ヴァルキュリア・サーガ~The End of All Stories~

琉奈川さとし

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マハロブ市街戦

第二百四話 クラリーナとディナー

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 僕はシェリーのブライアンの特訓を見届けながら、メリッサと話しているとアイリーから、手紙を渡された。

「あ、クラリーナ先輩からの手紙です。どうぞ。なんかすごい女の顔で書いていましたよ」
「何ぃ!?」

 アイリーの言葉に何だコノヤローとすごい形相でメリッサが反応してきた。僕はすぐさま釈明する。

「違う報告書の続きだよ、いろいろと騎士団が忙しいらしいから」

 僕の言い訳に、珍しくアイリーは口を挟まなかった。どういうことだろ、何かにやにやしている。メリッサはジト目で言った。

「ふーん、何を報告してるんだかな」
「疑うなよ、そんなに」

 僕は自然を装って、自室に帰り、クラリーナの手紙を見た。前回かなり怒っていたから、誤解が溶けたのかすごく気になる。彼女の手紙はこう書かれていた。

 はいけい 佑月様

 お手紙ありがとうございます。貴方の気持ちはわかりました。誤解でしたか、申し訳ございません。私の早とちりで嫌な気分をされたでしょう。べんかいのよちなどありません。
 お食事の件ですが、できれば今日会えないでしょうか? 準備は全部、整っています。私のすべてを貴方にゆだねると神にちかいました。
 もはや、何も神に言い訳はいたしません。私は私の気持ちに正直に生きたいと思います。今日私の屋敷でディナーを共にしたいと思います。貴方となら私……。
 今日の夜、会いたいです。私の佑月様。

              貴方のクラリーナより       けいぐ

 ん? 随分ずいぶんと短い文章だな、とりあえずナオコを守ってくれた恩があるし、夕食ぐらい付き合うか。ふう、それにしても急だな。どうしたんだろうか。まあ、いい、誤解されると困るから、メリッサには教会団を捜査してくると言って出かけるか。

 ……まあ嘘じゃないし。

 さて、アイリーにクラリーナの屋敷の案内を頼むかな。僕はアイリーの部屋のドアを叩くと、彼女は今度は鎧姿で出てきた。よかった、話が通じるじゃないか。

「なあ、アイリー、クラリーナの屋敷の場所、知ってる?」
「はい、知ってますが何か?」

 どうやら、めんどくさい事にならずに済みそうだ、彼女に案内を頼もう。

「今日一緒にディナーをとることにしたんだ。彼女と。屋敷に案内してくれないか?」
「えっ、ぇええええっ──!!」

 いきなり大声で驚いたんだけど、なんだその反応は。友達と夕食を食べて何が悪いんだ。

「いや、だから夕食を一緒に──」
「わかってます! わかってます! 皆まで言わなくて大丈夫です。メリッサさんのことは安心してください、私、クラリーナ先輩の方につきますから」

「ん? まあ、いいや、とりあえず連れて行ってくれないか」
「ななななな、私とも一緒にディナーですか! 欲張りさんですね。でも先輩が怖いからやめときます! お二人でどうぞごゆっくりしてください、住所は教えますんで!」

 そう言って慌てて顔を赤くしながら、僕にクラリーナの屋敷の場所を教えてくれた。なんか大げさだな、たかが夕食だろ。何、慌てているんだろうか。

 とりあえず街に出たけど、結構都会だから入り込んでいるなあ。日が沈む前に間に合うだろうか。そう思った瞬間だった。いきなり後ろから僕の股間を白く細い指先で隠しながら抱き着かれた。

「だーれだ!?」
「……いや、ララァしかいないだろう、こういうことをするのは」

 後ろを振り返るとやはり青髪のゴスロリ少女がいた。どうせ胸の感触でわかるし。

「随分と久しぶりな気がするね」
「そうですね、私も忙しかったですからね、ナオコ様の救出のため、忠実なご主人様の犬である私が、審問官たちを説得したんですよ、ほめてください、ほめてください!」

 そう言って頭を差し出してきたので、僕は彼女の頭をなでた。

「……えらい、えらい」
「バウ、バウ!」

 腰を振りながら、僕に顔や体を擦りつけてくる。まあ、メリッサがいたら殺されるところだけど、どうやら今回はつけている様子はなかったし。ナオコの救出の手伝いのお礼ということで、ララァの気ままにしておこう。

「相変わらず単独行動が好きですね、ご主人様は。もしかして、私に会いに来たのですか。まあ、どうしましょう! お礼なら体で払ってやるよ、ぐへへな展開なのですね!

