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女王様へのご奉仕・3 ※
「あっ、んぅ……」
生徒会室の机の上に横にならせた優弥の口から切なげな色っぽい声が漏れる。
「散々、駄々をこねた割には感じてるじゃん」
優弥自身を口で愛撫しながら千歳がそう言うと、優弥は潤んだ瞳で睨んでくる。
「うる、せぇ……んあっ!」
生意気な言葉を遮るようにわざと弱い部分に舌を這わせると、一際大きく優弥の身体が跳ねる。
自分で生徒会室を指定しておきながら、動きづらいだの、机が硬くて背中が痛くなるだのと散々文句を言っていた優弥だったが、いざ始めてしまえばすぐにこの行為に夢中になっていた。
「はぁ、あ……高瀬……」
優弥の後ろは千歳の唾液と優弥自身から溢れ出すもので、すでに濡れていた。
「そろそろ、いいか」
千歳は口での愛撫を続けながら、そっと優弥の後ろに指を一本入れてみる。
「あぁっ……う、んっ!」
痛みはないらしく、優弥は千歳の指を逃がさないようにギュッとそこに力を入れた。
きっと無意識の行動なのだろう。
「や……焦らす、な」
決定的な刺激を与えない千歳に焦れたのか、優弥の腰が動く。
もう少し焦らしてやろうと思っていたら。
「やだぁ、高瀬……早く……」
(……計算済みか?)
そう思ってしまうくらい優弥に可愛くおねだりされ、千歳の意思は脆くも崩れ去る。
「一度、先にイカせるか」
千歳は口と指の動きを本格的なものへと変えた。
「ああっ、んっ、う……」
途端に、優弥の反応が大きくなる。
そして千歳の頭に両手をあて、一生懸命に言葉を紡ごうとしていた。
「高瀬、いいから早く、入れ……んっ」
たぶん優弥本人は千歳の頭を引き離そうとしているのだろうが、力の抜けた優弥の指はただそこに添えられているだけになっている。
それをいいことに千歳は、解放へと向けて優弥を攻め立てた。
「あ、んんっ……高瀬ぇ!」
一瞬、背中を仰け反らせた優弥の身体から力が抜ける。
「はぁ……はぁ……」
「深海、大丈夫か?」
荒い呼吸を繰り返している優弥に声をかけると、優弥はとろんとした瞳で千歳を見上げて、小さく頷いた。
「深海、可愛い」
千歳が優弥の唇にキスをすると、優弥の両腕が千歳の首の後ろへと回される。
しばらくその唇を堪能していると、苦しそうに唇を離した優弥が言う。
「早く……欲しい」
このままヤルのもつまらない。
「高瀬……?」
急に身体を離した千歳を、優弥が不安そうな声で呼ぶ。
それには答えず、千歳は生徒会室で一番作りのしっかりしている生徒会長の座る椅子へと移動する。
そして、用意していたゴムを自分自身へと付けると千歳は優弥に向かって両手を広げた。
「おいで、深海」
そう言うと、千歳の意図することに気づいた優弥が恥ずかしそうに目を伏せたが、素直に机から降りてそばへと来る。
(深海にとって俺は、その他大勢のうちの一人でしかないのかもしれないけど……)
こうやって自分を欲しがってくれる優弥はとても可愛い。
だけど、こんな姿を他のセフレにも見せているのかと思うと、無駄だとわかっているのに嫉妬に似た感情が湧いてくる。
「ああ、そうじゃなくて。後ろ向いて座って」
向かい合った状態で腰を下ろそうとした優弥を、努めて冷静に言って後ろを向かせた。
「高瀬?」
「今日は後ろから。はい、自分で入れて」
一瞬、優弥が躊躇う様子を見せたが千歳が何もしないことを悟ったらしく、ゆっくりと千歳自身を飲み込むように腰を下ろしてくる。
「う、ん……」
小さく声を漏らした優弥は、慣れない感覚に強く目を閉じて耐えていた。
半分くらいまで入ったところで、優弥は動きを止めて呼吸を整えている。
「休憩するには……早いんじゃないの?」
「えっ、あ……ああっ!」
優弥の口から大きな喘ぎが漏れる。
千歳が優弥の膝裏に手を入れ持ち上げたため、優弥本人の体重がかかり、千歳自身が全部中へと納まったのだ。
「ああ、ん……」
一度、奥まで納まり最初の衝撃を過ぎれば、後は快感へと変わるだけだ。
下から突き上げる千歳の動きに合わせて、優弥の腰が揺れている。
そんな姿に千歳は意地悪をしたくなり、行為に夢中になっている優弥の耳元へと唇を寄せた。
「深海……」
「んっ、何……高、あっ……」
優弥の言葉は喘ぎで消された。
「実はさ……ここの鍵、さっき掛け忘れたんだよね、俺」
「え……嘘?」
千歳の言葉に優弥の動きが止まる。
誰かに見られるかもしれない状況に我に返ったようだ。
途端に優弥が千歳の上から逃れようともがき出した。
「どうした、急に」
「ん、やめ……んあっ」
一瞬にして優弥の身体が綺麗な朱色に染まる。
「ほら、深海が動くからイイ所に当たっちゃった?」
「あっ、馬鹿……」
「今さらなんだから楽しもうぜ、深海」
そう言って千歳は優弥の足を大きく広げて腰の動きを速める。
「嫌だ!……んんっ、は、ああ!」
口では嫌がっていても、優弥の身体がさっきよりも感じているのは明らかだった。
「いや、高瀬……嫌だぁ」
ついに優弥の瞳から涙が零れ落ちた。
(あらら、泣いちゃった。ちょっと苛め過ぎたか?)
