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第5章 芸術の尊厳について

常識、良識

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【常識】 

一般の社会人が共通にもつ、またもつべき普通の知識・意見や判断力。 

【良識】 

物事の健全な考え方。



それにしても、
良識とは、実に良い言葉である。



例えば、ある絵画において、


【レオナルドが関わったという要素や要因が、
科学的な分析等で
判明したとして、
それが、レオナルド作であるという根拠には繋がらない。】


レオナルドは、作品を工房で仕上げていたから、下絵やはじめのほうのみ、自分が描いて、
途中から弟子に任せたかもしれない。


逆の場合もある。


弟子の絵が、あまりにも下手くそな出来栄えだったら、
師匠自ら、手直しをしたり、描き変えを行なっていたはず。


昨今は、科学的根拠が
何たらかんたらと言われ、
テクノロジーが進歩して以降、
益々騒がしくなっている。


「それがレオナルド作品である!」

その根拠は、どこにあるのか?
と問いたい。


皆、良識が足りなすぎる。


科学的根拠で、【レオナルドの証】みたいなものが見つかったところで、

「主だった製作者は、一体誰なのか?」

吟味し、検証し、分析する専門家は、いないのか?




2018.07.23.09:15  記載
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