も終わり、本題の話に入る。
「まずは買い物だ。僕の言ったとおりのものをそろえてくれ」
メリッサは小さく頷いた。
「つぎに弾が撃たれたあとの地面を調べてくれ」
「別段かまわないが、危険な任務だな、そこは敵の目標となったところだから」
僕は頬を弛め、自分の考えを柔らかく教えた。
「君はフード付きのマントを着けていれば狙われることはないよ、僕が保証する。安心してくれ」
「……どういう意味だ?」
彼女は少し言葉の真意をつかみかねず、眉をひそめた。
「その言葉の意味通りと思ってくれて構わない。まあ、とりあえずやってみれば解ると思うよ」
彼女は不思議そうな顔をしてこちらをみていたが、僕が自信満々に胸を張っているのを見て、何やら腑に落ちたようで、力みの無く部屋のドアから外に出た。
三時間ほどたっただろうかメリッサが戻ってきた、どうやら嬉しそうに微笑を浮かべていた。
「本当に襲撃されなかったぞ、どういうことだ?」
「いつか説明するよ、頼んだものは手に入ったかい」
「コンパスに毛皮、この地域の精密な地図、あと運びやすく腐りにくい食料」
まるで見せびらかすように、袋からどんどん道具を持ち出してきた。僕はそれらを見定めてちゃんと使えるような代物で安心した。
「ありがとう完璧だ」
「コンパスを手に入れるのに苦労したぞ、製図職人に頼み込んで譲ってもらったくらいだ」
「まあ中世だからね」
まず、地図を広げた。彼女は優秀だ、襲撃された場所と飛んできた弾の方向を矢印で記してくれている、その地図を手に取りつぶさに見るとかなり緻密に描かれていて、立派なものだった。どこの時代の世界でも職人はいるものだと感心する。
「この世界では1単位何メートルだ、地図の記号の単位がわからない」
「ここではニノという単位を使う、だいたい1ニノは12.3メートルだ」
よし、なら地図の目盛りから距離を計算しよう。
「まず一番始めに狙われた広場で考えると、スナイパーライフルの狙撃距離はだいたい1500メートルから2000メートル。それくらいの距離だったらスコープつきなら相手に見つかることもなく精密に狙撃できる」
そうメリッサに告げて僕はコンパスで2000メートルぐらいを地図の目安に測って合わせ、丸い記号で書かれていた矢印を読み取り、弾が飛んできた方向を記してくれていたのでコンパスの先を置き、その方角に左右九〇度つまり、半円を描く。
「最初は正確な狙撃を行っていた、しかし終わりの頃の弾はすべて手前に落ちていった。これは実はスナイパーライフルの弾道は2500メートル前後から減速し直進力を失い落下していく。スコープでのぞいた距離より手前に弾が落ちていく。
つまり2500メートルから3000メートルくらいの距離から撃たれたということだ、それを計算すると」
僕は地図に記された襲撃が終わった時の弾痕から敵の方角を予測して、またコンパスで測量し、3000メートルを計って矢印の方向へ、左右に半円を描く。
「ということはそのほかの場所は約1500メートルから2500メートルぐらいで、撃たれたわけだ。もしそれ以内だったら精度の高い狙撃で僕はきっと、この世にはいないだろう」
撃たれた場所から矢印の方向へ2500メートルを計ってまた左右に半円を描く。そうするとまるで地図からスナイパーの顔が浮かび上がって来たようだ。
「コンパスが示してある線、地図で半円たちがすべて交わった範囲。そう、この山に敵はいる」
最後に僕は、この町の北北東の山を指さす。メリッサは目を見開いた。
「すごいな、お前。どうしたらこんな発想が思いつくんだ」
「相手の気持ちになればわかることさ」
満足げにする彼女の笑みは朗らかで、僕たちの明るい未来を表現していた。
「すぐ襲撃に向かおう! この敵は危険だ!」
メリッサは気持ちが高揚して、はやりにはやっている。
「待ってくれ、まだやることがある」
「なんだ?」
「僕が今エインヘリャルの位置を見抜いた、だがもう一つ、敵の手口を潰さないと」
僕はフード付きのマントをかぶって外に出て二人して走っていた。中央街道に入ったところで空に赤い光が指し示される。瞬く間に走った先に銃弾が飛んできた。僕の足を止めるためだ、急いで方向転換しないと狙撃される。
脇道に入って銃撃の嵐が飛んで来た、土煙を立てながら上から屋根の残骸が落っこちてくる、相手の一を把握しながら、僕は他の道へと走り込む。また空に赤い光が指し示された、繰り返される銃弾の嵐。
そうやって敵の狙撃か逃れると赤い光が見えなくなる。時機に銃撃は止まった。
途中から二人は別れていたため、三階建ての三段目の家の窓からメリッサが手を振っていたので合流した。
「成る程そういうことか、このヴァルキュリアがスナイパーと別行動して、エインヘリャルつまり佑月の位置を教えていた、そういうことだろ」
「ああ」
「離せえええ――」
赤毛で短髪の幼く10歳ぐらいのとしに見える少女が甲冑を身につけており、その娘をこれでもかと力任せにメリッサが組み伏していた。手には赤い鏡を持っている。
「ラグナロクの摂理によると、最初の狙撃の時、敵は僕をエインヘリャルと判別がつかないはずなのに確実に狙撃していた。それは何故か? ヴァルキュリアが居場所を教えていたからだ。
ヴァルキュリアは100メートル範囲で気配を察知するか、直視するという方法でエインヘリャルを見つける。スコープは拡大させるだけの装置なので双眼鏡みたいに使えない。つまり僕たちの近くにヴァルキュリアの観測者がいたと言うことだ。
そして僕を追尾し鏡を使って、空に赤い光をかかげその直下にいる僕をスコープで照準を合わせ狙い撃ちにする。こういう戦い方だ、そうだろ?
