104 / 325
第12章 モナ・リザ新たなる出発
未来に向けて、モナ・リザ新たなる出発
しおりを挟む冥王星が太陽系の惑星から除外された時は、ショックだった。
だが、きちんとした太陽系惑星の定義に外れていると実態が解った場合は、いかに何百年の歴史があろうと、いかに多くの人々に愛されようと、無情にも排除されたり変更されたりしてしまう。
科学は常に、常に、進歩し、時代と共に様々な変革を常としている。
美術史はどうだろう?
コローの『真珠の女』は真珠を一粒も身に付けていないのに真珠の女と呼ばれているという。
後世の誰かが、女性が身に付けている髪飾り、特に額の中央の部分、それを真珠と見間違い、真珠の女と名付けられたそうだ。
長年の研究により、それが真珠ではないと解ったからといって美術の歴史は変わりはしない。
「間違いです。だから新しく絵に相応しいタイトルをつけましょう!」
なんて動きは、あるはずもない。
確かに、絵画にとってタイトルは重要である。
いきなり絵のタイトルが変わってしまったら、私達は、それ(新しいタイトル)が何を指し示しているか困惑し、定着している旧タイトルでないと、どうしてもいけないような、感覚となるだろう。
美術界の住人にとっても、長年積み上げられたものが一気に崩れ落とされたような気持ちになるに違いない。
変な言い方だが、仮に新しいタイトルになれば、振り出しに戻るような…そんな錯覚にさえなるだろう。
全てのことを承知の上で、私はやはりモナ・リザには、サブタイトルが必要だと訴えたい。
モナ・リザは、人物画ではなく、ダ・ヴィンチがイメージした聖母なのだから、特定の一個人名をつけるのは、やはり間違っている。
だから一旦サブタイトルをつけて、
タイトル『モナ・リザ』と同じくらい、サブタイトル『来世の母』が定着するまで時を待つ。
そのうちに、二つ目のタイトルが、とても絵画に馴染んでくるのを私達は感じるに違いない。
だって、微笑みのあの女性は、聖母マリア様であり、
実母カテリーナであり、
ダ・ヴィンチ自身でもあるのだから。
時代は流れ、人類は目覚めの時を経験する。
モナ・リザの要素が何一つ描かれていない絵がモナ・リザだなんておかしいじゃないかと、人々は、だんだんと目が覚めていく…。
一度真実を知った人類にとって、モナ・リザを恋しがるような逆戻りは、果たしてあるのだろうか?
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる