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第10話・生徒会お悩み相談室①
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それから三人そろって生徒会室へと向かい、斎藤先輩を中へと招き入れると来客用のソファへと案内する。
「律。茶菓子ってなんかあったっけ?」
「確か、足立先生がお土産に持ってきてくれたクッキーがまだ残ってた気がするが」
「了解。お茶入れてきますから、先輩はゆっくりくつろいでいてくださいね」
「あ、うん。お構いなく。それにしても生徒会室ってこんな風になってたんだね。凄く豪華で驚いたよ」
「三代前の生徒会長がかなり派手好きな御曹司だったらしくて、ポケットマネーで自分の好みに改造したらしいです。それをそのまま使っているんだとか」
「そうだったのか。赤城君達も確か凄いお金持ちだよね?そう言えば」
「まあ陽斗のところは俺達の中でも群を抜いてますね。けどあいつは私欲に金を使うのは好きじゃないし、派手好きでもないので」
「確かに赤城君って超エリートなのにそう言うのを鼻に掛けたところがないよね。親しみやすいって言うか」
「まあ、そこだけがあいつの取り柄ではありますね」
なんて律樹と斎藤先輩が離しているのを耳にしながら、俺は紅茶を入れる。
本当なら友成がいれば、美味しい紅茶を入れられるんだけれどな、俺よりも。
あいつは日本茶だけじゃなくて、茶のつく飲み物にならなんでも精通しているし、あいつが淹れる紅茶は半端なく美味かったりする。
一応俺も友成にならってかなり美味く淹れられはするけれど、味は全然あいつに届かないんだよな。
なんて考えながら律樹に言われた通り、出張の土産に足立先生で差し入れたくれたクッキーの缶を開けて中にあるクッキーを何枚か皿に並べて行く。
暫くしていい感じに紅茶が入れられると、ティーポットとティーカップ3つ、それにクッキーの乗った皿と砂糖とミルクの入った小瓶をトレイに乗せてソファへと移動した。
「お待たせしました。ほら、律」
「ああ、有り難う」
軽くミルクだけを入れた紅茶のティーカップを律樹に差し出すと、次に先輩の方へ紅茶だけが入ったティーカップを差し出し、砂糖とミルクの小瓶も一緒に置いた。
「はい、先輩もどうぞ。砂糖とミルクは好きに入れてくださいね」
「うん。有り難う。何か御免ね。気を使わせたみたいで」
「いえ、気にしないでください。折角ですしクッキーも良かったら食べてください」
「うん。有り難う」
頷く先輩を見守りながら俺も自分のティーカップを片手に律樹の隣へと腰を下ろし、先輩とテーブルを挟んで向き合う態勢になる。
「それで、さっきの話の続きですけれど。だったって言うのは、まさかご友人が亡くなられたとかではないんですよね?」
もしそうだったらと一抹の不安を抱きながら問いかけると、先輩は眉尻を少しだけ下げて首を横に振った。
「ううん。それはないかな。ちゃんと生きてるよ。今もね」
「そうですか。良かった。と言う事は仲違いしたとかですか?」
否定する言葉を聞いて内心ほっとしつつ、改めて問いかけると先輩は一口紅茶を口に運んでから少し考えこむ様子を見せた後ゆっくりと頷いた。
「そうなる、のかな。僕としては未だって仲良くしたいけれど、でもきっと彼には嫌われてしまっているだろうから」
「彼、ですか」
「うん。赤城君達は幼馴染だったよね。…実は僕にもいるんだ。大事な友人であり幼馴染みでもある人が。でも、今はその相手から距離を取られてしまっていて…もうずっと顔も合わせてないんだよね」
「幼馴染み。じゃあ、さっきのハンカチをくれたのもその人と言う事ですか?」
律樹の問いかけに先輩はまた一つ頷いて肯定すると小さく笑みを浮かべる。
「うん。そうなんだ。あのハンカチはまだ僕達が小学生の頃、彼がお小遣いを全部使って僕の誕生日に買って贈ってくれたものだったんだよ。その時僕はこのハンカチの色がとても気に入って凄く欲しかったけれどお小遣いが足りなくて買えずに残念に思っていたことをずっと覚えててくれたみたいで。その時の気持ちが凄く嬉しかったから、だから、あれはいつまでたっても僕の大切な宝物なんだ」
