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奇襲
第百七十三話 マティス猛襲
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僕たちは試合場を歩みだす、途中、観客だろう動揺の声で騒めいていた。おそらく、先に猛虎隊が試合場にいるのだろう。ならわかる、エインヘリャル2人、ヴァルキュリア2人しかいないのだから。
僕が試合場に入ると、突然大声でマティスが叫び出す。
「佑月ぃっ──!」
見るとマティスが仁王立ちで槍の石突をリズミカルに地面に叩きつけ、激しく怒りを表していた。
「佑月ぃっ──!」
会場の内に響き渡る彼の声、僕は素知らぬ顔で配置についた。そしてマティスは槍先を僕の方に向けて罵倒を始める。
「佑月! 貴様、よくのこのこと現れたものだな、貴様の言う正々堂々とは卑劣にも僕の留守中に仲間を殺すことだったのか!」
「別に、僕はこういう戦い方のほうが得意なのでね、僕なりの正々堂々の戦い方だよ、まあ間抜けにも仲間をほっといて、リーダーだけどこかに逃げているとは流石に思わなかったけど」
「だれが、逃げただ! 皆が酒に酔っていたから、水が切れたため、僕が井戸に汲みに行っていただけだ、まさか何も知らずに桶に水を汲んでいたら、リンディスだけが命からがら助けを求めに来るとはな」
「ふう、何の奇襲対策もしていなかったとは思わなかったよ、よくもまあこんなザマで、ここまでラグナロクを生きてこられたものだね、これは戦争だよ、ゲームじゃない。油断する方が悪い」
「ぬけぬけとこの外道が! 貴様のような偽善面した性根の腐った奴には、本当の強さというものを叩き込んでやる必要があるようだ、リンディスいくぞ、準備しろ!」
そう言った途端、試合開始の角笛と太鼓が鳴り響く。メリッサはそれが終える前に、皆に構えと指示を送る。そのときだった──!
マティスがこちらに走り込んだと見えた瞬間、もはやその姿が消えたのだ! なっ⁉ どういうことだ、しかし鉄と鉄がぶつかり合う音を聞いたとき、やっと理解できた、一瞬でシェリーのもとに移動していたのだ。
まさか、瞬間移動の能力か⁉ シェリーも一瞬の事で戸惑いながらも初撃を何とか防いだようだが、マティスの槍術は高くあのシェリーと渡り合っていた、これは援護が必要だ。僕はAKMで彼の腹を狙ったが、そこはリンディスのバリアがはられてしまった。
彼女の雷撃のバリアは自分中心に張るものと僕は勘違いしていたが、遠くでマティスの周辺をバリアで銃撃を防いでいた。敵のヴァルキュリアたちも走り込んできて、それに対しユリアとメリッサが銃撃を開始する。
こちらは分があるのは僕たちらしく、メリッサはところどころ射撃に成功し、彼女は剣が得意なため、剣戟で渡り合って押している。ユリアは射撃戦に慣れてきたのか、巧みに相手の急所を狙撃していき、相手は這う這うの体だ。
二人は問題ない、いずれ彼女らは勝つだろう。リンディスの遠隔バリアは一つしか張れないらしく、ヴァルキュリアをサポートする様子はない。だが問題はマティスだ、シェリーも徐々に押され始めている、彼女は剣の間合いよりも遠く切り裂く紅い剣の能力の持ち主だが、その能力を使うと、マティスは遠くに移動し、またシェリーへと間合いを詰めていく。
これはシェリーでさえも不利だ。僕は彼女をサポートするため、マティスの視界を防ぐように雷を走らせたあと、僕はリンディスを狙おうとする。彼女を倒せばかなり優位になる、だが、マティスは僕の様子に気づき、瞬時に僕の目の前に現れた!
ちい! 咄嗟の事でかなり態勢は崩れたが、彼が瞬間移動したとき、なぜか直線的に真正面から突いてきたため、先読みができて何とかかわすことができた。どうやら彼の能力には秘密があるらしい、横から攻撃されていれば僕は死んでいた。
しかし奴の槍術は巧みだ、僕に攻撃することを許さないかのように、連撃で、僕の行動を制限する、これはまずい、いつか槍を喰らうかもしれない。シェリーがこちらに気づいたようで僕の方に向かっていたその時だった──!
