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マハロブ市街戦
第二百五話 クラリーナとディナー②
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夜が深まる中、情熱の薔薇のご令嬢クラリーナ嬢は、真っ赤なドレスを妖しくまとい、肌をろうそくの炎で輝かせて、熱く僕を見つめてくる。
その熱っぽさに、僕は溶けてしまいそうな不思議な感覚に惑わされる。クラリーナは手袋を脱ぎ、彼女の白い腋に挟んで、僕の手をじかに握る。
「お待ちしておりました。佑月様……」
彼女の恍惚そうな表情、うっとりとした瞳で、こっちの胸が焼け焦げたようにドキドキしてしまう。
「クラリーナ……、今日はお招きありがとう」
「ええ、貴方がディナーを共にしたいと手紙で書かれたとき、一晩中、悩みました。そう、寝る時間もなく、貴方のことをずっと想っていました。……そして、出した答えが今日です。
心のどこかで貴方が来てくれないかもとか、馬鹿なことを考えました。でも待ってて良かった……。貴方の顔を見たとき、私の迷いはすべて吹き飛びました。ええ、そうですよ、佑月様……!」
彼女は顔をさっと赤らめて、すぐさま僕の視線から逃れようと、顔をそらす。それが実にいじらしく、こっちが困ってしまった。
「きょ、今日はずいぶんと雰囲気が違うね……」
「……似合いませんか……こんな、私……?」
僕は彼女を眺めると言っても、顔と豊満な乳房しか僕の視界に入らない。それほど近く、彼女は僕に接近していた。
「いや、綺麗だよ、クラリーナ……。鎧姿の君も素敵だけど、今日の君が一番素敵だ」
僕がそうありのままを告げると、彼女は恥じらいながら、初心な矮躯を抱きしめ、しなやかにくねらせながら、上目づかいで答える。
「今日は貴方が来てくれたからです……!」
「え、ど、どういうこと?」
「──月は一人で輝くのではありません。漆黒の闇の世界のただなか、宝石の星々に囲まれて、想いを焦がし、地球に届けようとするのです。──私を。光に濡れたまま……」
「……ずいぶん詩的だね。……月か、いいね」
「女性は殿方の前ではみんな詩人になるのですよ……」
「そうか、君を見ればわかるよ。綺麗だよ、クラリーナ……」
「ふふっ……」
穏やかにクラリーナは笑った。ふと、彼女の時が止まる。彼女は何かを待っていた、目を伏せ僕にそっと顔を近づけた。鮮やかな紅い情熱の髪が、わずかになびく。震えた彼女の心。僕はやさしく──
「──え、何?」
とのつぶやきに、彼女は瞼をこじ開け、こちらをきょとんと見ている。なに? どういうこと? 彼女は一つ咳ばらいをし、気持ちを整えたのか、髪をかき上げたあと、人差し指を赤紅色の唇に当てて、微笑んだ。
「……そうですね、夜は長いですものね。このような不愛想な玄関で夢の中に入り込むには、早すぎるですものね。どうぞ、私の屋敷です、貴方の家だと思って、くつろいでくださいね、こちらへ──」
そう言ってハイヒールをこつこつと絨毯の上を鳴らせて、階段を緩やかに、悩まし気な腰を左右に振りながら上がっていく。
ちょ、ちょっとまって……。スカートの前はスケスケで、かなりきわどいV字ラインまで肌がむき出しだけど、もしかして、パンツはいてない……?
まてまてまてまてまて、見えるだろ、やばいやばい、それはまずい、色々と! 18禁だろ、その先は! モザイクをかけられないんだぞ、中世では。だめだって! 少年少女だってきっと見てるんだぞ! 警察がうるさいんだよそれは!
子どもは寝ろ! 今すぐ寝ろ! 危険だ、危険すぎる! 彼女の股のV字より上が、ちらちら、ちらちら、見えそうで、見えそうで、うわあああ──!
「まてまてまて!」
僕は思わず声を出してしまった。そして彼女は僕の声で「はい?」と言って振り返り、階段を踏み外す──! ──僕は思わず彼女を抱きとめた!