そう教えてくれる先輩の顔は本当に嬉しそうで、その幼馴染みの事が本当に大事だったんだなと言うのが窺い知れる。
それと同時に俺は何となく複雑な感情も覚えていた。
「律。茶菓子ってなんかあったっけ?」
「確か、足立先生がお土産に持ってきてくれたクッキーがまだ残ってた気がするが」
「了解。お茶入れてきますから、先輩はゆっくりくつろいでいてくださいね」
「あ、うん。お構いなく。それにしても生徒会室ってこんな風になってたんだね。凄く豪華で驚いたよ」
「三代前の生徒会長がかなり派手好きな御曹司だったらしくて、ポケットマネーで自分の好みに改造したらしいです。それをそのまま使っているんだとか」
「そうだったのか。赤城君達も確か凄いお金持ちだよね?そう言えば」
「まあ陽斗のところは俺達の中でも群を抜いてますね。けどあいつは私欲に金を使うのは好きじゃないし、派手好きでもないので」
「確かに赤城君って超エリートなのにそう言うのを鼻に掛けたところがないよね。親しみやすいって言うか」
「まあ、そこだけがあいつの取り柄ではありますね」
なんて律樹と斎藤先輩が離しているのを耳にしながら、俺は紅茶を入れる。
本当なら友成がいれば、美味しい紅茶を入れられるんだけれどな、俺よりも。
あいつは日本茶だけじゃなくて、茶のつく飲み物にならなんでも精通しているし、あいつが淹れる紅茶は半端なく美味かったりする。
一応俺も友成にならってかなり美味く淹れられはするけれど、味は全然あいつに届かないんだよな。
なんて考えながら律樹に言われた通り、出張の土産に足立先生で差し入れたくれたクッキーの缶を開けて中にあるクッキーを何枚か皿に並べて行く。
暫くしていい感じに紅茶が入れられると、ティーポットとティーカップ3つ、それにクッキーの乗った皿と砂糖とミルクの入った小瓶をトレイに乗せてソファへと移動した。
「お待たせしました。ほら、律」
「ああ、有り難う」
軽くミルクだけを入れた紅茶のティーカップを律樹に差し出すと、次に先輩の方へ紅茶だけが入ったティーカップを差し出し、砂糖とミルクの小瓶も一緒に置いた。
「はい、先輩もどうぞ。砂糖とミルクは好きに入れてくださいね」
「うん。有り難う。何か御免ね。気を使わせたみたいで」
「いえ、気にしないでください。折角ですしクッキーも良かったら食べてください」
「うん。有り難う」
頷く先輩を見守りながら俺も自分のティーカップを片手に律樹の隣へと腰を下ろし、先輩とテーブルを挟んで向き合う態勢になる。
「それで、さっきの話の続きですけれど。だったって言うのは、まさかご友人が亡くなられたとかではないんですよね?」
もしそうだったらと一抹の不安を抱きながら問いかけると、先輩は眉尻を少しだけ下げて首を横に振った。
「ううん。それはないかな。ちゃんと生きてるよ。今もね」
「そうですか。良かった。と言う事は仲違いしたとかですか?」
否定する言葉を聞いて内心ほっとしつつ、改めて問いかけると先輩は一口紅茶を口に運んでから少し考えこむ様子を見せた後ゆっくりと頷いた。
「そうなる、のかな。僕としては未だって仲良くしたいけれど、でもきっと彼には嫌われてしまっているだろうから」
「彼、ですか」
「うん。赤城君達は幼馴染だったよね。…実は僕にもいるんだ。大事な友人であり幼馴染みでもある人が。でも、今はその相手から距離を取られてしまっていて…もうずっと顔も合わせてないんだよね」
「幼馴染み。じゃあ、さっきのハンカチをくれたのもその人と言う事ですか?」
律樹の問いかけに先輩はまた一つ頷いて肯定すると小さく笑みを浮かべる。
「うん。そうなんだ。あのハンカチはまだ僕達が小学生の頃、彼がお小遣いを全部使って僕の誕生日に買って贈ってくれたものだったんだよ。その時僕はこのハンカチの色がとても気に入って凄く欲しかったけれどお小遣いが足りなくて買えずに残念に思っていたことをずっと覚えててくれたみたいで。その時の気持ちが凄く嬉しかったから、だから、あれはいつまでたっても僕の大切な宝物なんだ」
そう教えてくれる先輩の顔は本当に嬉しそうで、その幼馴染みの事が本当に大事だったんだなと言うのが窺い知れる。
それと同時に俺は何となく複雑な感情も覚えていた。
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