マティスの方に銃撃が加えられたようなのだ。無論リンディスのバリアで防いでいたが、マティスはそれを不快そうにしかめっ面をした。突然の試合突入で沈黙していた後ろの3人の援護か……?
ちらりと横目で見ると必死な顔でレイラが銃を構えていた。そして何かに取り憑かれたように、「私が佑月さんを支えないと……!」と呟いている。
普段ならありがたかったが今は状況が違う、彼女が危険だ。僕はレイラに向かって叫ぶ。
「レイラ! 援護は必要ない! コイツは僕が仕留める」
「でも……! 私がやらなきゃ、みんながみんなが……!」
くっ、またレイラは混乱しているのか戦闘状況が読めないのは正直苦しいが、いろいろ指導する余裕がなかったため仕方がない。戦闘経験を積んで新兵は立派なソルジャーとなる。だが、これはまずい……。相手はマティスなんだ。
マティスはそれに感づいたのか、「邪魔だな……」と呟いた。まずい!
「ブライアン! レイラを守れ!」
僕は咄嗟に指示を送りブライアンがレイラをかばおうとするが、その前にマティスは瞬間移動をして、ブライアンの肩を突き刺した!
「うぐっ⁉」
「ブライアンさん⁉」
レイラは慌てた様子でブライアンに手をかざして傷をいやすべく治療能力を使い始めるが、その状況判断は間違いだ。僕は慌てて、「レイラ逃げろ! 弾幕を張れ、マティスが襲ってくる!」と叫ぶ。
レイラはやっと自分が危機的な状況に気づいたのか目の前を見るとマティスが身構えていた。
「本来か弱き女性を殺すのは僕の信条に反することだけど、確かにこれは戦争だ、貴女は僕の戦いに邪魔になる、なら、死んでもらう……!」
レイラは恐怖で動けない、僕は何とか後ろから援護射撃を行うがリンディスのバリアではじかれる、マティスがゆっくりと槍を構えその穂先がレイラの胸へと向けられる、やめろ──! その言葉が口に出る瞬間だった。
──エイミアがマティスを蹴り飛ばしたのは。
「エイミアさん!」
レイラが思わず彼女の名を叫ぶ。いいタイミングだエイミア、今アウティスが被害を受けているだろうが、まあどうでもいいだろう。そしてエイミアは腕を組みマティスの前に立ちはだかった。
「アンタさあ気に入らないのよね、自分は善人ぶって、正々堂々とか言ってるくせに、まともに抵抗もできないレイラを真っ先に狙うなんてね、口では何とも言えるけど、正直アンタのやってることしょぼいわ」
「僕は戦いをしているだけだ!」
「ならアンタに奇襲の非難をされるような言われはないわね、ぶっちゃけ戦いでのんきに備えなく宴会をやってたアンタらがあほなだけだわ」
「ぬけぬけとそんなことが言える!」
「……とにかく気に入らない、これ以上私の後ろの奴に攻撃するというのならアウティスが犠牲になる覚悟であんたを攻撃するから」
「なっ……!」
その時エイミアは長剣を出し、地面に向かって剣を振ったと思えば、凄まじい剣圧で試合会場一直線に大きな溝ができて、まっすぐなラインが掘れた。
「こっから先アンタが中に入った場合私がアンタを攻撃する、いい? 脅しじゃないわ、私はいつだって本気よ」
「なんだと……! だがお前たちは僕を攻撃するのだろう? 明らかにフェアじゃない」
「フェアはフェア、そもそも自分が仲間を守れなかった責任を感じなさいマティス」
その時、僕はアイディアが閃いてマティスに呼び掛けた。
「マティス! 条件がある!」
「何だ佑月! 貴様の言うことを信じると思うのか!」
「信じさせてやるさ、エインヘリャル2体、ヴァルキュリア2体でお前が言う正々堂々と戦おうじゃないか!」
「なんだと⁉」