「きゃっ!?」
僕は何とかクラリーナを抱きしめて、落ちるのを防いだ。僕の右手にはびっしりと彼女の柔らかな乳房でふさがっている。張りのあってすべすべした肌に、手からあふれ出てくる彼女の乳の肉。
あまりの重圧が、彼女の体重ごと、僕の右手にかかってくるので、思わずふにゃふにゃと揉んでしまう。独特の肉厚に僕は手が圧倒されていく。
「あ……!」
彼女が荒く、熱い息づかいで言葉をこぼす。それにそのまま階段から墜落しそうな僕を、必死に家族の映像を頭の中で写して、なんとかこらえた。
「……ね、クラリーナ、立って……!」
「きゃ……!」
彼女が今の状態に気付き、何とか立ちなおす。た、たってないよな、今……。股間に熱っぽさを感じてないのを確認して、僕は冷静に言った。
「大丈夫かい、クラリーナ?」
「……はい、ありがとうございます。佑月様……!」
僕の気づかいに彼女は瞳を宝石ののようにしっとりと潤ませて言った。
「今が夢の中なら、醒めなければいいのに……」
「えっ……」
「──貴方は夜が明けると帰ってしまう、今日は夢物語、真夏の夜の夢。その世界は恋という灯火 で照らし出す。でもいつか恋のろうそくは燃え尽きる。きっとそう! 私は朝が怖い……! 恋の炎も太陽の光には敵わない!」
「クラリーナ……」
僕は何を言っていいかわからず少しの間考えていたが、彼女に優しさの言葉を紡ぐ。
「なら、夢の時間を永遠にしよう。想い出になれば、太陽が出てしまったあと、沈んだらまた君に会える」
「佑月様……!」
よくわからないけど彼女は嬉しそうに、頬を染めて階段を上りなおす。ん、アドリブで言ったが、自分で何を言ってたのかよくわからない。まあいい、それよりなによりもこの感触だ……。すげえな、クラリーナ……。男の手の二倍あったぞ、胸……!
重さが違う。こうか、こうじゃないんだな。巨乳って。騙されてた、こうじゃないんだな。知らなかった……。凄かったなあ、これがナマか……。メリッサよりずいぶん大きいな……。
僕は手に残った温かさを思い出して男として感動した……。いいな、クラリーナ……。大きいって暴力だよ、これは──!
二階に上がった後、彼女は腰を左右に揺らしながら、こっちをたびたび振り返るのでそのたび勢いづいて、胸が大きく、ゆっさゆっさと、揺れる。……マグニチュード8.6を記録したな、今日は……。
彼女の部屋に招かれて、部屋の中に入る。ロマンチックなアンティーク家具にそろえられて、金銀の装飾が部屋を彩る。彼女はランプのろうそくを灯していき、今日の夜の炎を灯した。テーブルの上に豪華な食事がすでにそろっており、ワインが置いてあった。
美味そうだなこれは。キャンドルツリーに濡れててらてらと輝く、ブラウンソースがかかった肉。肉汁がこぼれていき、艶やかに生命の強さを象徴していた。
クラリーナは二人の席を用意していた。隣同士で前はこの世界では珍しく純度の高い透明さを誇った、おそらく特注だろう、ガラスから夜空の向こうが見えた。
「星がきれいだね」
「ええ好きなんです、私、……夜が」
「君がより一層、輝くよ」
「あら、まあ、うれしいです、佑月様……」
僕たちは星々に見守られながら、楽しくディナーを始める。彼女はしとやかにワインを注ぐ、もちろん僕の金の杯にもだ。金に透き通ったワインに、月が揺らめき、泳いでいた。
クラリーナはそっと杯をこちらに持ってくる。そして僕はそれに飲み口を合わせた。次にクラリーナは優しく言った。
「二人の出会いに──」
「夢をそばへ──」
かちりと音をさせて乾杯したあと、僕はくるりと回し、重ねた飲み口からワインを喉元へと通していく。
「甘いね……」
「ええ、ロゲシテンという場所の白ワインです。お口に合いますか?」
「君の味がする……」
「うふふ、まだまだ、ワインがありますよ、夜の間、たっぷり私に酔ってくださいね……」
「ああ……」
うーんなかなかワインはいいな、貧乏暮らしだから安いワインしか飲んだことがないけど、こういう高そうなワインはするりと、のどを通しても香りが残って、わずかに舌に刺激が残る。いいねえ、大人の味さ、子どもは酒を飲むものじゃない。飲まれてしまうからね。
さて、料理はっと、あっ……しまった。テーブルマナー知らないんだった、どうしようかな、テーブルクロス汚したくないんだよなあ。彼女は不思議そうにこちらを見た。
「どうかされましたか、佑月様?」
「僕はね、貧乏だからね、礼儀作法を知らないんだ」
