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(二十六)釜小屋イメージ作りからのコーチング
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夏は、どうしたって早起きになる。
昨夜の酒が少し残っているが、やることもいっぱいあって、気にしている場合ではない。
小屋のレイアウトの前に、セガワさんの提案について、ある程度検証して、早めに判断するしか無い、そうしないと、レイアウトが決まらないことが判明したんだよね。煙突の位置があるから、それを決めてしまわないと、レイアウトも決まらないからね。
煙突の排熱利用の暖房について、ウェブ検索。いろいろ、出てくるが、どれも直接参考にできるようなものがない。つまり、世間的にあまり確立した方法がないと言うことだ。
薪ストーブのプロに相談するのがいつ番だが、このプロジェクトは、そういう主旨ではない。僕の結論は意外に早かったよ。
煙突排熱利用の暖房は断念。ベストウェイは、各テナントで、必要なら、個別に薪ストーブを設置するのがベストであり、安上がり。
はい、次。
考えてみれば、小屋に薪小屋も併設するしか無いよな、屋根の下に。
釜小屋レイアアウトイメージを作ってみる。
場所は、マルテナ北東角、『美容室 ガーデン』の裏に位置する。マルテナに接するイメージ。
小屋の北側にはカベを作り、北風をブロック。小屋の北東に少しカベを作るかどうかは、相談。パン釜は、小屋の北西角。その下に、接するようにカマドを三器、横型に設置。小屋の南は、薪ストックのスペース。東側の空きスペースの活用はみんなに相談、と。
こんな感じで、小屋のレイアウトイメージは良くて、あとは、パン釜の高さによって、小屋の屋根の高さは決まるから、パン釜の寸法イメージを考えるか。ネットで、似たような釜を検索してみる必要があるが、それは明日にしようかね。
天気予報確認。雨は午後は曇りっぽいが、雨はなさそう。部活は大丈夫だな。
仕入れに行くか。
イシイの奥さんに、この時期からこんなに暑いんじゃ、夏は水不足だね、という話をすると、ここは、丹沢湖の水源があるから、結構大丈夫なんだよね、という話。なるほど。
いつもの夏野菜。ナス、キュウリ、トマト。でも、こういう変わり映えのしない野菜こそ、毎日食べても飽きないよね。料理のバリエーションを考えれば。
タキザワにママには、訊かれたので、『パン釜』の小屋について、少しだけリーク。
「やっぱね、セガワさんの煙突排熱暖房は無理で、必要なら、個別に薪ストーブを設置するほうが断然、安上がりなんだよね」
「薪ストーブ良いよね。うちも付けようかな」
夢は広がる。
「おばさん、朝ご飯、何が良い。ご飯は炊いておいたけど」
「そうね、昨日結構食べたから、蕎麦みたいのが良いね」
「じゃあ、大根が少しあったから、おろしそばにするかね」
ぼうちゃんは、もうご飯をおねだりです。
「パン釜の小屋にさあ、お風呂作るのどうかな」
この、おばさんは、どんだけ風呂が好きなんだよ。
「いや、要らないでしょ、温泉行けばいいし」
言下に却下。
「そりゃ、そうだね」
「まあ、薪の風呂が温まるっていうけど、温泉のほうが手っ取り早い」
薪風呂を否定したのではない。この場所ではニーズは薄い。温泉が近いので。
食後、アパートに戻り、パン釜の形について、改めて調べ、寸法を決める。高さは、やはり、釜の窓の位置が目線で、取り出し易い位置、となると、身長一七〇センチの人で、一四〇から五〇くらい。釜の外寸は、幅一六〇から八〇、つまり一間四方くらいで、周囲のスペースとしては五十センチ幅取っておけば、メインテナンスも問題ないだろう。
釜の形は、フランス式の事例があったので、これを教授と、タカヤマ親方に同時に見てもらって、意見をもらうで良いな。
よし、と。
あとは、今日の練習メニュー。
