19 / 23
女王様の初体験・1 ※
しおりを挟む千歳がいなくなったのを確認すると、優弥は脱衣場で服を脱ぎ浴室へと入った。
自分の家とは違う浴室に、ただシャワーを浴びるだけなのに必要以上に緊張する。
家族が留守の恋人の家でシャワーを浴びるなんて、いまさらながらにこれからの展開を想像して恥ずかしくなる。
今まで千歳とは、学園内でしかしたことがなかったし、運動部でもない二人がシャワーなんて使うこともなかった。
そのせいか、制服だって二人して全部脱ぐことはほとんどなかったのだ。
(俺……本当に高瀬と恋人同士になれたんだ。こういう時ってどうしたらいいんだろう。制服、着直した方がいいのかな? それともタオルだけ巻く?)
シャワーの温度を調整しながら、優弥はそんなことを考えていた。
初めての経験に、優弥は完全にバージンと化してしまっていた。
(だって、高瀬とちゃんと恋人として抱き合うのは今日が初めてだから……)
そう考えると、なんだか優弥は恥ずかしさで全身が熱くなる気がした。
顔と身体の熱を冷ますために、少し温めのシャワーを頭から被っていると、脱衣場に人の気配を感じた。
きっと、千歳がタオルを持ってきたのだろう。
そう思ってあまり気にしていなかった優弥だったが……。
「優弥、タオル置いといたから」
言いながら浴室のドアを開けた千歳も全裸になっているのを見た瞬間、優弥は慌ててしまった。
きっと顔は真っ赤になっているに違いない。
なぜなら、こうしてまともに千歳の裸を見るのも優弥は初めてだったからだ。
「た、高瀬っ!」
「俺もシャワー、使おうと思って。優弥の家に比べたら、あれだけど……俺の家だって二人で入っても充分な余裕あるでしょ?」
(浴室に余裕があるないの問題じゃない!)
それどころか、優弥の気持ちには余裕なんてまったくなかった。
そんな優弥の気持ちも知らずに、千歳はさっさとシャワーを浴びる準備をしている。
入り口側を千歳に塞がれてしまい、仕方なく、優弥は千歳に背中を向けてボディソープで身体を洗い始めた。
後ろから千歳の視線を感じるが、優弥は恥ずかしくて振り返ることが出来なかった。
「…………」
お互いに無言で、身体を洗う音が浴室内に響く。
自分の胸の鼓動が千歳に聞こえるんじゃないかと心配するほど、優弥の緊張は高まっていく。
すると、後ろで千歳がシャワーを使う音が聞こえ、その水音に優弥が少しホッとした時だった。
「うわっ!」
いきなり背中にシャワーのお湯をかけられて、優弥は驚いて千歳の方へと振り返ってしまった。
「優弥、緊張しすぎ」
そこには、笑いながらシャワーのお湯を優弥へと向ける千歳がいた。
「だ、だって、お前が……!」
シャワーのお湯を止めた千歳が、優弥の言葉を遮るようにいきなり密着してきた。
そして、少し屈むように優弥の耳元へと口を寄せると囁く。
「だから俺が、ほぐしてあげる」
驚いて千歳の方へと向いた優弥の唇に、千歳のそれが重なってきた。
「んっ……」
優しく唇を舐められて、優弥が少しだけ口を開くと、千歳はそっと舌を差し込んできた。
千歳の舌に捉えられ、優弥もそれに応えようと舌を絡ませていると、突然、甘い香りとともに胸にヌルッとしたものを感じた。
千歳の舌は、相変わらず自分のと絡まっているからそれが千歳の舌ではないことがわかる。
(……な、何?)
正体のわからない何かに優弥が不安がっていると、千歳の舌がさらに深まり、同時に膨らみのない胸を千歳の手で揉まれる。
「あっ、んぅ!」
その感覚に優弥は顔を仰け反らせて喘いでしまい、その拍子に千歳とのキスは離れてしまう。
解放された頭を下げ、優弥が自分の胸へと視線を下ろすと、そこには何か液体らしきものが塗られていた。
「んっ、なに……? 高瀬」
相変わらず胸を弄っている千歳にそう聞くと、千歳は優弥の胸の突起を摘みながら答える。
「ん~……マッサージオイルだよ。これを塗ってマッサージすると、気持ち良くなれるから」
「やぁ、あっ……」
言いながら、千歳が何度も左右の乳首を強く摘むが、オイルのせいで滑るのか、まったく痛みはない。
それどころか、甘く緩い刺激がもどかしくて、もっと激しくして欲しくなる。
「はぁ、あ……んあ」
「……やっぱり痕、消えてるよな」
「え……?」
ぼんやりとした意識の中、千歳の呟きが聞こえ優弥は聞き返す。
すると、千歳は優弥にグッと顔を近づけ囁く。
「この前、我慢出来なくて優弥のここに痕残しちゃったんだよね」
そう言って千歳の指先がいやらしく優弥の鎖骨辺りへと移動する。
(やっぱり……高瀬がつけたんだ)
千歳の指の動きに優弥がドキドキしていると、千歳は甘い声で言った。
「また、残していい? 優弥が俺のものだって証拠」
その言葉に優弥は胸をときめかせてしまい、答えることが出来なかった。
(俺が……高瀬のものだっていう証拠?)