マティスは状況が急変したため瞬間移動をしてリンディスのもとに帰っていった。
「奴の言うことどう思う?」
「あの男は被害を減らしたいのだと思う、見た感じ今のところまともに戦力になってない敵が多いから」
「飲むか? こちらにとって悪い条件ではない」
「それもいいわね、2人を始末した後、非戦闘員の2人殺せば私たちは勝ち、どうする?」
「そうだな、わかった……」
話し合いが決まったのか、マティスは僕に向かって言った。
「いいだろう提案を飲もう、ただし、ヴァルキュリアは余計だ、エインヘリャル2人で決着をつける!」
ちっ、さり気なくこちらに有利な条件を盛り込んだがばれてしまったか。僕らのヴァルキュリアの方が能力は高い、相手のヴァルキュリアを始末したあとはエインヘリャルの法則で支障が出ないよう援護をしてもらう予定だったが。
その様子にメリッサが状況を不安視してこちらに寄ってくる。
「エインヘリャル二人はまずい」
「わかっている、だが僕は飲むつもりだ」
「おい、本気か、お前は武器の交換ができないんだぞ弾の補充はどうする。AKMだけで戦うつもりなのか?」
「武器の補充なしでアウティスを倒した僕の腕を信じてくれてもいいんじゃないかな?」
「佑月……。わかった、お前を信じるぞ」
「ああ、了解だ」
こちらの意が決したところで僕はシェリーのもとにゆっくりと行った。
「こちらからは僕とシェリー、君とで戦いたいどうだ?」
「あたりまえじゃねえか、他に誰がいるんだよ、こういった戦いこそ燃えてくるねえ、興奮のあまりイっちまいそうだよ」
「了解だ」
態勢が整ったので僕はマティスに声をかける。
「こちらはこの二人で行く、良いな」
「いいだろう、貴様らが何を企んでいるのかわからないが、すべては無駄だ!」
「言ってくれるねえ」
僕はため息をつくそして、シンプルにシェリーに声をかける。
「君はマティスの相手をしてくれ僕がサポートする、そこからは僕に考えがある」
「期待してるぜ、リーダー」
「ああ、やってやるさ、相棒」
こうして僕とシェリー対マティスとリンディスの2対2の戦いが始まった──!
僕が試合場に入ると、突然大声でマティスが叫び出す。
「佑月ぃっ──!」
見るとマティスが仁王立ちで槍の石突をリズミカルに地面に叩きつけ、激しく怒りを表していた。
「佑月ぃっ──!」
会場の内に響き渡る彼の声、僕は素知らぬ顔で配置についた。そしてマティスは槍先を僕の方に向けて罵倒を始める。
「佑月! 貴様、よくのこのこと現れたものだな、貴様の言う正々堂々とは卑劣にも僕の留守中に仲間を殺すことだったのか!」
「別に、僕はこういう戦い方のほうが得意なのでね、僕なりの正々堂々の戦い方だよ、まあ間抜けにも仲間をほっといて、リーダーだけどこかに逃げているとは流石に思わなかったけど」
「だれが、逃げただ! 皆が酒に酔っていたから、水が切れたため、僕が井戸に汲みに行っていただけだ、まさか何も知らずに桶に水を汲んでいたら、リンディスだけが命からがら助けを求めに来るとはな」
「ふう、何の奇襲対策もしていなかったとは思わなかったよ、よくもまあこんなザマで、ここまでラグナロクを生きてこられたものだね、これは戦争だよ、ゲームじゃない。油断する方が悪い」
「ぬけぬけとこの外道が! 貴様のような偽善面した性根の腐った奴には、本当の強さというものを叩き込んでやる必要があるようだ、リンディスいくぞ、準備しろ!」
そう言った途端、試合開始の角笛と太鼓が鳴り響く。メリッサはそれが終える前に、皆に構えと指示を送る。そのときだった──!