ウォーミング・アップ後、長距離チームは、八〇〇、一五〇〇、三〇〇〇メートルのタイムトライアル。前回の反省を踏まえて、エクセルで、ラップ・タイム欄を入れて、記録シートを作成しておくか。
記録係をどうしようか、短距離は、二人ずつ走らせて、二人で計測。記録係は一人で十分。長距離は、一斉スタートにするので、タイム計測を複数でやる必要があるけど、まあ、太り二つずつストップウォッチを持ってすれば、三人で最大六人まで走れるな。
最初は、短距離をやってしまって、その後、長距離の計測班に回ってもらうでいいな。
フィールドは、ゆっくりやれるので、選手と計測一人ペアでやれば良いか。
昼食後に、プリントアウトなんかをやっているうちに、あっという間に、三時。
ミエコおばさんには、今日は、外で食べようと伝える。
「何食べたいか、考えておいて」
みんな慣れたようで、四時前には練習スタートになる。
「カツマタくん、今日どうする、百、二百走れる」
「はい、もう、痛みは全くなくなった感じです」
「でも、どっちか一本ずつにするか、百だけ二本にするか。幅跳びも三本くらい計測したいでしょ」
「うーん、じゃあ、百だけにします、今日は」
「そうだね、助走位置、だいたい決まった」
「決まってます。あとは、今日のコンディション次第です」
「よし」
「オチアイさんは、短距離走る」
「一応、百だけお願いします」
「一応じゃないでしょ、頼むよ」
「あ、はい」
「まあ、短距離は、県の標準記録は厳しいしな。フィールドに力点を置いたほうがいっけど、ベスト記録は目指す必要があるからね、常に。ウサミくん」
「はい」
「今日は、記録更新できそう」
「うーん、スパートが出せるようになってる気がします」
結果としては、二週目にしては、まずますだったね。
ウサミくんは、一五〇〇、三〇〇〇、とも、自己ベスト更新。特に三〇〇〇は、十分代を出してきた。逆に、八〇〇、一五〇〇を走り込むことで、さらに全体的に記録アップするはず。スピードを付けないと。あと、やっぱインターバルをもっと。
短距離は、一年のオオモリくんが十二秒三で、これは伸びしろありそう。カツマタくんは、十二秒一なんで、これで、十一秒代は見えたから、筋トレと、インターバル走り込み。
オチアイさんは、一メートル四十五、すでに跳んできた。これは期待。
それと、カツマタくんの走り幅跳びは、全部ファールで記録無しだが、出来は上々。あれなら、六メートル五十は跳ぶぞ。県の標準記録だろ。
これは、褒めるべき。それで、さらに伸びるタイミングだ。
「・・・発表は以上ですが、たいへんグッドですよ、みなさん。もう一踏ん張りだぜ。今ね、自分で練習してきて、課題が少しずつ見えてきたと想う。そういう時は、質問してきて、一個一個、ちっちゃいことでもいいから、ハルヤマ先生経由で、メールしてください。メールで回答できるものはすぐするし、時間が合えば、来るから。歩いてすぐなんで。そうして、一個ずつクリアしていけば、絶対伸びる。今日の記録見て、確信した。引き続き、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします。ありがとうございました」
帰りの車で、まんまとコマキネ先生にしてやられた、と笑いが込み上げてきた。
陸上塾でも何でもない、完全にコーチじゃん。
「まあ、いいか」
帰ると、おばさんが手ぐすねを引いて待っていたようで・・・・。
「ねえ、教授の店行こう。たまには」
「ええ、良いけど、予約しないとまずいんじゃね」
「もう、電話しておいた。二人ならぜんぜん大丈夫だって」
そういうわけで予想外のフレンチ。まあ、パン釜の話があるので、どうせ教授のところには行こうと思っていたんでいいが。
まあ、でも、釜も話しどころではなかった。料理が美味いの何の。
鹿肉のローストは、本当に、柔らかくて抜群だし。何しろ、前菜がめちゃくちゃ美味い、どれもこれも、ソースがね、やっぱ違うのよ。