「まあ、それでは私が食べさせてあげましょう──」
そして彼女はナイフで肉を切り分けて、僕の口元に持ってくる、僕はただ「あーん」と言って待つ。そこに彼女の肉を刺したナイフが口の中へと放り込む。
「あつっ」
「きゃんっ!?」
しまった、ちょっとソースがこぼれてしまった。そのままソースは彼女のとろりと乳房に落ちた。だからそっと僕は人差し指でそれをすくう。
「君を汚しちゃったね……」
「あっ……やだ……!」
彼女の乳房からすくったソースを指からなめた。
「うーん、甘いね……」
「ああ……! は、はい、甘いですね……甘い、ですよね、ふふふ」
僕は肉をほおばり、味わう。重厚な肉のうまみを楽しんだ後、瑞々しい、平原の匂いを残ったワインを口に含み、刺激で舌先を悦ばして、転がしていく。
情熱は決断を生み、海を生む。海は山を生み、山は丘を生み、丘は動物を生む。そして僕たち人間が生まれた。広大な大地に広がる、豊かな自然に酔いしれた後、彼女はすかさず肉を持ってくる。
「はい、佑月さん、あーん」
「あーん」
僕は彼女の肉を口で含み、舌先で転がし、甘く、酸っぱい、彼女の汁を楽しむ。だがまた僕のソースが彼女の乳に落ちた。
すかさず指で柔らかな乳房に僕の指をうずめ、今度は僕の汁を指でかき回しながら、玉のような白く輝く乳房の肉を、指先で味わい、少し押しただけで、肉が沈み、形を変え、プクリとふくらみ彼女の乳が広がっていく。今度は汁をじっくり口に含んで、彼女を楽しむ。
実に薔薇の味じゃないか、娑婆の栄華はゆめのゆめ、なら、夢は極楽で、それは西にあるさ。白い血のワインを掲げ、阿弥陀様に挨拶して、今日の悪徳を楽しむ。快楽は悪とブッダは言った。なら、悪を味わえるのが大人の証拠だよ。
堕落と快楽は子どもには必要ない。夢という堕落は、大人の特権さ。閻魔様に裁かれる前に、阿弥陀へ拝んで、死へと旅立とう、罪を背負って──。
「今日は素晴らしい夜になりましたね」
「ああ、月が輝いている、妖しいほどにね」
「惑いますか?」
「悪魔の囁くままに」
僕たちはしずかに笑い合う。じっと彼女は僕を見つめてきて、彼女は瞳を素早くウインクした後、舌で僕の唇の横を舐めた。
「えっ……?」
「うふ……。佑月さん、ソース……ついてました……!」
クラリーナは処女のまま、照れ笑いを浮かべた。僕は何だかその温かい彼女しっとりとした舌の感触が気持ちよくて気分が高揚してきた。
「あはは、そうかい! いいね!」
「そうですね、いいですね……」
瞬間彼女は目を閉じた。少しクラリーナは振るえている。僕はそっと彼女の肩を抱き、まばゆい彼女に向かって言ったのだ──
「──あっ、あの星、なんていうんだい? あの一番輝いているの──」
「えっ!?」
彼女はいきなり固まった、ん? どうしたの? なんかまずいこと言ったかな。
「えーと、この世界でローランと言います」
「かっこいい名前だね」
「そうですね……」
そして彼女はまた時が止まる。何、なんなの? この間は……? だが、彼女は怒ったように、恨めしそうに言っってくる。
「あの……、ディナーを一緒に楽しむんですよね……?」
「うん、そうだよ」
「そうですね! そうですとも! そうか、まだなのか……。いやあ、難しいなあ……恋の成就の瞬間って……。私こんなこと初めてだから……」
「ああ、なるほどね」
なんだ彼女、男と夕食を食べるの初めてなんだ。まあ、珍しいよね、彼女、結構生きているのに。でも、何か手慣れた感じなのは何なのかな。この世界の礼儀作法かな。僕が食事を楽しんでいると、しびれを切らしたクラリーナは真っ赤な顔をして言葉をこぼした。
「あ、あの……! だめです、お腹いっぱいにならないでください! 私が貴方の中に入れないじゃないですか!」
「──どっちかって言うと僕は君の中に入りたいね」
「ええっ!」
彼女は興奮した様子で白い手で口を押え、顔を耳まで真っ赤になって、荒く息切れをしだす。酔いが回ったのかな。照れた彼女は、ぼそりとつぶやいた……。
「そんなに佑月様に直接的なことを言われると、私。だ、だめ、我慢できない。……あの、その、私……!」
彼女は身をくねらせながら足を組みだす。あっ、あそこが見え……、ないか……。なるほど。クラリーナは腕で胸をはさみ白い乳房をこちらに持ってくる。うわあ、すげえボリューム。いやあ、芸術だ。ああ、でっかいなあ。感動したよ! すごいや。ほんと。
彼女は熱にうなされたようにクラリーナの喘ぎ声のような甘い声を漏らしてくる。