赤毛のヴァルキュリアの、困ったちゃん」
「ううっ……」
「なるほど私が顔を隠して外に出ても狙われなかったのはそのせいか」
「離せーったら、離せー! 私は実は強いんだぞー、離せー!」
赤毛の幼女はじたばたするが相手はメリッサだ、そこら辺の大の男より力が強い。抵抗は無意味だ。
「さてどうする。裸にひんむいて亀甲縛りにするか」
メリッサは喜々としてひどい言葉を放つ。
「それは児童ポルノに引っかかる、だめだ。それよりもそのままヴァルキュリアを捕まえていて、君はその赤い鏡で適当に狙撃ポイントを指し示してくれ」
「お前はどうする」
「倒しに行くのさスナイパーを」
メリッサは静かに頷く。僕は笑みを返し二人は離ればなれになった。駆け出して軽い足取りで敵の方角へと向かう。……この時の僕は長く辛い戦いになろうとは思っていなかった――
メリッサの問いに軽く明朗な口調で答える。
「必勝の策なんてないよ。ただ作戦は思いついた。僕は自信がある」
「佑月……」
メリッサは瞳を潤ませて、繊細な指を丸め拳状に力強く握った。心が砕けそうな状況から勝利方法があることに感激したみたいだ。
「何か私にも協力できることはないか?」
「無論、君の力が必要だ。僕に力を貸してくれ」
「もちろんだ、任せてくれ」
僕たちはまず、朝食を済ませた、メリッサが料理の材料を買うタイミングが無かったため、宿のまずい食事だった、まあ、それくらい我慢しよう。食事も終わり、本題の話に入る。
「まずは買い物だ。僕の言ったとおりのものをそろえてくれ」
メリッサは小さく頷いた。
「つぎに弾が撃たれたあとの地面を調べてくれ」
「別段かまわないが、危険な任務だな、そこは敵の目標となったところだから」
僕は頬を弛め、自分の考えを柔らかく教えた。
「君はフード付きのマントを着けていれば狙われることはないよ、僕が保証する。安心してくれ」
「……どういう意味だ?」
彼女は少し言葉の真意をつかみかねず、眉をひそめた。
「その言葉の意味通りと思ってくれて構わない。まあ、とりあえずやってみれば解ると思うよ」
彼女は不思議そうな顔をしてこちらをみていたが、僕が自信満々に胸を張っているのを見て、何やら腑に落ちたようで、力みの無く部屋のドアから外に出た。
三時間ほどたっただろうかメリッサが戻ってきた、どうやら嬉しそうに微笑を浮かべていた。
「本当に襲撃されなかったぞ、どういうことだ?」
「いつか説明するよ、頼んだものは手に入ったかい」
「コンパスに毛皮、この地域の精密な地図、あと運びやすく腐りにくい食料」
まるで見せびらかすように、袋からどんどん道具を持ち出してきた。僕はそれらを見定めてちゃんと使えるような代物で安心した。
「ありがとう完璧だ」
「コンパスを手に入れるのに苦労したぞ、製図職人に頼み込んで譲ってもらったくらいだ」
「まあ中世だからね」
まず、地図を広げた。彼女は優秀だ、襲撃された場所と飛んできた弾の方向を矢印で記してくれている、その地図を手に取りつぶさに見るとかなり緻密に描かれていて、立派なものだった。どこの時代の世界でも職人はいるものだと感心する。
「この世界では1単位何メートルだ、地図の記号の単位がわからない」
「ここではニノという単位を使う、だいたい1ニノは12.3メートルだ」
よし、なら地図の目盛りから距離を計算しよう。
「まず一番始めに狙われた広場で考えると、スナイパーライフルの狙撃距離はだいたい1500メートルから2000メートル。それくらいの距離だったらスコープつきなら相手に見つかることもなく精密に狙撃できる」
そうメリッサに告げて僕はコンパスで2000メートルぐらいを地図の目安に測って合わせ、丸い記号で書かれていた矢印を読み取り、弾が飛んできた方向を記してくれていたのでコンパスの先を置き、その方角に左右九〇度つまり、半円を描く。