マティスがこちらに走り込んだと見えた瞬間、もはやその姿が消えたのだ! なっ⁉ どういうことだ、しかし鉄と鉄がぶつかり合う音を聞いたとき、やっと理解できた、一瞬でシェリーのもとに移動していたのだ。
まさか、瞬間移動の能力か⁉ シェリーも一瞬の事で戸惑いながらも初撃を何とか防いだようだが、マティスの槍術は高くあのシェリーと渡り合っていた、これは援護が必要だ。僕はAKMで彼の腹を狙ったが、そこはリンディスのバリアがはられてしまった。
彼女の雷撃のバリアは自分中心に張るものと僕は勘違いしていたが、遠くでマティスの周辺をバリアで銃撃を防いでいた。敵のヴァルキュリアたちも走り込んできて、それに対しユリアとメリッサが銃撃を開始する。
こちらは分があるのは僕たちらしく、メリッサはところどころ射撃に成功し、彼女は剣が得意なため、剣戟で渡り合って押している。ユリアは射撃戦に慣れてきたのか、巧みに相手の急所を狙撃していき、相手は這う這うの体だ。
二人は問題ない、いずれ彼女らは勝つだろう。リンディスの遠隔バリアは一つしか張れないらしく、ヴァルキュリアをサポートする様子はない。だが問題はマティスだ、シェリーも徐々に押され始めている、彼女は剣の間合いよりも遠く切り裂く紅い剣の能力の持ち主だが、その能力を使うと、マティスは遠くに移動し、またシェリーへと間合いを詰めていく。
これはシェリーでさえも不利だ。僕は彼女をサポートするため、マティスの視界を防ぐように雷を走らせたあと、僕はリンディスを狙おうとする。彼女を倒せばかなり優位になる、だが、マティスは僕の様子に気づき、瞬時に僕の目の前に現れた!
ちい! 咄嗟の事でかなり態勢は崩れたが、彼が瞬間移動したとき、なぜか直線的に真正面から突いてきたため、先読みができて何とかかわすことができた。どうやら彼の能力には秘密があるらしい、横から攻撃されていれば僕は死んでいた。
しかし奴の槍術は巧みだ、僕に攻撃することを許さないかのように、連撃で、僕の行動を制限する、これはまずい、いつか槍を喰らうかもしれない。シェリーがこちらに気づいたようで僕の方に向かっていたその時だった──!
マティスの方に銃撃が加えられたようなのだ。無論リンディスのバリアで防いでいたが、マティスはそれを不快そうにしかめっ面をした。突然の試合突入で沈黙していた後ろの3人の援護か……?
ちらりと横目で見ると必死な顔でレイラが銃を構えていた。そして何かに取り憑かれたように、「私が佑月さんを支えないと……!」と呟いている。
普段ならありがたかったが今は状況が違う、彼女が危険だ。僕はレイラに向かって叫ぶ。
「レイラ! 援護は必要ない! コイツは僕が仕留める」
「でも……! 私がやらなきゃ、みんながみんなが……!」
くっ、またレイラは混乱しているのか戦闘状況が読めないのは正直苦しいが、いろいろ指導する余裕がなかったため仕方がない。戦闘経験を積んで新兵は立派なソルジャーとなる。だが、これはまずい……。相手はマティスなんだ。
マティスはそれに感づいたのか、「邪魔だな……」と呟いた。まずい!
「ブライアン! レイラを守れ!」
僕は咄嗟に指示を送りブライアンがレイラをかばおうとするが、その前にマティスは瞬間移動をして、ブライアンの肩を突き刺した!