「も、もう……だ、ダメ! もう。佑月様。佑月様! わ、私、もう、限界、我慢できない……! 私、貴方のような大人じゃないんですよ……! ……だから、だから、はやく、この夜が終わらないうちに、私を食べちゃってください!!! あっ……! そ、そのまま、押し倒してください! お願いします!!!」
「──えっ? なんで」
「は──?」
二人は一瞬止まった。何なにどういうこと。僕は女性を食べる趣味なんてないよ。食べるのは牛とか豚とかそこら辺。僕が冷静なままでいると、クラリーナはいきなり涙目で震えだした。
「あの……! 佑月さん……。私とディナーを共にしたいと、貴方、手紙に書きましたよね……?」
「だから、一緒に食べてんじゃん、夕食を」
「は?」
「は?」
何? なんか悪いのこれ。その時彼女は、はっと気づいた様子で、声を震わせ出す。
「も、もしかして、この世界でのディナーを共にしたいって意味、わかってないです……?」
「なんかほかに意味あるの?」
彼女は涙をためてこぶしを握り締めた。めっちゃ震えてるね。マグニチュード5.6かな? 彼女は感情をまき散らすように大声で叫ぶように告げた!
「……えっと、えっとですね! この世界ではですね! 男が女性にディナーを共にしたいって言ったら! 貴女とベッドインしたい!! 貴女を抱きたいって意味なんです!!!
わかりますか!! ベッドイン!! 男と女の交わり! わかりますか! わかりますよね! そりゃ、私も貴方も大人ですから、そうですよね!!! 違いますか!?」
え……? まじっすか……、それ?
その熱っぽさに、僕は溶けてしまいそうな不思議な感覚に惑わされる。クラリーナは手袋を脱ぎ、彼女の白い腋に挟んで、僕の手をじかに握る。
「お待ちしておりました。佑月様……」
彼女の恍惚そうな表情、うっとりとした瞳で、こっちの胸が焼け焦げたようにドキドキしてしまう。
「クラリーナ……、今日はお招きありがとう」
「ええ、貴方がディナーを共にしたいと手紙で書かれたとき、一晩中、悩みました。そう、寝る時間もなく、貴方のことをずっと想っていました。……そして、出した答えが今日です。
心のどこかで貴方が来てくれないかもとか、馬鹿なことを考えました。でも待ってて良かった……。貴方の顔を見たとき、私の迷いはすべて吹き飛びました。ええ、そうですよ、佑月様……!」
彼女は顔をさっと赤らめて、すぐさま僕の視線から逃れようと、顔をそらす。それが実にいじらしく、こっちが困ってしまった。
「きょ、今日はずいぶんと雰囲気が違うね……」
「……似合いませんか……こんな、私……?」
僕は彼女を眺めると言っても、顔と豊満な乳房しか僕の視界に入らない。それほど近く、彼女は僕に接近していた。
「いや、綺麗だよ、クラリーナ……。鎧姿の君も素敵だけど、今日の君が一番素敵だ」
僕がそうありのままを告げると、彼女は恥じらいながら、初心な矮躯を抱きしめ、しなやかにくねらせながら、上目づかいで答える。
「今日は貴方が来てくれたからです……!」
「え、ど、どういうこと?」
「──月は一人で輝くのではありません。漆黒の闇の世界のただなか、宝石の星々に囲まれて、想いを焦がし、地球に届けようとするのです。──私を。光に濡れたまま……」
「……ずいぶん詩的だね。……月か、いいね」
「女性は殿方の前ではみんな詩人になるのですよ……」
「そうか、君を見ればわかるよ。綺麗だよ、クラリーナ……」
「ふふっ……」
穏やかにクラリーナは笑った。ふと、彼女の時が止まる。彼女は何かを待っていた、目を伏せ僕にそっと顔を近づけた。鮮やかな紅い情熱の髪が、わずかになびく。震えた彼女の心。僕はやさしく──
「──え、何?」
とのつぶやきに、彼女は瞼をこじ開け、こちらをきょとんと見ている。なに? どういうこと? 彼女は一つ咳ばらいをし、気持ちを整えたのか、髪をかき上げたあと、人差し指を赤紅色の唇に当てて、微笑んだ。
「……そうですね、夜は長いですものね。このような不愛想な玄関で夢の中に入り込むには、早すぎるですものね。どうぞ、私の屋敷です、貴方の家だと思って、くつろいでくださいね、こちらへ──」
そう言ってハイヒールをこつこつと絨毯の上を鳴らせて、階段を緩やかに、悩まし気な腰を左右に振りながら上がっていく。
ちょ、ちょっとまって……。スカートの前はスケスケで、かなりきわどいV字ラインまで肌がむき出しだけど、もしかして、パンツはいてない……?