「最初は正確な狙撃を行っていた、しかし終わりの頃の弾はすべて手前に落ちていった。これは実はスナイパーライフルの弾道は2500メートル前後から減速し直進力を失い落下していく。スコープでのぞいた距離より手前に弾が落ちていく。
つまり2500メートルから3000メートルくらいの距離から撃たれたということだ、それを計算すると」
僕は地図に記された襲撃が終わった時の弾痕から敵の方角を予測して、またコンパスで測量し、3000メートルを計って矢印の方向へ、左右に半円を描く。
「ということはそのほかの場所は約1500メートルから2500メートルぐらいで、撃たれたわけだ。もしそれ以内だったら精度の高い狙撃で僕はきっと、この世にはいないだろう」
撃たれた場所から矢印の方向へ2500メートルを計ってまた左右に半円を描く。そうするとまるで地図からスナイパーの顔が浮かび上がって来たようだ。
「コンパスが示してある線、地図で半円たちがすべて交わった範囲。そう、この山に敵はいる」
最後に僕は、この町の北北東の山を指さす。メリッサは目を見開いた。
「すごいな、お前。どうしたらこんな発想が思いつくんだ」
「相手の気持ちになればわかることさ」
満足げにする彼女の笑みは朗らかで、僕たちの明るい未来を表現していた。
「すぐ襲撃に向かおう! この敵は危険だ!」
メリッサは気持ちが高揚して、はやりにはやっている。
「待ってくれ、まだやることがある」
「なんだ?」
「僕が今エインヘリャルの位置を見抜いた、だがもう一つ、敵の手口を潰さないと」
僕はフード付きのマントをかぶって外に出て二人して走っていた。中央街道に入ったところで空に赤い光が指し示される。瞬く間に走った先に銃弾が飛んできた。僕の足を止めるためだ、急いで方向転換しないと狙撃される。
脇道に入って銃撃の嵐が飛んで来た、土煙を立てながら上から屋根の残骸が落っこちてくる、相手の一を把握しながら、僕は他の道へと走り込む。また空に赤い光が指し示された、繰り返される銃弾の嵐。
そうやって敵の狙撃か逃れると赤い光が見えなくなる。時機に銃撃は止まった。
途中から二人は別れていたため、三階建ての三段目の家の窓からメリッサが手を振っていたので合流した。
「成る程そういうことか、このヴァルキュリアがスナイパーと別行動して、エインヘリャルつまり佑月の位置を教えていた、そういうことだろ」
「ああ」
「離せえええ――」
赤毛で短髪の幼く10歳ぐらいのとしに見える少女が甲冑を身につけており、その娘をこれでもかと力任せにメリッサが組み伏していた。手には赤い鏡を持っている。
「ラグナロクの摂理によると、最初の狙撃の時、敵は僕をエインヘリャルと判別がつかないはずなのに確実に狙撃していた。それは何故か? ヴァルキュリアが居場所を教えていたからだ。
ヴァルキュリアは100メートル範囲で気配を察知するか、直視するという方法でエインヘリャルを見つける。スコープは拡大させるだけの装置なので双眼鏡みたいに使えない。つまり僕たちの近くにヴァルキュリアの観測者がいたと言うことだ。
そして僕を追尾し鏡を使って、空に赤い光をかかげその直下にいる僕をスコープで照準を合わせ狙い撃ちにする。こういう戦い方だ、そうだろ?
赤毛のヴァルキュリアの、困ったちゃん」
「ううっ……」
「なるほど私が顔を隠して外に出ても狙われなかったのはそのせいか」
「離せーったら、離せー! 私は実は強いんだぞー、離せー!」
赤毛の幼女はじたばたするが相手はメリッサだ、そこら辺の大の男より力が強い。抵抗は無意味だ。
「さてどうする。裸にひんむいて亀甲縛りにするか」
メリッサは喜々としてひどい言葉を放つ。
「それは児童ポルノに引っかかる、だめだ。それよりもそのままヴァルキュリアを捕まえていて、君はその赤い鏡で適当に狙撃ポイントを指し示してくれ」
「お前はどうする」
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