ほんの最後に、パン釜の打ち合わせは、『シェ・ゴーダ』の定休日の月曜日の夕方、灘でやることで決定。
昨夜の酒が少し残っているが、やることもいっぱいあって、気にしている場合ではない。
小屋のレイアウトの前に、セガワさんの提案について、ある程度検証して、早めに判断するしか無い、そうしないと、レイアウトが決まらないことが判明したんだよね。煙突の位置があるから、それを決めてしまわないと、レイアウトも決まらないからね。
煙突の排熱利用の暖房について、ウェブ検索。いろいろ、出てくるが、どれも直接参考にできるようなものがない。つまり、世間的にあまり確立した方法がないと言うことだ。
薪ストーブのプロに相談するのがいつ番だが、このプロジェクトは、そういう主旨ではない。僕の結論は意外に早かったよ。
煙突排熱利用の暖房は断念。ベストウェイは、各テナントで、必要なら、個別に薪ストーブを設置するのがベストであり、安上がり。
はい、次。
考えてみれば、小屋に薪小屋も併設するしか無いよな、屋根の下に。
釜小屋レイアアウトイメージを作ってみる。
場所は、マルテナ北東角、『美容室 ガーデン』の裏に位置する。マルテナに接するイメージ。
小屋の北側にはカベを作り、北風をブロック。小屋の北東に少しカベを作るかどうかは、相談。パン釜は、小屋の北西角。その下に、接するようにカマドを三器、横型に設置。小屋の南は、薪ストックのスペース。東側の空きスペースの活用はみんなに相談、と。
こんな感じで、小屋のレイアウトイメージは良くて、あとは、パン釜の高さによって、小屋の屋根の高さは決まるから、パン釜の寸法イメージを考えるか。ネットで、似たような釜を検索してみる必要があるが、それは明日にしようかね。
天気予報確認。雨は午後は曇りっぽいが、雨はなさそう。部活は大丈夫だな。
仕入れに行くか。
イシイの奥さんに、この時期からこんなに暑いんじゃ、夏は水不足だね、という話をすると、ここは、丹沢湖の水源があるから、結構大丈夫なんだよね、という話。なるほど。
いつもの夏野菜。ナス、キュウリ、トマト。でも、こういう変わり映えのしない野菜こそ、毎日食べても飽きないよね。料理のバリエーションを考えれば。
タキザワにママには、訊かれたので、『パン釜』の小屋について、少しだけリーク。
「やっぱね、セガワさんの煙突排熱暖房は無理で、必要なら、個別に薪ストーブを設置するほうが断然、安上がりなんだよね」
「薪ストーブ良いよね。うちも付けようかな」
夢は広がる。
「おばさん、朝ご飯、何が良い。ご飯は炊いておいたけど」
「そうね、昨日結構食べたから、蕎麦みたいのが良いね」
「じゃあ、大根が少しあったから、おろしそばにするかね」
ぼうちゃんは、もうご飯をおねだりです。
「パン釜の小屋にさあ、お風呂作るのどうかな」
この、おばさんは、どんだけ風呂が好きなんだよ。
「いや、要らないでしょ、温泉行けばいいし」
言下に却下。
「そりゃ、そうだね」
「まあ、薪の風呂が温まるっていうけど、温泉のほうが手っ取り早い」
薪風呂を否定したのではない。この場所ではニーズは薄い。温泉が近いので。
食後、アパートに戻り、パン釜の形について、改めて調べ、寸法を決める。高さは、やはり、釜の窓の位置が目線で、取り出し易い位置、となると、身長一七〇センチの人で、一四〇から五〇くらい。釜の外寸は、幅一六〇から八〇、つまり一間四方くらいで、周囲のスペースとしては五十センチ幅取っておけば、メインテナンスも問題ないだろう。
釜の形は、フランス式の事例があったので、これを教授と、タカヤマ親方に同時に見てもらって、意見をもらうで良いな。
よし、と。
あとは、今日の練習メニュー。
ウォーミング・アップ後、長距離チームは、八〇〇、一五〇〇、三〇〇〇メートルのタイムトライアル。前回の反省を踏まえて、エクセルで、ラップ・タイム欄を入れて、記録シートを作成しておくか。