まてまてまてまてまて、見えるだろ、やばいやばい、それはまずい、色々と! 18禁だろ、その先は! モザイクをかけられないんだぞ、中世では。だめだって! 少年少女だってきっと見てるんだぞ! 警察がうるさいんだよそれは!
子どもは寝ろ! 今すぐ寝ろ! 危険だ、危険すぎる! 彼女の股のV字より上が、ちらちら、ちらちら、見えそうで、見えそうで、うわあああ──!
「まてまてまて!」
僕は思わず声を出してしまった。そして彼女は僕の声で「はい?」と言って振り返り、階段を踏み外す──! ──僕は思わず彼女を抱きとめた!
「きゃっ!?」
僕は何とかクラリーナを抱きしめて、落ちるのを防いだ。僕の右手にはびっしりと彼女の柔らかな乳房でふさがっている。張りのあってすべすべした肌に、手からあふれ出てくる彼女の乳の肉。
あまりの重圧が、彼女の体重ごと、僕の右手にかかってくるので、思わずふにゃふにゃと揉んでしまう。独特の肉厚に僕は手が圧倒されていく。
「あ……!」
彼女が荒く、熱い息づかいで言葉をこぼす。それにそのまま階段から墜落しそうな僕を、必死に家族の映像を頭の中で写して、なんとかこらえた。
「……ね、クラリーナ、立って……!」
「きゃ……!」
彼女が今の状態に気付き、何とか立ちなおす。た、たってないよな、今……。股間に熱っぽさを感じてないのを確認して、僕は冷静に言った。
「大丈夫かい、クラリーナ?」
「……はい、ありがとうございます。佑月様……!」
僕の気づかいに彼女は瞳を宝石ののようにしっとりと潤ませて言った。
「今が夢の中なら、醒めなければいいのに……」
「えっ……」
「──貴方は夜が明けると帰ってしまう、今日は夢物語、真夏の夜の夢。その世界は恋という灯火 で照らし出す。でもいつか恋のろうそくは燃え尽きる。きっとそう! 私は朝が怖い……! 恋の炎も太陽の光には敵わない!」
「クラリーナ……」
僕は何を言っていいかわからず少しの間考えていたが、彼女に優しさの言葉を紡ぐ。
「なら、夢の時間を永遠にしよう。想い出になれば、太陽が出てしまったあと、沈んだらまた君に会える」
「佑月様……!」
よくわからないけど彼女は嬉しそうに、頬を染めて階段を上りなおす。ん、アドリブで言ったが、自分で何を言ってたのかよくわからない。まあいい、それよりなによりもこの感触だ……。すげえな、クラリーナ……。男の手の二倍あったぞ、胸……!
重さが違う。こうか、こうじゃないんだな。巨乳って。騙されてた、こうじゃないんだな。知らなかった……。凄かったなあ、これがナマか……。メリッサよりずいぶん大きいな……。
僕は手に残った温かさを思い出して男として感動した……。いいな、クラリーナ……。大きいって暴力だよ、これは──!
