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第二章 フェルメール作品「眠る女」は、本当に眠っているか?※他の小説と重複
2004年8月、運命の日は訪れた。
しおりを挟むメトロポリタンミュージアムを訪れて以降、私は、フェルメールに強い憧れを抱くようになり、もう一度、本物を見てみたいと願うようになっていた。
チャンスは2004年にやって来た。フェルメールの『絵画芸術』が神戸市美術館にやって来るという情報を聞きつけた。
ダンナに相談すると、すんなり観に行っても良いという許可がでて、私は、長男(当時1歳10ヶ月)を連れて、美術館に行った。
2004年8月、運命の日は訪れた。
私は、『絵画芸術』の絵画に関しては、特に解説書を読むなどの下調べをしていなかった。
巡り逢った、その絵に、私は驚嘆した。
『絵画芸術』
その絵の情景は、幼少期の夢にて私が、《父親の背中の後ろに立っていた》その場所に本当によく似ていた。
父親の洋服のデザインも、私は小さい指を絡めて遊んでいたから、よく覚えている。ビロードの感触、肌ざわりの心地良さが起きたばかりの時まで、温もりとして残っていた。
あの日見た夢
ベレー帽
イーゼル
世界地図
シャンデリア
私が、天使に「覚えていなさい。」と言われた情景の中で、フェルメールは、後ろ向きになり絵を描いていた。
涙が後から後から溢れ出た。
幼少期に、私は、この場所に立ち、時空の迷子になり木靴を探して走り出した。
まさか…
巡り逢えるなんて
ミラクル!!
しかし
その頃の私は
『眠る女』に描かれてある鏡の真実を
思い出す前だったので
半信半疑だった。
だから、こんな風に思った。
300年前のオランダは、こんなデザインの洋服が流行っていたのね。フェルメールの時代に私の魂は生きていた。過去世の父と、フェルメールは、同じデザインの服を着ている。
懐かしい追憶、その時代に惹きつけられたから、私はフェルメールを好きになったんだわ。
あ~この時代の風に 私は確かに吹かれていた。
そう思うだけで、充分幸せだった。
巡り逢いの不思議に
手を合わせた
瞬間であった
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