36 の世

鏡子 (きょうこ)

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イシス神について

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イシス  (Isis)
 

コトバンク

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より 転載



イシス
Isis

古代エジプト宗教の最高の女神。
初めはナイル川デルタ地帯のブシリス北方のペル・ヘベットの女神。
天神ヌトと地の神ゲブの娘で兄オシリスの妻となってホルスを生む。
弟セトの陰謀により夫が殺され王位を奪われると,彼女は夫の遺体を見つけ出して集めこれを蘇生させ,デルタの沼地でこっそりホルスを育てた。
ホルスは成長して父の仇を討ち,オシリスはよみがえって地下界の王となった。
イシスは,最高神レーの秘密の名を知ることにより神々のなかの最高位についた。元来穀物の神と考えられ,のちに月神,復活神,陰府神,医薬神として信仰された。

イシス崇拝は全エジプトで行われ,早くからシリア,クレタやギリシア,ローマにまで伝わった。その神殿は帝政期のローマでも栄えた。
ギリシア人はデメーテル,ヘラなどと同一視し,航海者の守護神として各地の港で崇拝した。
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