二階に上がった後、彼女は腰を左右に揺らしながら、こっちをたびたび振り返るのでそのたび勢いづいて、胸が大きく、ゆっさゆっさと、揺れる。……マグニチュード8.6を記録したな、今日は……。
彼女の部屋に招かれて、部屋の中に入る。ロマンチックなアンティーク家具にそろえられて、金銀の装飾が部屋を彩る。彼女はランプのろうそくを灯していき、今日の夜の炎を灯した。テーブルの上に豪華な食事がすでにそろっており、ワインが置いてあった。
美味そうだなこれは。キャンドルツリーに濡れててらてらと輝く、ブラウンソースがかかった肉。肉汁がこぼれていき、艶やかに生命の強さを象徴していた。
クラリーナは二人の席を用意していた。隣同士で前はこの世界では珍しく純度の高い透明さを誇った、おそらく特注だろう、ガラスから夜空の向こうが見えた。
「星がきれいだね」
「ええ好きなんです、私、……夜が」
「君がより一層、輝くよ」
「あら、まあ、うれしいです、佑月様……」
僕たちは星々に見守られながら、楽しくディナーを始める。彼女はしとやかにワインを注ぐ、もちろん僕の金の杯にもだ。金に透き通ったワインに、月が揺らめき、泳いでいた。
クラリーナはそっと杯をこちらに持ってくる。そして僕はそれに飲み口を合わせた。次にクラリーナは優しく言った。
「二人の出会いに──」
「夢をそばへ──」
かちりと音をさせて乾杯したあと、僕はくるりと回し、重ねた飲み口からワインを喉元へと通していく。
「甘いね……」
「ええ、ロゲシテンという場所の白ワインです。お口に合いますか?」
「君の味がする……」
「うふふ、まだまだ、ワインがありますよ、夜の間、たっぷり私に酔ってくださいね……」
「ああ……」
うーんなかなかワインはいいな、貧乏暮らしだから安いワインしか飲んだことがないけど、こういう高そうなワインはするりと、のどを通しても香りが残って、わずかに舌に刺激が残る。いいねえ、大人の味さ、子どもは酒を飲むものじゃない。飲まれてしまうからね。
さて、料理はっと、あっ……しまった。テーブルマナー知らないんだった、どうしようかな、テーブルクロス汚したくないんだよなあ。彼女は不思議そうにこちらを見た。
「どうかされましたか、佑月様?」
「僕はね、貧乏だからね、礼儀作法を知らないんだ」
「まあ、それでは私が食べさせてあげましょう──」
そして彼女はナイフで肉を切り分けて、僕の口元に持ってくる、僕はただ「あーん」と言って待つ。そこに彼女の肉を刺したナイフが口の中へと放り込む。
「あつっ」
「きゃんっ!?」
しまった、ちょっとソースがこぼれてしまった。そのままソースは彼女のとろりと乳房に落ちた。だからそっと僕は人差し指でそれをすくう。
「君を汚しちゃったね……」
「あっ……やだ……!」
彼女の乳房からすくったソースを指からなめた。
「うーん、甘いね……」
「ああ……! は、はい、甘いですね……甘い、ですよね、ふふふ」
僕は肉をほおばり、味わう。重厚な肉のうまみを楽しんだ後、瑞々しい、平原の匂いを残ったワインを口に含み、刺激で舌先を悦ばして、転がしていく。
情熱は決断を生み、海を生む。海は山を生み、山は丘を生み、丘は動物を生む。そして僕たち人間が生まれた。広大な大地に広がる、豊かな自然に酔いしれた後、彼女はすかさず肉を持ってくる。
「はい、佑月さん、あーん」
「あーん」
僕は彼女の肉を口で含み、舌先で転がし、甘く、酸っぱい、彼女の汁を楽しむ。だがまた僕のソースが彼女の乳に落ちた。
すかさず指で柔らかな乳房に僕の指をうずめ、今度は僕の汁を指でかき回しながら、玉のような白く輝く乳房の肉を、指先で味わい、少し押しただけで、肉が沈み、形を変え、プクリとふくらみ彼女の乳が広がっていく。今度は汁をじっくり口に含んで、彼女を楽しむ。
実に薔薇の味じゃないか、娑婆の栄華はゆめのゆめ、なら、夢は極楽で、それは西にあるさ。白い血のワインを掲げ、阿弥陀様に挨拶して、今日の悪徳を楽しむ。快楽は悪とブッダは言った。なら、悪を味わえるのが大人の証拠だよ。
堕落と快楽は子どもには必要ない。夢という堕落は、大人の特権さ。閻魔様に裁かれる前に、阿弥陀へ拝んで、死へと旅立とう、罪を背負って──。
「今日は素晴らしい夜になりましたね」
「ああ、月が輝いている、妖しいほどにね」
「惑いますか?」
「悪魔の囁くままに」
僕たちはしずかに笑い合う。じっと彼女は僕を見つめてきて、彼女は瞳を素早くウインクした後、舌で僕の唇の横を舐めた。
「えっ……?」
「うふ……。佑月さん、ソース……ついてました……!」