 きゃ、そんな強引に胸をもまないでください、私はそんなに大きくない……。はっ! 揉んで大きくしてやろうってことですね。あん! スケベ、でもその強引さが……ああ……、私、良くって、貴方の命令には逆らえない……。私はもう、性・ド・レ・イ……!」

 勝手に妄想して体を抱きしめて、真っ赤な顔で、くねくねしてる。はじまったか……。ああ、そう言えば彼女クラリーナの従姉妹だったな。場所を探すのもめんどくさいんで彼女に案内を頼もうか。

「そんな妄想はいいから、クラリーナの屋敷、知ってるだろう、案内してくれないかい?」
「はい? 別にいいですが、クラリー姉さまに何のご用でしょうか?」

「いや、彼女とディナーをしようと約束してるんだ。案内してくれ」
「えっ、ディナーって……えええええええぇえ──!?」

 いきなり大声を上げたのでびっくりしてしまった。何だ何だこの反応は。夕食をいっしょに食べるだけだろ。大げさすぎるな、もう。

「別に驚くことじゃないだろ、これくらい」
「これくらい!? これくらいなんですね! そこまでクラリー姉さまと仲が進んでいらしたのですね! 私気づきませんでした──。ああ、ロマンチック……! 不純と堕落の快楽……!」

「変な表現はやめてくれ、ディナーだろ」
「ええディナーですよ、すごいですね! どうやってあのお姉さまを口説いたんですか! 気になります!」

「いや、別に手紙を交換する仲で……」
「そこまでいってたんですか! いやはや、私の目は節穴でした、ええ、そうですとも!」

「何か悪いの」
「いえいえいえ、どうぞどうぞ、お二人がそういう関係なら仕方ありません、私も応援ということで、一緒に食べてくださいね!」

「何言ってるんだ、誤解を招くような言い方はやめてくれ」
「なるほど! 胸ですか! やっぱり男は胸ですか! そうですよね、クラリー姉さま、凄いですものね、胸……」

「何がすごいんだよ」
「知ってるくせに……。──ス・ケ・ベ」

「よくわかんないけど、案内してくれるのかい?」
「ええもちろんですとも、後で感想を聞かなきゃ、お姉さまとご主人様に……」

 彼女は頬を染めて両手で顔を押さえている。大げさなんだよなあ、この娘は……。

 そうして、クラリーナの屋敷にやってきた。もう辺りは暗くなり、屋敷の窓から光が見える。この時代には珍しい、ステンドガラスと採光をとり入れた屋敷で、良いムードだな。この夜景は。

「素晴らしい夜ですね、ではご主人様、これで」
「あれ、ディナーを一緒にするんじゃなかったのかい?」

「いえいえいえいえ、いいえ! そんなことすればお姉さまに殺されてしまいます。それではご主人様、ごきげんよう──」

 そう言ってそそくさと彼女は帰って行った。夜道を少女の姿一人で大丈夫か、まあ、時間変革能力があるから、いいか。あれ凄い便利な能力だし。

 僕が屋敷のドアノックで叩くと正装した老人の男が現れた。

「あの……」

 あ、そう言えばぼくは現地人と話せないどうしようか。彼はそれを理解しているのか身振り手振りで玄関広間で待つよういわれた。

 すごい豪華な屋敷だな。爵位持ってるとか聞いた覚えがあるけど、儲かるのかなこの世界で。そして昂奮こうふんして上ずった女性の声が聞こえてきた。

「──佑月様!」

 え? いきなり真っ赤なドレスの美しい紅髪のご令嬢が現れてびっくりした。しかもびっくりしたのがドレスが実に、肌色成分が多くて、肩と胸の半分がむき出しで、前のスカートは刺繍をつけながらもスケスケで白い長い脚とふとももが丸見え。

 白く玉のような肌がむき出しにされて、実にその……えっちだ。それよりもだ、恐ろしいことに、絶対に男でも女でも目が行くのが……胸だ。

 まばゆいばかりの白くて豊かで柔らかそうな乳房が、玄関階段を勢いよく彼女が下りるものだから、ぶるんぶるんと音を立てるように形を自由自在に柔らかく変えながら揺れている。

 ……その大きさ、エイミアよりずっと大きい。バスト100㎝超えてるんじゃないか、これ……! ロングの紅い髪の令嬢は僕の前で立ち止まった。え……もしかして……。

「もしかして、クラリーナ……?」
「……はい、貴方のクラリーナです……」

 そう言って彼女は情熱的な瞳をうるませながら、恥じらいつつ僕をまじまじと見てきた。

「──お待ちしておりました、佑月様……!」
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