緊急地震対策

鏡子 (きょうこ)

文字の大きさ
378 / 655
地震問題から、何故か、山中伸哉教授が発信されるサイトに繋がった。

2020.04.03 続きの記事を転載

しおりを挟む




 こうした巨額の保障措置があっても,国民生活への影響は甚大です。給付の対象になるのか,実際に何時になれば手元に届くのか,措置発表前に解雇された人はどうなるのか、自営業者はどうなるのか、といった途方に暮れる人々の姿が連日ニュースでは取り上げられています。商工会議所の調査では、企業の6割が手元現金を3ヶ月しか保有しておらず、数週間から数ヶ月のうちに多数の企業が倒産に追い込まれるのではないかと懸念されています。教育の機会を奪われた子供たちはどうなるのか等々問題は尽きません。外出禁止という劇薬を打つにあたっては、相当の混乱、経済社会への打撃を覚悟する必要があり,効果とコストを勘案してタイミングを選ぶ必要があるとお見ます。そのコストは国全体で追わねばなりません。これは極めて難しい判断だと思いますが,コストを恐れて措置を遅らせれば,感染が拡大しさらなる命が失われることにもなりかねません。
 (3)なぜ外出禁止措置導入が遅れたか
政府の対応については,イタリアの状況を数週間遅れで追っているとの認識がありながらも,外出禁止の導入が遅くなり感染拡大を許してしまったのではないかという批判があります。上述のように深刻な経済社会的副作用が予想され,強制力を持った措置をとれば政府が補償を行わざるえず,その検討も必要だったと思われますが,他にもいくつかの原因が指摘されています。
(ア)自由制限への躊躇
背景には、英国人の国民性,個人の自由を最大限尊重したいという保守党政権の考えがあったという指摘があります。始め政府は各個人が責任をもって対応することを期待して「自粛の呼びかけ」を行いました。3月16日には、首相自ら国民に対して、「できるだけ自宅勤務に移行し,不要不急の対人接触を避けるためにパブやレストランに行かないでほしい」と訴えました。しかし、効果が薄いため、20日夕、再び首相が記者会見して「パブ、レストラン、劇場、室内ジム等の閉鎖」を指示します。それでも週末に人出が思ったほど減らず、感染が更に拡大したことから、23日夕に再度首相が会見し「罰則を伴った外出禁止」を導入しました。強制的な措置を嫌った結果、一週間の遅れが生じたと批判されています。
(イ)当初の予想死者数見積もりの誤り
 さらに指摘されているのは、当初の政府対応のベースになった分析の妥当性です。英政府は当初はcontainment (感染者が出るたびに、そこからの感染拡大を一つ一つ潰し、拡大を封じ込める)を試みました。振り返れば、英国のようなオープンな国で(いまだにいずれの国からの入国も拒否していません)containmentは初めから無理があったのかもしれません。感染の広がりを受けて、次にmitigation に転じます。政府は,独自の分析に基づき,感染拡大を緩和してピークの山を低く遅らせることで時間を稼ぎ,その間に対応体制を高めておいて重症患者に治療を行う、その間は,症状が軽い・もしくは無症状の感染者が拡大することを容認し、人口の6-8割程度の人々が免疫(hard immiunity)を獲得することにより社会としてこの伝染病に対する強い耐性を築く、その過程で10万人の死亡者が発生する可能性は受忍せざるを得ない、というものでした。
 これに対して異を唱えたのがインペリアル・カレッジの研究グループでした。22日付サンディ・タイムズ紙によれば、3月12日に政府が緊急事態に開催する科学顧問会合(SAGE:Scientific Advisory Group for Emergencies)でインペリアル・カレッジの報告書が検討され,現行の政策を維持した場合51万人の死者が発生しうること、mitigation措置をとったとしても25万人の死者が出るとの内容が紹介されたこと,当初の死者数予測(10万人)を大きく上回る予想結果を受けて政府内で政策の見直しが始まり,16日以降,次々と感染拡大防止措置強化が始まったと報じています。しかしながら,政策転換を決めてからも23日の外出禁止の導入まで一週間の遅れがあり,英国は目の前にイタリアというモデルがあったにもかかわらず,政府の対応の遅れで数週間の時間を失ってしまったと批判されています。 
 インペリアルカレッジのレポートは次の通りです。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

痩せたがりの姫言(ひめごと)

エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。 姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。 だから「姫言」と書いてひめごと。 別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。 語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

処理中です...