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2019.6.9 まともな意見が飛び交っている現状を知る。「サルバトール・ムンディ公開について」

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ダビンチ作? 今どこに? 謎呼ぶ500億円の絵画「サルバトール・ムンディ」
2019年4月30日 14:17 
発信地:パリ/フランス [ フランス サウジアラビア アラブ首長国連邦 中東・北アフリカ イタリア ヨーロッパ ]


https://www.afpbb.com/articles/-/3223150?cx_amp=all&act=all


【4月30日 AFP】フランス・パリのルーブル美術館(Louvre Museum)で今年、レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の没後500年記念展が開催されるが、メディアや専門家の注目を集める絵画「サルバトール・ムンディ(救世主、Salvator Mundi)」は展示されない可能性が出てきている。

 サルバトール・ムンディは2017年、競売大手クリスティーズ(Christie's)でダビンチの作品として競売に出され、4億5000万ドル(約500億円)で落札された。だがそれ以後、公の場に展示されることはなく、所有者が誰か、どこにあるのか、本当にダビンチの作品なのか、さまざまな臆測や疑いを呼んでいる。

 サルバトール・ムンディは1500年ごろにダビンチがイエス・キリスト(Jesus Christ)を描いたものとされる作品で、昨年9月にルーブル美術館の国外初となる分館ルーブル・アブダビ(Louvre Abu Dhabi)に展示される予定だった。ところが、理由は一切発表されないまま、展示は延期された。

 ルーブル・アブダビは落札者の身元については固く口を閉ざし、アラブ首長国連邦(UAE)の文化観光局が「取得した」とのみ説明している。

 来月2日、イタリアのセルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領とフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が、1519年にダビンチが67歳で亡くなった地、仏ロワール渓谷(Loire Valey)で行われる式典に出席するが、それに先立ち、サルバトール・ムンディの謎はさらに深まった。


AFPの取材に応えたルーブル美術館の広報担当者によれば、「ルーブルは(UAEの)アブダビにある文化観光局にあの絵の貸し出しを依頼した」が「一切、返事がない」というのだ。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)は、絵画を落札したのはサウジアラビアのバドル・ビン・アブドラ・ビン・ムハンマド(Badr bin Abdullah bin Mohammed)王子で、同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)の代理だったと報じている。

■偶像崇拝を禁じるイスラム教の教義に反しているから?

 サルマン皇太子は、この報道について肯定も否定もしていない。バドル王子は昨年6月、サウジアラビア初の文化相に指名されている。

 サウジアラビアは隣国UAEと非常に近い関係で、両国は共に、イエメン内戦で政権派の有志連合軍に参加している。サルマン皇太子は、UAEのアブダビのムハンマド・ビン・ザイド・ナハヤン皇太子(Crown Prince Mohamed bin Zayed)と親しく、ムハンマド皇太子は2017年、ルーブル・アブダビの開館式典にマクロン氏と共に出席していた。

 サルバトール・ムンディが展示されなくなった時期、サルマン皇太子は反体制派のサウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が殺害された件で国際社会から厳しい目を向けられ、皇太子自身は事件への関与を否定したものの、体面を失った。

美術品市場調査会社アートプライス(Artprice)によると、サルマン皇太子は、イスラム教スンニ派(Sunni)の最高教育機関であるエジプト・カイロのアズハル大学(Al-Azhar University)から、サルバトール・ムンディを宗教的な場所に展示してはならないとくぎを刺されたのだという。

 イスラム教ではキリストは預言者の一人とされ、偶像崇拝が禁じられている。だが、サルバトール・ムンディではキリストは救世主で、神として描かれている。

■ダビンチ作なのかも議論に

 サルバトール・ムンディは本当にダビンチが描いたのか、多くの美術専門家の間で意見は割れている。

 ダビンチの技法の専門家ジャック・フランク(Jacques Franck)氏は、「細部を見れば分かる」として、指やその他の部分は「解剖学上あり得ない」お粗末な描写だと指摘。サルバトール・ムンディが制作された頃、ダビンチは時間がなかったため、特定の絵画については自身の工房に仕上げさせていたと説明した。

 美術史学者で「The Last Leonardo(最後のレオナルド)」を執筆したベン・ルイス(Ben Lewis)氏は、英ロンドンのナショナルギャラリー(National Gallery)は2011年にサルバトール・ムンディを展示したが、同美術館は、ダビンチ作であるかどうかを判定するために派遣された専門家5人のアドバイスを受け入れなかったと述べている。

 このときの判定は、2人はダビンチ作で間違いない、1人は違う、残り2人は分からない、と分かれた。それにもかかわらず、サルバトール・ムンディはダビンチ作として展示された。

一方、2005年からサルバトール・ムンディの修復に関わったダイアン・モレスティーニ(Diane Modestini)氏は、「あれはダビンチが描いたもの」で、なぜ議論になるのか分からないと主張している。

 クリスティーズの広報担当者は、「私たちは、この作品を誰が描いたのかを判断するために2010年に徹底的な調査と研究を行い、その結果を支持している。クリスティーズで競売を行った2017年以降も、再考を迫られるような新たな議論や推測は出てきていない」と話した。

 今秋行われるルーブル美術館のダビンチ展で、来場者が実際に自分の目で見て結論を出す機会があるかどうかは今のところ不明だ。開催を前に数か月間もアブダビから返事がないのだとしたら、展示される可能性がないからなのだろうとフランク氏は言う。

 しかし、ルーブル美術館にとっては、それが結果的には吉と出るかもしれないと、あるダビンチ専門家は指摘する。サルバトール・ムンディを展示すれば、ルーブルのこれまでの「評判と信頼が汚される」恐れがあるからだ。(c)AFP/ Bruno KALOUAZ
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