「うぐっ⁉」
「ブライアンさん⁉」
レイラは慌てた様子でブライアンに手をかざして傷をいやすべく治療能力を使い始めるが、その状況判断は間違いだ。僕は慌てて、「レイラ逃げろ! 弾幕を張れ、マティスが襲ってくる!」と叫ぶ。
レイラはやっと自分が危機的な状況に気づいたのか目の前を見るとマティスが身構えていた。
「本来か弱き女性を殺すのは僕の信条に反することだけど、確かにこれは戦争だ、貴女は僕の戦いに邪魔になる、なら、死んでもらう……!」
レイラは恐怖で動けない、僕は何とか後ろから援護射撃を行うがリンディスのバリアではじかれる、マティスがゆっくりと槍を構えその穂先がレイラの胸へと向けられる、やめろ──! その言葉が口に出る瞬間だった。
──エイミアがマティスを蹴り飛ばしたのは。
「エイミアさん!」
レイラが思わず彼女の名を叫ぶ。いいタイミングだエイミア、今アウティスが被害を受けているだろうが、まあどうでもいいだろう。そしてエイミアは腕を組みマティスの前に立ちはだかった。
「アンタさあ気に入らないのよね、自分は善人ぶって、正々堂々とか言ってるくせに、まともに抵抗もできないレイラを真っ先に狙うなんてね、口では何とも言えるけど、正直アンタのやってることしょぼいわ」
「僕は戦いをしているだけだ!」
「ならアンタに奇襲の非難をされるような言われはないわね、ぶっちゃけ戦いでのんきに備えなく宴会をやってたアンタらがあほなだけだわ」
「ぬけぬけとそんなことが言える!」
「……とにかく気に入らない、これ以上私の後ろの奴に攻撃するというのならアウティスが犠牲になる覚悟であんたを攻撃するから」
「なっ……!」
その時エイミアは長剣を出し、地面に向かって剣を振ったと思えば、凄まじい剣圧で試合会場一直線に大きな溝ができて、まっすぐなラインが掘れた。
「こっから先アンタが中に入った場合私がアンタを攻撃する、いい? 脅しじゃないわ、私はいつだって本気よ」
「なんだと……! だがお前たちは僕を攻撃するのだろう? 明らかにフェアじゃない」
「フェアはフェア、そもそも自分が仲間を守れなかった責任を感じなさいマティス」
その時、僕はアイディアが閃いてマティスに呼び掛けた。
「マティス! 条件がある!」
「何だ佑月! 貴様の言うことを信じると思うのか!」
「信じさせてやるさ、エインヘリャル2体、ヴァルキュリア2体でお前が言う正々堂々と戦おうじゃないか!」
「なんだと⁉」
マティスは状況が急変したため瞬間移動をしてリンディスのもとに帰っていった。
「奴の言うことどう思う?」
「あの男は被害を減らしたいのだと思う、見た感じ今のところまともに戦力になってない敵が多いから」
「飲むか? こちらにとって悪い条件ではない」
「それもいいわね、2人を始末した後、非戦闘員の2人殺せば私たちは勝ち、どうする?」
「そうだな、わかった……」
話し合いが決まったのか、マティスは僕に向かって言った。
「いいだろう提案を飲もう、ただし、ヴァルキュリアは余計だ、エインヘリャル2人で決着をつける!」
ちっ、さり気なくこちらに有利な条件を盛り込んだがばれてしまったか。僕らのヴァルキュリアの方が能力は高い、相手のヴァルキュリアを始末したあとはエインヘリャルの法則で支障が出ないよう援護をしてもらう予定だったが。
その様子にメリッサが状況を不安視してこちらに寄ってくる。
「エインヘリャル二人はまずい」
「わかっている、だが僕は飲むつもりだ」
「おい、本気か、お前は武器の交換ができないんだぞ弾の補充はどうする。AKMだけで戦うつもりなのか?」
「武器の補充なしでアウティスを倒した僕の腕を信じてくれてもいいんじゃないかな?」
「佑月……。わかった、お前を信じるぞ」
「ああ、了解だ」
こちらの意が決したところで僕はシェリーのもとにゆっくりと行った。
「こちらからは僕とシェリー、君とで戦いたいどうだ?」
「あたりまえじゃねえか、他に誰がいるんだよ、こういった戦いこそ燃えてくるねえ、興奮のあまりイっちまいそうだよ」
「了解だ」
態勢が整ったので僕はマティスに声をかける。
「こちらはこの二人で行く、良いな」
「いいだろう、貴様らが何を企んでいるのかわからないが、すべては無駄だ!」
「言ってくれるねえ」
僕はため息をつくそして、シンプルにシェリーに声をかける。
「君はマティスの相手をしてくれ僕がサポートする、そこからは僕に考えがある」
「期待してるぜ、リーダー」
「ああ、やってやるさ、相棒」
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