人に見られたくないという気持ちと、それでも感じてしまう身体の矛盾に、感情のコントロールが利かなくなったようだ。
千歳は一度、優弥を自分から離すと机の上に優弥を仰向けに横にならせた。
そして、泣いている優弥の目元にキスをしながら事実を明かしてやる。
「嘘だよ」
「え……?」
優弥が涙を浮かべた瞳で千歳を見上げる。
「鍵、ちゃんと閉めてあるから」
唇に軽くキスをして離すと、優弥は驚いたような顔をしていた。
「お前……」
「ほら、愛のある正常位だから許してよ」
「なに、馬鹿な……んっ!」
優弥の言葉を遮るために、千歳は強引に優弥の唇を奪った。
そして、そのまま再度、優弥の中へと挿入する。
「あっ、高瀬……許さない、からな」
快感に潤んだ瞳で優弥が千歳を睨んだが、そこに拒絶の色は見えなかった。
それを確認した千歳は解放へと向けて腰の動きを激しいものへと変えていく。
「お叱りは後でいくらでも聞くから、今は……ね?」
「あっ、ああ……高瀬! もう……」
限界が近いのか、優弥の腕と足がきつく千歳にしがみついた。
「うん、俺も……限界」
「あ、ああっー!」
一際、高い声をあげて優弥が解放したのと同時に、千歳も自身を解放したのだった。
◆ ◆ ◆
「いい加減、機嫌直してください」
イッた直後は解放感から放心状態になっていた優弥だったが、その身体を綺麗にし終わったころには、ふて腐れていた。
鍵のことで嘘をついたのを根に持っているらしい。
すでに昼休みになっているというのに、千歳は女王様の許しが貰えず謝り続けている。
「本当にごめんなさい! 反省してます!」
「……しないだろうな?」
「……え?」
もう何度目になるかわからない千歳の謝罪の後、ボソッと優弥から言葉が返ってきた。
「もう、あんな嘘はつかないかって聞いてんだよ!」
何も答えずにいた千歳に焦れたのか、優弥が大声を出す。
それに慌てて千歳も言葉を出した。
「つきません!……許してくれるの?」
下げていた頭をあげて千歳が聞くと、優弥はため息を吐いてから答えた。
「今度同じことしたら、絶対に許さないからな」
口をきいてくれたということは、ほぼ許しがでたということだろう。このチャンスを逃すわけにはいかない。
「わかっています……はい、お詫び」
素直に答えて千歳は、来る時に買ってきたミルクティーを優弥に渡した。
人肌ほどの温度になったそれなら、散々声をあげた優弥の喉にも辛くないだろう。
「……しょうがないから、貰っといてやるよ」
口ではそう言いながらも、優弥はどこか嬉しそうだ。
(本当にミルクティー、好きなんだな)
缶のミルクティーを両手で持って飲んでいる優弥に女王様の面影は見えない。
(この深海を……自分だけのものに出来たなら……)
「深海……」
「ん?」
振り返った優弥の肩を掴み、千歳はその唇にキスをした。
もっと抵抗されるかと思ったが、意外とおとなしく優弥はキスに応えてくれた。
ミルクティーの味がするキスを終えると、優弥は顔を赤く染めて怒った。
「いきなり何すんだ!」
(……深海。何でそんな女王様らしくない表情を俺に見せるんだよ。お前が俺をそばに置くのは、身体の相性がいいからなんだろ?)
優弥が本当に変わってしまったなら、完全に遊びだと割り切れるのに、時おり見せる昔の純な面影が千歳を苦しめる。
「……もう少しでいいから」
千歳はそう言って、優弥を腕の中に抱き締めてその肩へと顔を埋めた。
「高瀬……?」
「このままで、いさせて」
小さく呟いた千歳の言葉に、優弥は力を抜いてその身体を千歳に預けた。
(お前にとって俺は、大勢いる中の一人でしかないってわかっているけど……)
もう少しの間……
下僕でいさせて下さい。
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