月の女神

第一章 メトロポリタンミュージアムへ行こう。 ※他の小説と重複

運命の出逢い

変な話であるが、私は小学生の頃から、天使より結婚相手を決められていた。

ある日、授業中に天井の方向から、声が聞こえて来た。

「そうちゃんを探しなさいよ。｣と…


中学、高校と、その名前が頭の片隅にあったので私は、そうちゃん探しをしていた。


なんだか、本当に巡り会ったら…ロマンチックだなって、夢見る乙女の心境だった。


高校の時のクラスメイトメートに宗平君という男子がいた。


私は、一瞬「この人が運命の人かな？」って思った。顔立ちは、わるくない。まぁまぁイケメンだ。しかし、ときめかない。可もなく不可もなく、ただ真面目な人という印象しかなかった。結局の所、学校の用事以外では、会話することすらなかった。



いつか、そうちゃんに巡り合いたい、そう思いながら、年を重ねた私。


しかし、いつの間にか、あれは単なる気のせいか？と思うようになった。25歳の時に、直哉君という人と恋愛し、私は真剣に結婚を考えた。


しかし…結果として結婚は出来なかった。…私はフラレてしまった。


その後何年間か私は、恋愛とは遠ざかった生活をしており、休みの日は、朝から晩までパチンコ通いをしていた。「あ～なんて情けない。　


もっと外にする事あるだろうが…。(自問自答)」しょうがない。
人は傷心中は、何も考えず、だだぼーっとしていたいものだ。


煙臭さと、絶え間ない騒音、その環境が、妙に居心地が良かった。


振り返ってみたら、ただ雑踏の中に身を置きたかっただけかもしれない。


色々あって、職場が変わった。私は、そこで出会った人と気が合って、恋愛関係となり結婚することになった。



その人の名は惣(そう)さん。小学生の頃、天使から教えてもらった名前と同じ名前だった。 


運命って本当にあるのかもしれない。
結婚式が無事に終わり、新婚旅行先は、どこにしょうか？という話し合いになった。


そこで私は、主張した。



「昔からﾒﾄﾛﾎﾟﾘﾀﾝ美術館に行くことを決めていた。｣と…