記録係をどうしようか、短距離は、二人ずつ走らせて、二人で計測。記録係は一人で十分。長距離は、一斉スタートにするので、タイム計測を複数でやる必要があるけど、まあ、太り二つずつストップウォッチを持ってすれば、三人で最大六人まで走れるな。
最初は、短距離をやってしまって、その後、長距離の計測班に回ってもらうでいいな。
フィールドは、ゆっくりやれるので、選手と計測一人ペアでやれば良いか。
昼食後に、プリントアウトなんかをやっているうちに、あっという間に、三時。
ミエコおばさんには、今日は、外で食べようと伝える。
「何食べたいか、考えておいて」
みんな慣れたようで、四時前には練習スタートになる。
「カツマタくん、今日どうする、百、二百走れる」
「はい、もう、痛みは全くなくなった感じです」
「でも、どっちか一本ずつにするか、百だけ二本にするか。幅跳びも三本くらい計測したいでしょ」
「うーん、じゃあ、百だけにします、今日は」
「そうだね、助走位置、だいたい決まった」
「決まってます。あとは、今日のコンディション次第です」
「よし」
「オチアイさんは、短距離走る」
「一応、百だけお願いします」
「一応じゃないでしょ、頼むよ」
「あ、はい」
「まあ、短距離は、県の標準記録は厳しいしな。フィールドに力点を置いたほうがいっけど、ベスト記録は目指す必要があるからね、常に。ウサミくん」
「はい」
「今日は、記録更新できそう」
「うーん、スパートが出せるようになってる気がします」
結果としては、二週目にしては、まずますだったね。
ウサミくんは、一五〇〇、三〇〇〇、とも、自己ベスト更新。特に三〇〇〇は、十分代を出してきた。逆に、八〇〇、一五〇〇を走り込むことで、さらに全体的に記録アップするはず。スピードを付けないと。あと、やっぱインターバルをもっと。
短距離は、一年のオオモリくんが十二秒三で、これは伸びしろありそう。カツマタくんは、十二秒一なんで、これで、十一秒代は見えたから、筋トレと、インターバル走り込み。
オチアイさんは、一メートル四十五、すでに跳んできた。これは期待。
それと、カツマタくんの走り幅跳びは、全部ファールで記録無しだが、出来は上々。あれなら、六メートル五十は跳ぶぞ。県の標準記録だろ。
これは、褒めるべき。それで、さらに伸びるタイミングだ。
「・・・発表は以上ですが、たいへんグッドですよ、みなさん。もう一踏ん張りだぜ。今ね、自分で練習してきて、課題が少しずつ見えてきたと想う。そういう時は、質問してきて、一個一個、ちっちゃいことでもいいから、ハルヤマ先生経由で、メールしてください。メールで回答できるものはすぐするし、時間が合えば、来るから。歩いてすぐなんで。そうして、一個ずつクリアしていけば、絶対伸びる。今日の記録見て、確信した。引き続き、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします。ありがとうございました」
帰りの車で、まんまとコマキネ先生にしてやられた、と笑いが込み上げてきた。
陸上塾でも何でもない、完全にコーチじゃん。
「まあ、いいか」
帰ると、おばさんが手ぐすねを引いて待っていたようで・・・・。
「ねえ、教授の店行こう。たまには」
「ええ、良いけど、予約しないとまずいんじゃね」
「もう、電話しておいた。二人ならぜんぜん大丈夫だって」
そういうわけで予想外のフレンチ。まあ、パン釜の話があるので、どうせ教授のところには行こうと思っていたんでいいが。
まあ、でも、釜も話しどころではなかった。料理が美味いの何の。
鹿肉のローストは、本当に、柔らかくて抜群だし。何しろ、前菜がめちゃくちゃ美味い、どれもこれも、ソースがね、やっぱ違うのよ。
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