黙ったままの優弥を見つめると、千歳はクスッと笑って唇を優弥の鎖骨へと寄せる。
「答えないから、勝手につけちゃうよ」
「あっ!」
千歳にそこを強く吸われて、優弥は甘い声をあげて身体を震わせた。
やっぱり千歳に触られると、優弥の身体は素直に反応する。
それなのに、千歳はそんな優弥をはぐらかすように、優弥の身体から離れてしまった。
「はい……後ろ向いて。背中、マッサージしてあげる」
「あ……」
優弥は身体の向きを変えられて、背中にもそのオイルを垂らされる。
そして、その上を千歳の手が優しく滑っていく。
肩、背中、腰……と千歳の手は本当に解すためのマッサージをしてくれて、その心地よさとバニラの甘い香りに優弥は癒されていた。
「優弥……気持ちいい?」
「……うん」
優弥が素直に答えると、千歳は急に意地の悪い笑みを浮かべる。
0
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
アプリで元カノを気にしなくなるくらい魅力的になろうとした結果、彼氏がフリーズしました
あと
BL
「目指せ!!魅力的な彼氏!!」
誰にでも優しいように見えて重い…?攻め×天然な受け
⚠️攻めの元カノが出て来ます。
⚠️強い執着・ストーカー的表現があります。
⚠️細かいことが気になる人には向いてません。
合わないと感じた方は自衛をお願いします。
受けは、恋人が元カノと同級生と過去の付き合いについて話している場面に出くわしてしまう。失意の中、人生相談アプリの存在を知る。実は、なぜか苗字呼び、家に入れてもらえない、手を出さないといった不思議がある。こうして、元カノなんか気にしなくなるほど魅力的になろうとするための受けの戦いが始まった…。
攻め:進藤郁也
受け:天野翔
※誤字脱字・表現の修正はサイレントで行う場合があります。
※タグは定期的に整理します。
※批判・中傷コメントはご遠慮ください。
ただの雑兵が、年上武士に溺愛された結果。
みどりのおおかみ
BL
「強情だな」
忠頼はぽつりと呟く。
「ならば、体に証を残す。どうしても嫌なら、自分の力で、逃げてみろ」
滅茶苦茶なことを言われているはずなのに、俺はぼんやりした頭で、全然別のことを思っていた。
――俺は、この声が、嫌いじゃねえ。
*******
雑兵の弥次郎は、なぜか急に、有力武士である、忠頼の寝所に呼ばれる。嫌々寝所に行く弥次郎だったが、なぜか忠頼は弥次郎を抱こうとはしなくて――。
やんちゃ系雑兵・弥次郎17歳と、不愛想&無口だがハイスぺ武士の忠頼28歳。
身分差を越えて、二人は惹かれ合う。
けれど二人は、どうしても避けられない、戦乱の濁流の中に、追い込まれていく。
※南北朝時代の話をベースにした、和風世界が舞台です。
※pixivに、作品のキャライラストを置いています。宜しければそちらもご覧ください。
https://www.pixiv.net/users/4499660
【キャラクター紹介】
●弥次郎
「戦場では武士も雑兵も、命の価値は皆平等なんじゃ、なかったのかよ? なんで命令一つで、寝所に連れてこられなきゃならねえんだ! 他人に思うようにされるくらいなら、死ぬほうがましだ!」
・十八歳。
・忠頼と共に、南波軍の雑兵として、既存権力に反旗を翻す。
・吊り目。髪も目も焦げ茶に近い。目鼻立ちははっきりしている。
・細身だが、すばしこい。槍を武器にしている。
・はねっかえりだが、本質は割と素直。
●忠頼
忠頼は、俺の耳元に、そっと唇を寄せる。
「お前がいなくなったら、どこまででも、捜しに行く」
地獄へでもな、と囁く声に、俺の全身が、ぞくりと震えた。
・二十八歳。
・父や祖父の代から、南波とは村ぐるみで深いかかわりがあったため、南波とともに戦うことを承諾。
・弓の名手。才能より、弛まぬ鍛錬によるところが大きい。
・感情の起伏が少なく、あまり笑わない。
・派手な顔立ちではないが、端正な配置の塩顔。
●南波
・弥次郎たちの頭。帝を戴き、帝を排除しようとする武士を退けさせ、帝の地位と安全を守ることを目指す。策士で、かつ人格者。
●源太
・医療兵として南波軍に従軍。弥次郎が、一番信頼する友。
●五郎兵衛
・雑兵。弥次郎の仲間。体が大きく、力も強い。
●孝太郎
・雑兵。弥次郎の仲間。頭がいい。
●庄吉
・雑兵。弥次郎の仲間。色白で、小さい。物腰が柔らかい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる