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歴史は変わった

1926年、メーラー

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糸車の聖母(バクルーの聖母)に関しては、メーラーという研究者が、1926年に、「背景は、後世の画家の加筆であり、背景に隠された原画はレオナルドの手によるものだ。」と主張した。

よくよく考えたら、そのあたりから、バクルーの聖母に対する解釈が変わってきたと思う。


【レオナルドの筆致を見つける為に…】

レオナルド工房の絵は、
上塗りを剥がされたり、色々な加筆をされたり、絵に心があるとすれば、ある意味、えらい迷惑な話である。



糸車の聖母に関しては、
3通の手紙が存在し、それには絵を知る重要な手掛かりが書き記されいる。


《歴史的に原画は失われた》

という証明が、そこに存在する。



それでも、レオナルドの真作にしたいが為に、加筆したり、
今度は、その加筆部分が
剥がされり…


レオナルド工房の作品は、
加筆されたり、剥がされり、
また加筆されたりを繰り返す。


結局の所、私は、レオナルドの信頼厚き弟子が描いた背景を、
知る事が出来ない。



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