眠れぬ夜を超えて… 悲喜交々 Part2

何で炎上するのか分からない。

朝日新聞デジタルより

仕事と家庭の両立「よくばり」か　広島県の小冊子が「炎上」で改訂へ

2021年12月12日 01:28朝日新聞デジタル
　広島県が働く女性向けに発行してきた小冊子に対し、インターネット上で11月下旬、猛烈な批判が巻き起こった。県は12月8日、全面改訂を検討すると表明した。突然「炎上」したのはなぜか。

　小冊子は「働く女性応援よくばりハンドブック」。県が2014年から発行を始め、15年の改訂時から今の題名になった。「仕事も暮らしも。欲張りなライフスタイルの実現のために。」との副題もある。

　発端は題名だった。県公式アカウントが11月27日、「すべての女性を応援する小冊子です」とツイッターで紹介すると、「仕事と家庭の両立はよくばりなのか」といったコメントが付いたリツイートが相次いだ。
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　冊子は、働く女性の現状についてのデータや、さまざまな支援制度、相談窓口などがまとめてあり、県ホームページで読める。ツイッターではやがて「ワーキングママの心構え　同僚・周囲への感謝と配慮を忘れずに！」のページに批判が集中するようになった。

　このページはイラスト入りで、働く女性が周囲の人に「こんな風に思われているかも」という例と、「アドバイス」が並ぶ。

　「夜泣きがうるさくても我慢してるし、多少は手伝っているんだから勘弁してほしいな」という夫への対処法としては「ちょっと大げさに感謝するとやる気を出してくれます」。「子どものいない社員の負担が増しているみたい」という上司には「同僚の負担を軽減するための方法を一緒に考えましょう」としている。

　ネットでは「父親の自覚ゼロの夫に感謝しろとは」「働く男性とその雇い主が働く女性の家事育児にタダ乗りしている。罪悪感をあおらないでほしい」といった声があふれた。コメント付きリツイートは6千件を超えた。県には12月10日までに、計34件の批判の声が直接寄せられたという。

　湯崎知事は11月30日の記者会見で「仕事も暮らしもどっちかを犠牲にしたり諦めたりするのではなく、希望がかなうようにしていきましょうというのをキャッチーに『よくばり』と言ってきた」と説明した。「誤解を生んでいるのかなと思うが、（表現自体が）問題ということではない」と述べた。

　ただ、県の担当者は12月8日の県議会委員会で「表現の一部に不快な思いをされ、批判を頂いたことを真摯（しんし）に受け止めている」とし、「冊子の内容全体を見直し、改訂する」との方針を明らかにした。朝日新聞の取材に対して県は「『よくばり』の表現を変更するかは未定」とした。（比嘉展玖）