クラリーナは処女のまま、照れ笑いを浮かべた。僕は何だかその温かい彼女しっとりとした舌の感触が気持ちよくて気分が高揚してきた。
「あはは、そうかい! いいね!」
「そうですね、いいですね……」
瞬間彼女は目を閉じた。少しクラリーナは振るえている。僕はそっと彼女の肩を抱き、まばゆい彼女に向かって言ったのだ──
「──あっ、あの星、なんていうんだい? あの一番輝いているの──」
「えっ!?」
彼女はいきなり固まった、ん? どうしたの? なんかまずいこと言ったかな。
「えーと、この世界でローランと言います」
「かっこいい名前だね」
「そうですね……」
そして彼女はまた時が止まる。何、なんなの? この間は……? だが、彼女は怒ったように、恨めしそうに言っってくる。
「あの……、ディナーを一緒に楽しむんですよね……?」
「うん、そうだよ」
「そうですね! そうですとも! そうか、まだなのか……。いやあ、難しいなあ……恋の成就の瞬間って……。私こんなこと初めてだから……」
「ああ、なるほどね」
なんだ彼女、男と夕食を食べるの初めてなんだ。まあ、珍しいよね、彼女、結構生きているのに。でも、何か手慣れた感じなのは何なのかな。この世界の礼儀作法かな。僕が食事を楽しんでいると、しびれを切らしたクラリーナは真っ赤な顔をして言葉をこぼした。
「あ、あの……! だめです、お腹いっぱいにならないでください! 私が貴方の中に入れないじゃないですか!」
「──どっちかって言うと僕は君の中に入りたいね」
「ええっ!」
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「そんなに佑月様に直接的なことを言われると、私。だ、だめ、我慢できない。……あの、その、私……!」
彼女は身をくねらせながら足を組みだす。あっ、あそこが見え……、ないか……。なるほど。クラリーナは腕で胸をはさみ白い乳房をこちらに持ってくる。うわあ、すげえボリューム。いやあ、芸術だ。ああ、でっかいなあ。感動したよ! すごいや。ほんと。
彼女は熱にうなされたようにクラリーナの喘ぎ声のような甘い声を漏らしてくる。
「も、もう……だ、ダメ! もう。佑月様。佑月様! わ、私、もう、限界、我慢できない……! 私、貴方のような大人じゃないんですよ……! ……だから、だから、はやく、この夜が終わらないうちに、私を食べちゃってください!!! あっ……! そ、そのまま、押し倒してください! お願いします!!!」
「──えっ? なんで」
「は──?」
二人は一瞬止まった。何なにどういうこと。僕は女性を食べる趣味なんてないよ。食べるのは牛とか豚とかそこら辺。僕が冷静なままでいると、クラリーナはいきなり涙目で震えだした。
「あの……! 佑月さん……。私とディナーを共にしたいと、貴方、手紙に書きましたよね……?」
「だから、一緒に食べてんじゃん、夕食を」
「は?」
「は?」
何? なんか悪いのこれ。その時彼女は、はっと気づいた様子で、声を震わせ出す。
「も、もしかして、この世界でのディナーを共にしたいって意味、わかってないです……?」
「なんかほかに意味あるの?」
彼女は涙をためてこぶしを握り締めた。めっちゃ震えてるね。マグニチュード5.6かな? 彼女は感情をまき散らすように大声で叫ぶように告げた!
「……えっと、えっとですね! この世界ではですね! 男が女性にディナーを共にしたいって言ったら! 貴女とベッドインしたい!! 貴女を抱きたいって意味なんです!!!
わかりますか!! ベッドイン!! 男と女の交わり! わかりますか! わかりますよね! そりゃ、私も貴方も大人ですから、そうですよね!!! 違いますか!?」
え……? まじっすか……、それ?
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これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
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2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
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出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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